2007年04月10日

UA × 菊地成孔『cure jazz』

kikuchi_curejazz.jpg UA × 菊地成孔 - cure jazz

菊地成孔さんつながりで、UA とのコラボレーション・アルバム『cure jazz』を。

子どもがいる人にとっては、歌のお姉さん「ううあ」でおなじみの UA ですが(2006年3月で放送終了したNHK教育『ドレミノテレビ』に出演していた)、一度聴いたら忘れられないあの官能的なハスキーヴォイス、ぜひともジャズを歌ってほしいなあと思っていたら、出たんですねえ、このアルバムが。

その退廃的な歌声とは裏腹に、ベジタリアンでナチュラル志向でタバコもやらない UA と、毎日肉を食らい、構造主義と精神分析を愛し、ヘヴィースモーカーの菊地成孔が組むと、どんな音が生まれるのか。それは聴いてのお楽しみ。

個人的には、広東語で歌われる#6〈溜息の泡〉とフランス語で2人がデュエットする#12〈水質〉に癒されました(タイトルの cure は「治癒」の意味)。



UA × 菊地成孔 "cure jazz"
(Victor VICL-61957)

UA (vocal)
菊地成孔 (sax, keyboards, vocal)
坪口昌恭 (piano)
鈴木正人 (bass)
藤井信雄 (drums)

中牟礼貞則 (guitar) #6
芳垣安洋 (percussion) #3, 5, 10
高良久美子 (percussion) #3, 5, 10
大儀見元 (percussion) #9, 10
中島ノブユキ (cembalo, organ) #8, 10, 12
with strings and harp (arr. 中島ノブユキ) #1, 3, 8, 11
with brass (arr. 中島ノブユキ) #6, 7, 8, 9, 10, 11

Produced by 菊地成孔
Recorded and Mixed by 藪原正史
Recorded and mixed at Victor Studio

[Tracks] UA × 菊地成孔 - cure jazz
01. Born To Be Blue Mel Torme (music) / Robert Wells (lyrics)
02. A Night In Tunisia Dizzy Gillespie, Frank Paparelli (music) / Jon Hendricks (lyrics)
03. Over The Rainbow Harold Arlen (music) / Edgar Y. Harburg (lyrics)
04. Music On The Planet Where Dawn Never Breaks Naruyoshi Kikuchi (music) / Naruyoshi Kikuchi (Japanese lyrics) Toshiyuki Owada (English lyrics)
05. Ordinary Fool Paul Williams (music and lyrics)
06. 嘆息的泡 Naruyoshi Kikuchi (music) / Naruyoshi Kikuchi (Japanese lyrics) 孫達 (広東語訳)
07. This City Is Too Jazzy To Be In Love Naruyoshi Kikuchi (music) / Naruyoshi Kikuchi (Japanese lyrics) Toshiyuki Owada (English lyrics)
08. Luiza Antonio Carlos Jobim (music and lyrics)
09. Honeys And Scorpions Naruyoshi Kikuchi (music) / Naruyoshi Kikuchi (Japanese lyrics) Toshiyuki Owada (English lyrics)
10. Hymn Of Lambarene Naruyoshi Kikuchi (music) / Naruyoshi Kikuchi (Japanese lyrics) Toshiyuki Owada (English lyrics)
11. I'll Be Seeing You Sammy Fain (music) / Irving Kahal (lyrics)
12. Nature d'eau Naruyoshi Kikuchi (music) / Naruyoshi Kikuchi (Japanese lyrics) Hajime Fukuda (French lyrics)

[Links: UA]
UA official site (@ Victor Entertainment)
[Links: 菊地成孔]
PELISSE: Naruyoshi Kikuchi official website

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2006年10月13日

カキ・キング『... アンティル・ウィ・フェルト・レッド』

kakiking_untilwefeltred.jpg Kaki King - ...Until We Felt Red

ギターを奏でるのでも、かき鳴らすのでもなく、叩くことで、耳目を奪ったカキ・キングの新作『... アンティル・ウィ・フェルト・レッド』。

「このアルバムではテクニックで誰かを感動させようとは思わなかった」という彼女の言葉どおり、いつもの打楽器奏法はひかえめで、奥行きと広がりを感じさせるサウンドにしあがっています。それもそのはず、かつての一人カーニバル状態から脱し、パートナーを迎えてつくったこのアルバムのコンセプトは、おそらくプロデューサーのジョン・マッケンタイアに負うところが大きいのでしょう。

カキ・キング。1980年、ジョージア州アトランタ生まれ。5歳の頃からギターを手にし、ローティーン時代にベースとドラムもマスター、大学時代はロックバンドでドラムを叩いていたんだそうです。卒業後、地下鉄の駅構内でストリート・パフォーマンスをしていたというから、彼女のワイルドな部分は、ストリート時代に築かれたのかもしれません。

ニッティング・ファクトリーでのライヴをヴェロア・ミュージックのスタッフに見初められて、デモテープをそのままリリースした 1st アルバム『エブリバディ・ラヴズ・ユー』が出たのが2003年。以後の活躍はご存じのとおりです(って知らないか)。

奇妙にゆがんだギターの音色にとろけます。生々しさを残しながらも、洗練された奥行きのあるサウンド。今回は5曲で歌も披露しています。ワイルドな風貌に似合わぬキュートな歌声。好きだなあ。

