2005年08月19日

ロイ・ヘインズ『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』

outoftheafternoon.jpg Roy Haynes Quartet - Out of the Afternoon

古くはチャーリー・パーカーの時代(1940年代)から現代にいたるまで、どんなときも、誰と組んでも、まったく違和感を感じさせずにご機嫌な演奏を聴かせるドラム・マスター、ロイ・ヘインズ。1925年3月13日、マサチューセッツ州ボストン生まれ。御年80歳でいまだ現役です!

歴史に名を刻むような革新的なテクがあるわけでもなく、かといってオーソドックスなスタイルに拘泥しているわけでもない。相手がどんなタイプのミュージシャンでも、そこにロイがいるだけで、不思議と音楽がスウィングする。ちょっと得がたい存在です。

そんなロイの最高傑作は、本人もお気に入りという『アウト・オブ・ジ・アフタヌーン』でキマリでしょう。このアルバムには、なんてったってラサーンが参加しています。そして、私的テーマ曲〈イフ・アイ・シュッド・ルーズ・ユー〉と〈フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン(別名イン・アザー・ワード)〉が、なんとそろって入っています。大好きなラサーンが大好きなこの2曲を吹いているというだけで、私はもうメロメロです。まさにドンピシャ、ど真ん中のストレート。ここまでくると、運命的なものすら感じます。

ジャケットを飾るのは、メンバー4人が横一列に並んでの野外撮影の写真です。近くの公園かなにかでしょうか。誰のアイディアかは知りませんが、よく考えると、妙なシチュエーションです。

ラサーンの手には、風変わりなステッキが握られています。彼は自分の杖に笛だのサイレンだのをジャラジャラつけて、ところかまわず鳴らしていたそうですが、この杖には何もついていないみたいですね。ちなみに彼は、盲人用の杖は生涯もちませんでした。

追記:
このジャケット写真について、なおきさんからコメントをいただきました。それによると、この鬱蒼と茂った木々は、ヴァン・ゲルダー・スタジオ(彼の自宅です)の裏手の雑木林だそうです。探せば、似たような構図のジャケットがあるはずだとのことでした。

 

Roy Haynes "Out Of The Afternoon"
(Impulse A 23)

Roland Kirk (tenor sax, manzello, strich, nose-flute)
Tommy Flanagan (piano)
Henry Grimes (bass)
Roy Haynes (drums)

Produced by Bob Thiele
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ; May 16, 23, 1962

[Tracks] Roy Haynes Quartet - Out of the Afternoon
01. Moon Ray (music: Artie Shaw / words: Paul Madison, Arthur Quenzer)
02. Fly Me To The Moon (music: Bart Howard)
03. Raoul (music: Roy Haynes)
04. Snap Crackle (music: Roy Haynes)
05. If I Should Lose You (music: Ralph Rainger / words: Leo Robin)
06. Long Wharf (music: Roy Haynes)
07. Some Other Spring (music: Irene Kitchings / words: Arthur Herzog Jr.)

[Links: Roland Kirk]
Periodicals 林建紀 (@ Read NKYM!)
The Rahsaan Roland Kirk Website
Roland Kirk Discography (by Michael Fitzgerald)
Roland Kirk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Tommy Flanagan]
Tommy Flanagan Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年04月12日

キース・ジャレット『フォート・ヤウー』

fortyawuh.jpg

毎年のように新作は発表するものの、同じメンバー、同じフォーマット(ベースのゲイリー・ピーコック、ドラムのジャック・デジョネットとのトリオ)による似たような作品ばかりで、今やすっかり「ひきこもり」と化したキース・ジャレットですが、70年代のキースは本当にスゴかった。性格の異なる2つのカルテットを率いたり、前人未到の完全即興ソロ・コンサートを実現したり、現代音楽的なアプローチの作品を発表したりするなど、まさに八面六臂の活躍で、次もきっと何かをやらかしてくれるぞという期待感が、この時期のキースにはありました。

この『フォート・ヤウー』には、通称アメリカン・カルテットによるヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ・パフォーマンスが収録されています(1973年録音。この作品のみパーカッションが加わってクインテット編成です)。

キースの初リーダー作以来の不動のメンバーであるチャーリー・ヘイデンとポール・モチアンに、テナーのデューイ・レッドマンが加わってカルテットの形になったのが、1971年の夏。ヘイデンとレッドマンはともにオーネット・コールマンのグループ出身ですから、キースの多岐にわたる活動歴のなかで、もっともフリー・ジャズに接近したのが、このアメリカン・カルテットだったといえるでしょう。

アルバム・タイトルともなった『Fort Yawuh』は「Fourth Way(第四の道)」のアナグラムです。イギリスのブレア首相は、アメリカとも大陸ヨーロッパとも異なる「第三の道」を唱えていますが、キースは何に対して「第四の道」を歩もうとしていたのでしょうか。

