
昨日に引き続き、『パリ・コンサート・エディション2
当時、エヴァンスがインタビューに答えて、「スコット・ラファロとポール・モチアンとのトリオに肩を並べる」といったとよく紹介されていますが、三位一体のトリオとしては、どう聞いてもラファロ&モチアン組に軍配があがります。なんてったって、ラファロの存在が圧倒的だからです。
彼らが残したリヴァーサイド4部作は、ピアノトリオの永遠の傑作ですから、これは比べるほうが無理があります。死を前にしてそういわざるを得なかったエヴァンスの悲哀を、むしろここでは感じたい。「彼の死は、歴史上一番時間をかけた自殺だった」という有名な言葉もあります。
マーク・ジョンソン&ジョー・ラバーバラとのトリオは、スリリングなインタープレイの応酬というよりも、エヴァンスの「我」を受け入れて、かつて「天才」と称された彼が残された時間を思う存分演奏できるような場を提供した存在、といったほうがいいように思います。共演者2人のエヴァンスに対する強いリスペクトを感じます。
ラファロとエヴァンスはあまり仲がよくなかったそうですが、ここにはそういう殺気だったやりとりは感じられません。偉大な先達のプレイを支える心優しき追従者といった雰囲気です。
Bill Evans "The Paris Concert, Edition Two"
(Elektra Musician 60311)
Bill Evans (piano)
Marc Johnson (bass)
Joe LaBarbera (drums)
Produced by Halen Keane
Recorded by Radio France (Stew Romaine)
Recorded at L'Espace Cardin, Paris, November 26, 1979
[Tracks]
01. Re: Person I Knew (music: Bill Evans)
02. Gary's Theme (music: Gary McFarland)
03. Letter To Evan (music: Bill Evans)
04. 34 Skidoo (music: Bill Evans)
05. Laurie (music: Bill Evans)
06. Nardis (music: Miles Davis)
[Links: Bill Evans]
Bill Evans Webpage
Bill Evans' Discography
Bill Evans Discography Project (@ Jazz Discography Project)
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