タイトルにかけて、赤いフェルトを全身にまとったジャケットも秀逸。CDの盤面にも、赤い毛糸が。こういう遊び心、大歓迎です。

 

Kaki King "... Until We Felt Red"
(velour PVCP-8803)

Kaki King (guitar)
John McEntire (drums)
Dan Brantigan (flugelhorn #3,6)
Katie Sassidy (harp #9)
Matt Hankle (drums #2)
Fred Lonberg (cello #8)
Dan Mintzer (drums #9)
Kelli Rudick (array m'bira #10)

Produced and Recorded by John McEntire
Recorded at Soma Studios, Chicago

[Tracks] Kaki King - ...Until We Felt Red
01. Yellowcake Kaki King (music)
02. ... Until We Felt Red Kaki King (music)
03. You Don't Have To Be Afraid Kaki King (music)
04. Goby Kaki King (music)
05. Jessica Kaki King (music)
06. First Brain Kaki King (music)
07. I Never Said I Love You Kaki King (music)
08. Ahuvatl Kaki King (music)
09. These Are The Armies Of The Tyrannized Kaki King (music)
10. Second Brain Kaki King (music)
11. Soft Shoulder Kaki King (music)
12. The Footsteps Die Out Forever Kaki King (music)
13. Gay Sons Of Lesbian Mothers Kaki King (music)
14. Brazilian Kaki King (music)

[Links: Kaki King]
Kaki King (Official Web Site)

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2006年10月11日

オーネット・コールマン『サウンド・グラマー』

ornette_soundgrammar.jpg Ornette Coleman - Sound Grammar

北朝鮮が核をもつ。なぜこの事実が、こうも私たちの心をざわつかせるのでしょうか。考えてみれば、日本は冷戦時代からつねに核の標的となってきました。旧ソ連の核ミサイルのうちいくつかは、間違いなく在日米軍基地に向けられていたでしょうし、現在、中国の仮想敵国はおそらくアメリカとその同盟国である日本でしょう。でも、私たちに今ほどの切迫感はなかった。なぜでしょう? おそらく、それは核がもたらす恐怖よりも、相手も同じ人間だ、だから使えるはずがない、というねじれた信頼関係(=抑止力)のほうが、リアリティをもって感じられたからでしょう。

ところが、今回は私たちの理解を超えた国が相手です。こちらの常識で対処できない相手に遭遇したとき、人は恐怖を感じます。1962年のキューバ危機にケネディ政権があれほど過剰に反応したのも、やはり予測がつかない国が相手だったことと無関係ではないはずです。アメリカに遅れること半世紀近く、日本はついに核の恐怖と真正面から向き合わなければならなくなった。さて、安倍政権はどういう方向に舵を取るのか。注目です。

得体の知れないものに遭遇したとき、人は恐怖を感じ、拒絶反応を起こします。しかし、時間が経つにつれて、分析され、解釈を施されて、徐々に理解可能な次元へと引き戻されていきます。前衛と呼ばれる芸術活動もそう。出てきた当初はセンセーショナルな話題を提供しますが、わけ知り顔の解説者がさまざまに解釈し、理解可能な「ルーツ」が明らかにされると、やがて、私たちの感性もそれになれてきて、いつしかそれは前衛ではなくなります。

前衛活動は、旧体制を破壊する衝動をともないますが、時が経ち、破壊すべき対象が古くさくなってしまうと、そもそも何に対する前衛なのかが見えなくなります。過激さがはぎとられ、それこそフツーの芸術表現として、日常にとけ込んでいくわけです。

フリー・ジャズがたどった軌跡も、まさにそのとおりでした。フリー・ジャズといえば、オーネット・コールマンなわけですが、久々に届いた彼の新作『サウンド・グラマー』を聴くと、あまりのフツーさに、かえって腰を抜かします。ダブル・ベースにドラム、サックスという組み合わせも、バイオリンをめちゃめちゃにかき鳴らす姿も、今となっては、あまりに日常的すぎて、間違っても「前衛」という言葉は思いつきません。

じゃあ、なんで聴くのでしょう? それは、オーネットのアルトが聴きたいからです。彼の調子っぱずれの甲高いアルトを耳にしただけで、私なんかは、完全に昇天します(笑)。ああ、もう快感。これ以上は、なんもいらない。

演っている曲はすべてオーネットのオリジナル曲ですが、けっこう有名な曲も入っているので、少し年期のいった人なら「ああっ、これって聴いたことある」という曲がきっとあります。そうなると、もはや懐古趣味。ノスタルジーな味わいさえ感じさせる、オーネット76歳の境地です。



Ornette Coleman "Sound Grammar"
(Phrase Text SG 11593)

Ornette Coleman (sax, violin, trumpet)
Gregory Cohen (bass)
Tony Falanga (bass)
Denardo Coleman (drums, percussion)

Produced by James Jordan
Recorded by Chris Agovino
Recorded live in Ludwigshafen, Germany; October 14, 2005