 

Keith Jarrett "Fort Yawuh"
(Impulse AS-9240)

Dewey Redman (tenor sax, musette, maracas)
Keith Jarrett (piano, soprano sax, tambourine)
Charlie Haden (bass)
Paul Motian (drums, percussion)
Danny Johnson (percussion)

Produced by Ed Michel
Recorded by Tony May
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; February 24, 1973

[Tracks]
01. (If The) Misfits (Wear It) (music: Keith Jarrett)
02. Fort Yawuh (music: Keith Jarrett)
03. De Drums (music: Keith Jarrett)
04. Still Life, Still Life (music: Keith Jarrett)

[Links: Keith Jarrett]
keithjarrett.org (by Olivier Bruchez)
The ultimate on-line Keith Jarrett Discography (by Mirko Caserta)
Keith Jarrett Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Charlie Haden]
Charlie Haden Home Page (Official Website)
Charlie Haden Complete(?) Discography (by Szige ichihashi)

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2005年04月08日

ジョン・コルトレーン『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード 』

coltraneliveatvv.jpg John Coltrane - Live at the Village Vanguard - The Master Takes

ジョン・コルトレーンのヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ盤、『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード 』です(1961年録音)。コルトレーン(Coltrane)をもじってトレーン(train or trane)と呼ばれます。1926年9月23日、ノース・カロライナ州ハムレット生まれ。1967年7月17日、ニューヨーク州ニューヨークで死去。

トレーンとドルフィーの共演盤として知られていますが、ドルフィー・フリークの私は、正直このアルバムを好きにはなれません。ドルフィーの扱いが可哀想なくらい小さいからです。コルトレーン・カルテットに客演した形とはいえ、全3曲中1曲だけの収録で、しかもいつまで待ってもドルフィーのバスクラのソロは聞こえてこない。イジメじゃないかと思うくらいです。唯一登場する〈スピリチュアル〉も、曲名が、これまたいかにもあっち方面に行ってしまったトレーンっぽくて、うさん臭いです。

テーマ演奏でちょっとハモッてからは、ひたすらトレーンのつかみどころのないソロが続きますが、気がつくと私はトレーンの音はほとんど聞いていません。ドルフィーのバスクラが下腹部にドカンと響くのを、今か今かと待っているのです。それくらい、トレーンの演奏は長い。冗長といったらトレーン・フリークに怒られてしまうかもしれませんが、もっと短くバシッと決めろよ、と思わずツッコミたくなる。それが、インパルス時代のトレーンの印象です(インパルスのアルバムリストはこちら)。

しかも、トレーンの音色は軽い。というか、音に厚みがほとんどありません(ゆったりとバラードを吹くときは別人のような音を出しますが)。リズムは重量級、ドルフィーも音のデカさにかけては超一流ですが、コルトレーンのサックスだけは、ペラペラと薄っぺらい。う〜ん、やっぱり早くドルフィーが聞きたいな。

2曲目の有名スタンダード〈朝日のようにさわやかに〉は、ドルフィー抜きのカルテットの演奏、3曲目〈チェイシン・ザ・トレーン〉はピアノレス・トリオの演奏です。やっぱりイジメですよね、ここまでくると。ちなみに、最後の曲名は、いつも動き回って吹くトレーンを、録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーがマイク片手に追いかけていた(チェイス)のが由来だそうです。

 

John Coltrane "Live At The Village Vanguard"
(Impulse A-10)

John Coltrane (tenor sax, soprano sax)
Eric Dolphy (bass clarinet) #1
McCoy Tyner (piano) #1, 2
Reggie Workman (bass) #1, 2
Jimmy Garrison (bass) #3
Elvin Jones (ds)

Produced by Bob Thiele
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; November 2 (#2, 3), 3 (#1), 1961

[Tracks] John Coltrane - Live at the Village Vanguard - The Master Takes
01. Spiritual (music: John Coltrane)
02. Softly, As In A Morning Sunrise (music: Sigmund Romberg / words: Oscar Hammerstein II)
03. Chasin' The Trane (music: John Coltrane)

[Links: John Coltrane]
John Coltrane (Official Website)
John Coltrane (@ Dave Wild's WildPlace)
John Coltrane Discography (by ANTAIOS)
John Coltrane Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Eric Dolphy]
Eric Dolphy Discography (by Alan Saul)
Making Eric Dolphy's Complete Discography (by Naohiko Hino)
Site Dolphy
Eric Dolphy Discography (by ANTAIOS)
Eric Dolphy Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: McCoy Tyner]
McCoy Tyner Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Reggie Workman]
Reggie Workman's BassScanz (Official Website)
Reggie Workman Discography (by Rick Lopez)
[Links: Jimmy Garrison]
Jimmy Garrison
[Links: Elvin Jones]
Elvin Jones (Official Website)

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