2005年01月05日

ビル・エヴァンス『パリ・コンサート・エディション2』

theparisconcert2.jpg

昨日に引き続き、『パリ・コンサート・エディション2』を。ビル・エヴァンス最後のトリオによるライヴ録音です(ベースはマーク・ジョンソン、ドラムスはジョー・ラバーバラ)。

当時、エヴァンスがインタビューに答えて、「スコット・ラファロとポール・モチアンとのトリオに肩を並べる」といったとよく紹介されていますが、三位一体のトリオとしては、どう聞いてもラファロ&モチアン組に軍配があがります。なんてったって、ラファロの存在が圧倒的だからです。

彼らが残したリヴァーサイド4部作は、ピアノトリオの永遠の傑作ですから、これは比べるほうが無理があります。死を前にしてそういわざるを得なかったエヴァンスの悲哀を、むしろここでは感じたい。「彼の死は、歴史上一番時間をかけた自殺だった」という有名な言葉もあります。

マーク・ジョンソン&ジョー・ラバーバラとのトリオは、スリリングなインタープレイの応酬というよりも、エヴァンスの「我」を受け入れて、かつて「天才」と称された彼が残された時間を思う存分演奏できるような場を提供した存在、といったほうがいいように思います。共演者2人のエヴァンスに対する強いリスペクトを感じます。

ラファロとエヴァンスはあまり仲がよくなかったそうですが、ここにはそういう殺気だったやりとりは感じられません。偉大な先達のプレイを支える心優しき追従者といった雰囲気です。

 

Bill Evans "The Paris Concert, Edition Two"
(Elektra Musician 60311)

Bill Evans (piano)
Marc Johnson (bass)
Joe LaBarbera (drums)

Produced by Halen Keane
Recorded by Radio France (Stew Romaine)
Recorded at L'Espace Cardin, Paris, November 26, 1979

[Tracks]
01. Re: Person I Knew (music: Bill Evans)
02. Gary's Theme (music: Gary McFarland)
03. Letter To Evan (music: Bill Evans)
04. 34 Skidoo (music: Bill Evans)
05. Laurie (music: Bill Evans)
06. Nardis (music: Miles Davis)

[Links: Bill Evans]
Bill Evans Webpage
Bill Evans' Discography
Bill Evans Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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ビル・エヴァンス『パリ・コンサート・エディション1』

theparisconcert1.jpg 

謹賀新年。昨年はまさに「災」の年でしたが、今年はいったいどうなることやら。私は年末から風邪をこじらせて散々な正月でしたが、みなさんはいかがでした?

今年の一発目は、ビル・エヴァンスの最晩年の傑作『パリ・コンサート・エディション1』です。みんな大好き、ビル・エヴァンス。本名は、William John Evans。1929年8月26日、ニュージャージー州プレインフィールド生まれ。1980年9月15日、ニューヨーク州ニューヨークで死去。直接の死因は長年のドラッグ使用による出血性潰瘍と気管支肺炎でした。

ピーター・ペッティンガーによる伝記『ビル・エヴァンス―ジャズ・ピアニストの肖像』(水声社より。名著ですが、誤植が多いのが残念!)によると、エヴァンスは自分の作品の管理には人一倍神経を使っていたようで、水準に満たない作品が自分の与り知らないところで商品化されるのをひどく嫌っていたそうです。

エヴァンスの死後、「最後の音源」と称するライブ盤が続々と出ましたが、この話を知ってからというもの、それらのエヴァンス非公認のアルバムを買うのはやめました。有名な『Consecration』についても、共演者のマーク・ジョンソンが、「あれを出すのは反則だ」みたいなことをいっていました。死の直前という歴史的な価値はさておき、ボロ雑巾のように朽ち果てたエヴァンスを聞いて喜ぶのは、やはり私の趣味にはあいません。エヴァンスは、それ以前に聞くべき作品を山のように残してくれたのですから。

というわけで、この『パリ・コンサート』は生前のエヴァンスが自分で発売許可を出した最後の作品です。死期(翌80年没)を覚悟したエヴァンスの激しさが全編にみなぎっています。重苦しい作品です。でも、私はこの『パリ・コンサート』2部作をもっともよく聞きます。死の臭いがつきまとうこの作品には、エヴァンスという類い稀なる才能のすべてが凝縮されているように感じるからです。

 

Bill Evans "The Paris Concert, Edition One"
(Elektra Musician 60164)

Bill Evans (piano)
Marc Johnson (bass)
Joe LaBarbera (drums)

Produced by Halen Keane
Recorded by Radio France (Stew Romaine)
Recorded at L'Espace Cardin, Paris, November 26, 1979

[Tracks] 
01. I Do It For Your Love (music: Paul Simon)
02. Quiet Now (music: Denny Zeitlin)
03. Noelle's Theme (music: Michel Legrand)
04. My Romance (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
05. I Loves You, Porgy (music: George Gershwin / words: DuBose Heyward, Ira Gershwin)
06. Up With the Lark (music: Jerome Kern / words: Leo Robin)
07. All Mine (Minha) (music: F. Hime, R. Guerra)
08. Beautiful Love (music: Victor Young, Wayne King, Egbert Van Alstyne / words: Heven Gillespie)

[Links: Bill Evans]
Bill Evans Webpage
Bill Evans' Discography
Bill Evans Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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