[Tracks] Ornette Coleman - Sound Grammar
01. Jordan Ornette Coleman (music)
02. Sleep Talking Ornette Coleman (music)
03. Turnaround Ornette Coleman (music)
04. Matador Ornette Coleman (music)
05. Waiting For You Ornette Coleman (music)
06. Call To Duty Ornette Coleman (music)
07. Once Only Ornette Coleman (music)
08. Song X Ornette Coleman (music)

[Links: Ornette Coleman]
Harmolodic.com (Official Website)
Ornette Coleman (by Masumas)
Ornette Coleman Discography (by Akio Kamiyama)
Ornette Coleman Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年06月24日

エゴ・ラッピン『色彩のブルース』

色彩のブルース.jpg EGO-WRAPPIN' - 色彩のブルース - EP

グループリーグが終わりましたね。結果をまとめておきます。

グループA。ドイツ3ー0エクアドル、ポーランド2−1コスタリカ。結果:ドイツ勝ち点9、エクアドル6、ポーランド3、コスタリカ0

グループB。イングランド2−2スウェーデン、パラグアイ2−0トリニダードトバコ。結果:イングランド7、スウェーデン5、パラグアイ3、トリニダードトバコ1

グループC。アルゼンチン0−0オランダ、コートジボワール3−2セルビア・モンテネグロ。結果:アルゼンチン7(得失点差7)、オランダ7(同2)、コートジボワール3、セルビア・モンテネグロ0

グループD。ポーランド2−1メキシコ、アンゴラ1−1イラン。結果:ポーランド9、メキシコ4、アンゴラ2、イラン1

グループE。イタリア2−0チェコ、ガーナ2−1アメリカ。結果:イタリア7、ガーナ6、チェコ3、アメリカ1

グループF。ブラジル4−1日本、オーストラリア2−2クロアチア。結果:ブラジル9、オーストラリア4、クロアチア2、日本1

グループG。スイス2−0韓国、フランス2−0トーゴ。結果:スイス7、フランス5、韓国4、トーゴ0

グループH。スペイン1−0サウジアラビア、ウクライナ1−0チュニジア。結果:スペイン9、ウクライナ6、チュニジア1、サウジアラビア1

実は、仕事が立て込んでいて、残念ながら、グループリーグ最終戦は日本戦しか見ていません。日本についてひと言だけいうとするなら、アウェーのW杯で、日本はまだ1勝もしていないという事実です。フランスW杯では3戦全敗、今回は2敗1分け。勝ち点1をゲットした分だけ、この8年間で成長したということでしょう。

前回ベスト4の韓国、ベスト16の日本が今回ともにグループリーグで敗退したという事実は、サッカーにおけるホーム・アドヴァンテージがどれだけ大きいかの証明であって(だから、今回はダークホース、ドイツが優勝するかもしれません)、両国の実力は今回のほうが正確に反映されているはずです、悔しいけれど。

ただ、韓国は今回初めてアウェーの地で1勝をもぎとりました。若手も順調に伸びているようだし、次回の南ア大会では、さらなる躍進が期待できそうです。日本は、現実的な目標としては、まず1勝。そのためには、今回のメンバーが数人を除いてほとんど入れ替わるくらい、若手の底上げが必要です。

ジーコもいっていたように、とにかくW杯に出続けること。欧州選手権やチャンピオンズ・リーグのようなレベルの高い大会がないアジア勢にとっては、W杯は目標であると同時に、成長の場でもあります。フィジカル面で劣るアジア勢は、最低でも走り負けない体力が必要です。異常な熱さを敗因にあげる人もいるようですが、実力で劣るときは消耗戦に持ち込むしかない、むしろ天の恵みではないかと、個人的には思っていました。その消耗戦で走り負けたということが、最大の敗因ではないでしょうか。

だからこその、若手です。走って走って走りまくる。シュートの精度が多少低くても、10本打てば1本は入る。次の監督(オシム監督、引き受けてくれませんか?)には、とにかく90分間、走り続けるチームをつくってほしいと思います。

推薦盤は、エゴ・ラッピン『色彩のブルース』。昭和歌謡のねっとりとしたムードで憂さを晴らしましょう。〈色彩のブルース〉は、一度聞いたらヘヴィロテ間違いなしの名曲です。妙にいやらしいヴォーカルが耳にまとわりついて離れません。



EGO-WRAPPIN’ "色彩のブルース"
(RD Records RDR-1030)

Yoshie Nakano (vocal)
Masaki Mori (guitar)

Satoru Takeshima (tenor sax, flute) #1, 3, 4, 5
Katsuhiro Mahune (bass) #1, 3, 4, 5
Akira Suefusa (drums) #1, 3, 4, 5
Chieko Maki (piano) #1, 3, 4
Yoichi Nakajima (percussion) #2, 3, 4, 5
Kosuke Shimizu (bass) #2
Yuko Ikoma (accordion) #2

Recorded by Hiroshi Asayama
Recorded at Broadvasting Art College, Alchemy Studio, Flat Five, Flashpoint Studio

[Tracks] EGO-WRAPPIN' - 色彩のブルース - EP
01. Nervous Break Down Masaki Mori, Yoshie Nakano (music) / Yoshie Nakano (lyrics)
02. Gigolo Masaki Mori, Yoshie Nakano (music) / Yoshie Nakano (lyrics)
03. 色彩のブルース Masaki Mori, Yoshie Nakano (music) / Yoshie Nakano (lyrics)
04. Flowers Masaki Mori, Yoshie Nakano (music) / Yoshie Nakano (lyrics)
05. タバコ Masaki Mori, Yoshie Nakano (music) / Yoshie Nakano (lyrics)

