

アメリカで生まれたジャズは、伝統からくる独自の気品を身につけて、ヨーロッパ大陸でもあまねく広まりましたが、「バルカン半島」はいってみれば「ジャズの空白地帯」。そんな土地にあって、ただ1人気を吐いているのが、旧ユーゴスラビア出身のトランペット奏者ダスコ・ゴイコヴィッチです。1931年10月14日、旧ユーゴスラビア Jajce 生まれ。名前は、ドゥシュコと発音するのが正式らしいです。
『アフター・アワーズ
ウィントン以降、クールで燃えないええかっこしいばかり増えて、ジャズに力がなくなったというオジサンたちの嘆きはきっと、こんな作品を待ち望んでの発言なのでしょう。のっけからパワー全開の〈ラスト・ミニット・ブルース〉を聞けば、彼らのいうことにも一理あることがわかるかもしれません(笑)。
ダスコの名曲〈オールド・フィッシャーマンズ・ドーター〉も入っています。あと、タイトルが紛らわしいのですが、有名な〈アフター・アワーズ〉という曲は入っていません。ここでのダスコははじけすぎて、ひと仕事終えた後のアフター・アワーズ的なくつろぎは感じられません。なぜ、こんなタイトルをつけたのでしょうか?
ちなみに、この作品は、エンサイヨというスペインのレーベルの『Ten To Two Blues』という作品をエンヤが買い取って再発したものだそうです。ジャケットが2種類あるのは、そのためです。個人的には、エンヤ盤のほうが雰囲気があって好きですね。
Dusko Goykovich "After Hours"
(enja ENJ-2020)
Dusko Goykovich (trumpet)
Tete Montoliu (piano)
Rob Langereis (bass)
Joe Nay (drums)
Produced by Horst Weber
Recorded by Alberto Llorach
Recorded at Audio, Barcelona; November 1971
[Tracks]

01. Last Minute Blues (music: Slide Hampton)
02. A Child Is Born (music: Thad Jones / words: Alec Wilder)
03. Old Fisherman's Daughter (music: Dusko Goykovich)
04. Remember Those Days (music: Dusko Goykovich)
05. I Love You (music+words: Cole Porter)
06. Ten To Two Blues (music: Dusko Goykovich)
[Links: Dusko Goykovich]
Dusko Goykovich Discography (@ Cosmic Sounds London)
[Links: Tete Montoliu]
Tete Montoliu Discography (@ www.jazzdiscography.com)
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