[Links: EGO-WRAPPIN']
EGO-WRAPPIN' official website
EGO-WRAPPIN' (@ Universal Music)

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2005年05月23日

綾戸智絵『ユア・ソングス』

yoursongs.jpg 綾戸智絵 - Your Songs

数ある〈オーヴァー・ザ・レインボウ〉(虹の彼方に)のなかでも、個人的にお気に入りなのは、先に紹介したキース・ジャレットの『ラ・スカラ』におけるアンコール演奏と、綾戸智絵さんの初期の傑作『ユア・ソングス』におさめられた同曲です。

今ではすっかり「おばはん」になってしまったチーボーですが(失礼。でも自分でゆうとるから、ええでっしゃろ!)、このアルバムの頃は本当にスゴかった。ついに日本にも本物のゴスペルを歌える人が出てきたのかと、えらい衝撃を受けました。なかでも彼女が弾き語りで歌いあげる〈オーヴァー・ザ・レインボウ〉の迫力といったら。まさに悶絶ものです。

この『ユア・ソングス』は彼女の 2nd アルバムですが(自主制作盤は除きます)、これと 1st の『フォー・オール・ウィー・ノウ』はマジでおすすめです。彼女がメジャーになる前の作品ですが、この2枚がもっともジャズを感じさせます。

2枚とも、今は亡き日野元彦さんが参加しています。彼の存在がいかに大きかったか。それは彼が参加していないその後のアルバムと聞き比べればわかります。これ以降の作品では、参加メンバーの数が減り、彼女の弾き語りにスポットライトを当てた曲が増えて、個性のぶつかり合いを楽しむジャズ的なスリルがどんどん希薄になっていくのです。

彼女は抜群に歌がうまい。ピアノも弾ける。だからそこがもっとも目立つように商品構成を考える。間違っていません。でも、本当にそこを際立たせるためには、もっと別の要素を盛り込むべきだと思うです。

彼女の〈オーヴァー・ザ・レインボウ〉が私たちの心を打つのは、それを取り囲む別の曲やバック陣が充実しているからです。ジャズの匂いがプンプンしてくるアルバムのなかに、ただ1曲挿入された絶品の弾き語り。どうです? これだけ読んでも聞いてみたくなるでしょ? いちばんおいしいものは、ほんのちょっとでいいんです。これ、ホントの話です。

余談ですが、彼女のアルバムからジャズ的要素が消えていったのは、彼女がメジャー化したからというよりも、「ジャズ・シンガー」から形容詞のつかない「ザ・シンガー」へと回帰していった結果のような気がします。そして、ジャズという枠組み、境界があいまいになるにつれて、ポピュラリティを獲得した。人間「綾戸智絵」で勝負できるようになったんだと思います。すごい強烈なキャラですからね(笑)。



Chie Ayado "Your Songs"
(EWE EWCD-0006)

Chie Ayado (vocal, piano #5)
Mikio Masuda (piano)
Tsutomu Okada (bass)
Motohiko Hino (drums) #6, 8, 9, 11-13
Yoshihito Etoh (drums) #1-4, 7, 10
Tetsuroh Kawashima (soprano sax, tenor sax) #3, 4, 9, 11-13)

Produced by Kiyoshi Itoh, Mikio Masuda
Recorded and Mixed by Teruhiko Hirokane
Recorded at Onkio Haus, Tokyo; Sep 30, Oct 1, 2, 1998

[Tracks] 綾戸智絵 - Your Songs
01. The Great City (music+words: Curtis Lewis)
02. Your Song (music: Elton John / words: Bernie Taupin)
03. Baby, Baby, All The Time (music+words: Bobby Troup)
04. Sunny (music+words: Bobby Hebb)
05. Over The Rainbow (music: Harold Arlen / words: Edgar Y. Harburg)
06. What A Wonderful World (music: Bob Thiele / words: George David Weiss)
07. This Can't Be Love (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
08. My Foolish Heart (music: Victor Young / words: Ned Washington)
09. Seven Steps To Heaven (music: Victor Feldman, Miles Davis)
10. What Kind Of Fool Am I (music: Anthony Newley / words: Leslie Bricusse)
11. Can't Buy Me Love (music+words: John Lennon, Paul McCartney)
12. Once Upon A Summertime (music: Eddie Barcle, Michel Legrand / words: Eddie Marray[F], Johnny Mercer[E])
13. Mack The Knife (music: Kurt Weill / words: Bertolt Brecht[G], Marc Blitzstein[E])
14. Stardust (music: Hoagy Carmichael / words: Mitchell Parish)

[Links: Chie Ayado]
Jazz Singer Ayado Chie (Official Website)
綾戸倶楽部

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2005年02月12日

フライド・プライド『ストリート・ウォーキング・ウーマン』

streetwalkingwoman.jpg 

ヴォーカルの SHIHO とバカテク・ギターの横田明紀男からなるデュオ、フライド・プライドの 2nd アルバム、『ストリート・ウォーキング・ウーマン』です(曲によって、ほかにパーカッションが加わります)。カーペンターズの〈クロース・トゥ・ユー〉つながりで、紹介しましょう。

noon の歌う〈クロース・トゥ・ユー〉が昼下がりのなごみの音楽だとするなら、フライド・プライド版の同曲は、もっとエッジのきいたジャズっぽい演奏になっています。

このフライド・プライド、2人ともテクニックばかりに目(耳?)がいきがちですが(ギターもうまいけれど、ヴォーカルの SHIHO もめちゃめちゃうまい。かなり手の込んだアレンジでも、ラクラクと歌いこなします)、選曲のセンスも抜群にいいんです。ビートルズの〈ノルウェイの森〉あたりはジャズ畑でもメジャーな曲ですが、スティーヴィー・ワンダーの〈スーパースティション〉、マーヴィン・ゲイの〈ホワッツ・ゴーイング・オン〉、クルセイダースの〈バーニン・アップ・ザ・カーニヴァル〉ときて、きわめつけはランディ・クロフォードの名曲〈スウィート・ラヴ〉(原題は〈Almaz〉といいます)。いやもう参りました。

余談ですが、このアルバムには2曲だけシーラEが参加しています。私がまだチューボーでいきがっていたころ(笑)、よく聞きました、『グラマラス・ライフ』(っていうか、これしか知らないんだけど。もしかして一発屋か?)。



Fried Pride "Street Walking Woman"
(Victor VICJ-60965)

Shiho (vocal)
Akio Yokota (guitar)
Megu (percussion)
Yubipattin Takakuwa
Sheila E. (percussion) #1, 10

Produced by Akio Yokota, Harry Tokumitsu
Recorded by Masanori "Smokey" Tamura
Mixed by Masanori "Smokey" Tamura, Akitomo Takakuwa
Recorded at Victor Studios

[Tracks] 
01. Street Walking Woman (music: L. Mcglohon / words: M. Shaw)
02. Close To You (music: Burt Bacharach / Hal David)
03. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing) (music: Duke Ellington / words: Irving Mills)
04. Everything Happens To Me (music: Matt Dennis / words: Tom Adair)
05. Norwegian Wood (music+words: John Lennon, Paul McCartney)
06. If I Were A Bell (music+words: Frank Loesser)
07. My Funny Valentine (music: Richard Rodgers / Lorenz Hart)
08. Almaz (music+words: Randy Crawford)
09. Moon River (music: Henry Mancini / words: Johnny Mercer)
10. Superstition (music+words: Stevie Wonder)
11. What's Going On (music: Marvin Gaye, R. Benson / words: A. Cleveland)
12. Burnin' Up The Carnival (music: Joe Sample / words: Will Jennings)

[Links: Fried Pride]
Fried Pride (Official Website)
[Links: Sheila E.]
Sheila E. (Official Website)

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2005年02月08日

noon『ベター・ザン・エニシング』

betterthananything.jpg

おおかたの期待を裏切らず(?)、昨日に引き続き noon の 1st アルバムの紹介です。その名も『better than anythingベター・ザン・エニシング』。ホント、なにものにも代えがたい歌声です。

彼女の癒し系のヴォイスについては、もういいでしょう。思いっきり、しあわせな気分に浸ってください。今日は別の角度から。

バート・バカラック&ハル・デヴィッドの〈クロース・トゥー・ユー〉。カーペンターズでおなじみです。しみじみとしたいい曲ですね。noon の歌は CM でも使われたようですが(CM バージョンは『マイ・フェアリー・テイル』に収録)、実はこれ、あまりジャズで歌われることはありません。私の手持ちの CD では、カーメン・マクレエが『グレート・アメリカン・ソングブック』で取り上げているくらいです。

ジャズで歌われるスタンダードにも流行りすたりがあって、忘れ去られていた曲を誰かが歌ったりすると、別の誰かもとりあげて、またたくまに名曲復活となることも珍しくありません。マネというよりも、気分がシンクロしているというか、時代の流れのようなものが感じられるときがあります。この〈クロース・トゥ・ユー〉もそう。つい最近、フライド・プライドが取り上げていました。次に続くのは誰でしょう?

インストものをあまり聞かない今の人たちには、たぶん noon のようなヴォーカルものから入って、気に入った曲を追いかける、というやり方がいちばんなじみやすいのではないでしょうか。というわけで、次回はフライド・プライドにいく予定です。



noon "Better Than Anything"
(Victor VICJ-61153)

noon (vocal)
Shinji Akita (piano)
Hiroyuki Tominaga (guitar)
Ryo Ogihara (guitar)
Shinich Satoh (bass)
Gonzalez Suzuki (percussion)
Hitomi Yamakami (flute)
Steve Sacks (clarinet)

Produced by Gonzalez Suzuki
Recorded by Tadashi Nakamura, Etsuhito Nakamura (#10)
Mixed by Tadashi Nakamura, Gonzalez Suzuki
Recorded at rad. 2000 studio, Tokyo; May - Aug, 2003

[Tracks]
01. Moonglow (music: Will Hudson / words: Irving Mills, Eddie DeLange)
02. Moon River (music: Henry Mancini / words: Johnny Mercer)
03. One Note Samba (Samba De Uma Nota So) (music: Antonio Carlos Jobim / words: Neuton Mendonca
04. Better Than Anything (music: Bill Louhborough / words: Wheat David)
05. Call Me (music+words: Tony Hatch)
06. (They Long To Be) Close To You (music: Burt Bacharach / words: Hal David)
07. Bluesette (music: Toots Thielemans / words: Norman Gimbel)
08. Danke Schoen (music: Bert Kempfert / words: Milt Gabler, Kurt Schwabach)
09. Nothing But A Fool (music: A. Barbosa, L. Reis / words: Oscar Brown, Jr.)
10. It Had To Be You (music: Isham Jones / Gus Kahn)
11. I'll Never Fall In Love Again (music: Burt Bacharach / Hal David)
12. Getting Some Fun Out Of Life (music: Joseph A Burke / Edgar Lesue)

[Links: noon]
noon official web site
noon Special Site (@ JVC music)
noon's diary (本人によるブログ)

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2005年02月07日

noon『マイ・フェアリー・テイル』

myfairytale.jpg 

ふだんジャズのようなマイナーな音楽ばかり聞いていると(初回オーダーが数千単位なんて、どう考えてもマイナーでしょ)、少々ひがみっぽくなるのか、流行りものには斜に構えるようなところがあって、ヒットチャートに顔を出すような作品にはなかなか手が伸びないのですが(笑)、ずっと気になっていたんです、この noon の存在は。ていうか、絶対気に入ることはわかっていたのに(だって、アン・サリーをこの世に送り出したゴンザレス鈴木のプロデュースだよ、気に入らないわけがないでしょ)、なかなか買おうとしない、このひねくれた性格はどうしたらいいのでしょう(笑)。

でも、ようやく勇気を振り絞って(どんな勇気だ?)買ってきました。『マイ・フェアリー・テイル』。そしたら、やっぱりというか、ドンピシャではまりましたよ、私のハートに。ああ、癒しだね〜。なごみだね〜。いいねえ〜。いいねえ〜。とすっかり心がトロけておりますが、このやわらかい歌声で、気持ちがほぐれない人がいるのでしょうか。

白状してしまいましょう。その昔、まだ浪人生だった頃、毎日デンマークのフォークシンガー、アンヌ・ドゥールト・ミキルセン (なつかしいなあ〜。当時はいっぱい幸せをもらいました)を聞きながら予備校に通った私は、筋金入りの癒し系ヴォーカル大ファンです(キャッ、恥ずかしいっ!)。

軟弱だといわれても、弱腰をなじられても、好きなものは好きなんだからしょうがない。ダメなんです、こういう声を聞くだけで、もうひとり「しあわせ〜」状態(笑)。

というわけで、お昼下がりの幸せのひとときをあなたに。noon、おすすめです。



noon "My Fairy Tale"
(Victor VICJ-61242)

noon (vocal)
Arimasa Yuki (piano)
Hiroyuki Tominaga (guitar)
Norihiro Nagasawa (guitar)
Yusuke Onuma (guitar)
Shinichi Satoh (bass)
Cecil Monroe (drums)
Steve Sacks (flute)

Produced by Gonzalez Suzuki
Recorded and Mixed by Tadashi Nakamura
Recorded at rad. 2000 studio, Heart Beat Recording Studio, Tokyo; July - October 2004

[Tracks] 
01. Tea For Two (music: Vincent Youmans / words: Irving Caesar)
02. Here, There And Everywhere (music+words: John Lennon, Paul McCartney)
03. Raindrops Keep Falling On My Head (music: Burt Bacharach / words: Hal David)
04. Someone To Watch Over Me (music: George Gershwin / words: Ira Gershwin)
05. I've Got Just About Everything (music+words: Bob Dorough)
06. So Far Away (music+words: Carole King)
07. Tears In Heaven (music: Will Jennings / words: Eric Clapton)
08. What A Difference A Day Made (music: Maria Grever / words: Stanley Adams)
09. Recipe For Love (music+words: Harry Connick, Jr.)
10. Sunny (music+words: Bobby Hebb)
11. When You Wish Upon A Star (music: Leigh Harline / words: Ned Washington)
12. Will You Still Love Me Tomorrow? (music: Carole King / words: Gerald Goffin)
13. Close To You (music: Burt Bacharach / words: Hal David)

[Links: noon]
noon official web site
noon Special Site (@ JVC music)
noon's diary (本人によるブログ)

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2005年01月28日

カキ・キング『エヴリバディ・ラヴズ・ユー』

everybodylovesyou.jpg Kaki King - Everybody Loves You

ギター1本で驚きの世界を現出するカキ・キングのデビュー盤『エヴリバディ・ラヴズ・ユー』です(velour music より)。

以前紹介した2作目『レッグス・トゥ・メイク・アス・ロンガー』と比べると、完成度という意味では劣るかもしれませんが、こちらには、まだ商品としてパッケージ化されていない生々しさがあります。

ゲストなしの完全ソロ勝負。オーバー・ダヴィングもおそらくなし。最後の曲の後半で「ミャア、ミャア」と猫なで声でハミングするほかは、弦やボディをたたく音も含めて、ギター1本だけで構成された音空間。こりゃ、キテます。抜群のリズム感が支える血湧き肉踊る音世界へようこそ。

 

Kaki King "Everybody Loves You"
(velour vel-0302)

Kaki King (guitar)

Produced by Kaki King
Recorded by Brian Bauers (#1-4), Dominic Bartolini (#5, 8), Bill Rayner (#6), A.J. Tissian (#7, 9, 10)
Recorded at Big Wave Music (#1-4), Studio A (#5, 8) Point Lookout (#6) Dungeon Rock (#7, 9, 10)

[Tracks] Kaki King - Everybody Loves You
01. Kewpie Station (music: Kaki King)
02. Steamed Juicy Little Bun (music: Kaki King)
03. Carmine Street (music: Kaki King)
04. Night After Sidewalk (music: Kaki King)
05. Happy As A Dead Pig In The Sunshine (music: Kaki King)
06. The Exhibition (music: Kaki King)
07. Close Your Eyes & You'll Burst Into Flames (music: Kaki King)
08. Joi (music: Kaki King)
09. Everybody Loves You (music: Kaki King)
10. Fortuna (music: Kaki King)

[Links: Kaki King]
Kaki King (Official Website)

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2005年01月26日

ブランドン・ロス『コスチューム』

costume.jpg

ブランドン・ロスといえば、カサンドラ・ウィルソンの傑作『ブルー・ライト・ティル・ドーン』や『ニュー・ムーン・ドーター』のミュージカル・ディレクターとして知る人ぞ知る存在ですが、彼個人の名義では、この『コスチューム』が初リーダー作です(ブランドン (g)、メルヴィン・ギブス (b)、JT ルイス (ds) のトリオ Harriet Tubman 名義のアルバムは2枚出ています)。

と、いかにも知ったかぶりのコメントを書いていますが、ブランドンの存在をはっきり意識したのは、実は、このアルバムを買ってからです。以前紹介したカサンドラの『ニュー・ムーン・ドーター』やキップ・ハンラハンの『千夜一夜物語』という、私好みの作品に名を連ねていたブランドン。気にはなっていたのですが、いかんせんリーダー作がなかったので、彼自身がどんなタイプの音楽を演るのか、よくわからなかったんですね。

ところが、つい最近、このアルバムがタワレコのマーケティングやネット事業を手がけている NMNL(No Music No Life の略だそうです)傘下の intoxicate records から出ているのを知って、急いで入手してみたわけです。そしたら、どうでしょう。ズバッとストレートに私のツボにはまるじゃありませんか。

カサンドラにしろ、キップにしろ、好きなアーティストではありますが、実際によく聞くアルバムは限られています。そのいずれにも参加していたブランドンのアルバムを聞くと、私の耳によくなじむ音楽がくり広げられている。そうか、私の好きなのは、ブランドンの音楽だったのか。個人的には大発見です!

さて、ブランドンです。「速弾きすることなんて考えていない。(中略)大事なのは、内なる声とのつながりが見えていることだ」と語る彼の音楽は、とても静かで、ゆったりとして、かすかにクラシックの香りがします。いいなあ、ホントに。

ジャケットのインナーには、タイトル「コスチューム」の由来が短く語られています。ギリシャからオーストリアへのフライトで、近くに座った金髪の少年が彼を見て母親に尋ねていわく、「なんであの人はコスチュームを着ているの?」。少年が「黒人なのになぜ服を着ているの?」といいたかったのか、「(ブランドンの髪型を見て)どうして着ぐるみを着ているの?」といいたかったのか、それはわかりませんが、ブランドンはこのコラムのタイトルを「(Remembering) Who I am」と名づけています。



Brandon Ross "Costume"
(intoxicate intx-1004)

Brandon Ross (acoustic guitar, 12 string guitar, soprano guitar, banjo, vocal, body percussion)
Tsutomu Takeishi (bass)
JT Lewis (drums)
Shuni Tsou (di-zi)
Graham Haynes (cornet)
Gregoire Maret (harmonica)
Sadig Bey (voice, poetry)

Produced by Brandon Ross
Recorded by Chuck Zwicky
Recorded at the Shed, NYC; February 16-18, 2004

[Tracks] 
01. Another Approach (music: Brandon Ross)
02. No Wonder (music: Brandon Ross)
03. Peace Flows (music+words: Brandon Ross)
04. Race Face (music: Ornette Coleman)
05. Dry Lips (music: Brandon Ross)
06. I Am The Light (music: Revenard Gary Davis)
07. (Haerts bleting In A) September Sky 〜 For Aime And Wifredo (music: Brandon Ross) 〜 (music: Sadiq Bey)
08. One Solar Year (music: Brandon Ross)
09. Twelve Gates To The City (traditional)
10. Anthem For A New World Total Program (music: Brandon Ross)

[Links: Brandon Ross]
Brandon Ross (Official Website)
Harriet Tubman Music Online (Official Website。Brandon Ross (g) Melvin Gibbs (b) JT Lewis (ds) のユニット)

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2004年11月09日

カキ・キング『レッグス・トゥ・メイク・アス・ロンガー』

legstomakeuslonger.jpg

あまりの忙しさに徹夜の連続で、
昨日はどうしても書き込みできませんでした。
なんとか無事原稿を入れて、やっと一息ついたところです。ふうっ。

さて、今回はソロギター作品を紹介しましょう。
(曲によってはドラムなどが入る)
ソロギターというと、ジャズの世界では「ヴァーチュオーゾ(巨匠)」
ジョー・パスがすぐに浮かびますが、
今日紹介するのはジャズではありません。
カキ・キング、みなさん知ってますか? 
私は知りませんでした。
先日、新宿のタワーレコードに行ったら
コメント付きでディスプレイされていて、
(お店のコメントって気になるでしょ?)
思わず買ってしまいました。そしたら、大当たり!

彼女はギターをただ弾くだけでなく、
パーカッションのように叩いてリズムを生み出します。
オフィシャル・サイトに動画がおいてあるので、気になる人は確認して)
音とリズムが何層にも重なり、たった1人で弾いているなんて、
いわれないとわからないかもしれません。
その昔、キザイア・ジョーンズ(どこ行っちゃったんでしょうか?)
をはじめて聞いたときと同じような衝撃を受けました。
レッグス・トゥ・メイク・アス・ロンガー』、おすすめです。続きを読む
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2004年10月18日

ミッシェル・カミロ,トマティート『スペイン』

spain.jpg

輸入盤市場で異例のロングセラーを続けた『スペイン』。
ラテン系ピアニスト、ミッシェル・カミロと
フラメンコ・ギタリスト、トマティートが奏でる至福のとき。
(フラメンコの世界ではかなり有名な人らしいです)

ジャズとフラメンコの融合というと、
とっつきにくい感じがするかもしれませんが、
このアルバムに限ってはそんな心配は無用です。
とてもリラックスした空気の中、
その道を極めたマエストロ同士の親しげな語り合いを
聞くような、インティメイトな雰囲気に満ちています。

聞きどころは、冒頭の〈アランフェス協奏曲〉から
チック・コリアの名曲〈スペイン〉にいたる一連の流れです。
哀愁のラテンのキラー・チューン〈ベサメ・ムーチョ〉も入っています。

指はよく動くけど歌心がないとか、音が軽いとか、
テクニシャンにありがちな批判の多いカミロですが、
何事も深刻ぶればいいってものでもないでしょう? 
ラテンにはラテンのノリがあるわけで。
旋律の美しさ、出るところは出る、引くところは引く、
2人の絶妙な駆け引き。
心の平穏を取り戻したい人、ぜひ聞いてください。おすすめです。続きを読む
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2004年10月04日

アラン・パスカ『デディケーションズ』

dedications.jpg

前回に引き続き、ポストカードレーベルより、
アラン・パスカの第2弾『デディケーションズ』です。
今回もオールスター・メンバーで、パスカのピアノに
デイヴ・ホランドのベース、
ポール・モチアンのドラムというピアノ・トリオに、
ランディとマイケルのブレッカー兄弟や、
ゲイリー・バーツが数曲からむという構成です。

それにしても、このパスカ、いい曲を書きます。
ホーン陣のアレンジがたくみな1曲目、
静寂の中にサックスの幽玄な音色が響き渡る2曲目、
ピーター・アースキンのトリオでも再演された名曲〈タイオワ〉など、
1枚通して聞いてもまったくダレるところがありません。

すでに入手がむずかしくなっているかもしれないけれど、
見つけたら即「買い」です。
澤野工房のミリアム・アルターを聞いて
「たまには管入りもいいなあ」と思った人なら、
きっと満足できる出来映えになっているはずです。続きを読む
posted by ユキヒロ at 10:52| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 [新録音] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月03日

アラン・パスカ『ミラグロ』

milagro.jpg

叙情派ピアニスト兼コンポーザー、アラン・パスカの初リーダー作です。
ポストカードレーベルより)

この『ミラグロ』は、パスカのピアノに、
ジャック・デジョネットのドラム、
デイヴ・ホランドのベースというトリオを主体に、
曲によって、マイケル・ブレッカーのテナーらが加わるという構成です。
ニュージャージー生まれのアメリカ人なのに、
まるで欧州エヴァンス派のようなリリカルなピアノを弾きます。
自作曲もグッドです。
派手さはないけど、しっとりとした情感をたたえた、
映画音楽のようないい曲がズラリ。
これだけ要素がそろっているのに、日本で火がつかないのはなぜでしょう?

これを書くために、あらためて彼の経歴を調べてみて
ビックリしたのですが、意外と芸暦が古いようで、
学生時代はピアニストのジャッキー・バイアードに師事し、
トニー・ウィリアムスの「ライフタイム」に参加したあと、
ロック畑で下積み時代を過ごし、
ボブ・ディランやサンタナのバックを務めたりしたそうです。
その後、ハリウッド映画のサントラなどを経て、
(彼の作風はこんなところにヒントがあるかも)
ようやく自己名義のアルバムを吹き込む機会を得た。
それがこの『ミラグロ』です。
最近では、ドラムのピーター・アースキンのトリオで弾いています。
(彼とは学生時代のルームメイトだったらしい)

オフィシャル・サイトでは、愛娘とのツーショット写真を載せるなど、
子煩悩ぶりを発揮する意外な側面も。
生年月日を隠しているのは、なぜでしょう?続きを読む
posted by ユキヒロ at 18:41| Comment(1) | TrackBack(0) | その他 [新録音] | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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