2007年04月30日

パット・メセニー『トリオ 99 → 00』

metheny_trio99-00.jpg Pat Metheny Trio - Trio 99-00

引き続き、アニーの作曲者チャールズ・ストラウスのミュージカル『バイ・バイ・バーディー』より、〈ア・ロット・オブ・リヴィン・トゥ・ドゥ〉を。

パット・メセニーの純ジャズ作品『トリオ 99 → 00』。パットのオリジナル(と2曲のジャズメン・オリジナル)のなかに、たった1曲紛れ込んだスタンダード・ソング。それが〈ア・ロット・オブ・リヴィン・トゥ・ドゥ〉です。

ふつう、この展開だと期待するじゃないですか。特定のイメージと結びつかない抽象的なオリジナルの世界にあって、その片隅にそっと咲く一輪の花のように、具体的でたしかな何か。古くからあるスタンダード曲がもつ魅力というのは、親しみやすいメロディーに加えて、ある種の記憶とリンクしやすいところだと思うのですが、ここでは見事にそうした期待が裏切られます(笑)。

パットはなぜ、さほど有名ともいえないこの曲をとりあげたのでしょうか。ジョン・コルトレーンの〈ジャイアント・ステップス〉にしろ、ウェイン・ショーター〈カプリコーン〉にしろ、選曲の理由はなんとなくわかる気がします(あくまで想像ですが)。しかし、なぜ〈ア・ロット・オブ・リヴィン・トゥ・ドゥ〉なのか。私にはわかりませんでした。その曲に対する愛というか、思い入れというか、そういうのがダイレクトに伝わってこないんです。

私は楽器をやらないので情緒的な聴き方しかできませんが、パットのサラリとした音楽には、いつも、うまく感情移入できない自分を感じます。細かいところまで行き届いた、いつも清潔で新品同様の音楽。彼の作品につきまとう、よく作り込まれた商品パッケージのイメージは、私の心にある種のフィルターをつくってしまうようです。
いや、嫌いとかそういうわけじゃないですよ。でもジャズじゃないよね、やっぱり(ああ、言うてしもうた)。

 

Pat Metheny "Trio 99 → 00"
(Warner Bros. 9362 47632-2)

Pat Metheny (guitar)
Larry Grenadier (bass)
Bill Stewart (drums)

Produced by Pat Metheny
Co-Produced by Gil Goldstein, Stece Rodby
Recorded and Mixed by Rob Eaton
Recorded at Right Track Recording, NYC; August, 1999

[Tracks] Pat Metheny Trio - Trio 99-00
01. (Go) Get It Pat Metheny (music)
02. Giant Steps John Coltrane (music)
03. Just Like The Day Pat Metheny (music)
04. Soul Cowboy Pat Metheny (music)
05. The Sun In Montreal Pat Metheny (music)
06. Capricorn Wayne Shorter (music)
07. We Had A Sister Pat Metheny (music)
08. What Do You Want? Pat Metheny (music)
09. A Lot Of Livin' To Do Charles Strouse (music) / Lee Adams (lyrics)
10. Lone Jack Pat Metheny, Lyle Mays (music)
11. Travels Pat Metheny, Lyle Mays (music)

[Links: Pat Metheny]
Pat Metheny (Official Website)
Pat Metheny Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年10月05日

『メセニー/メルドー』

metheny_mehldau.jpg Brad Mehldau & Pat Metheny - Metheny Mehldau

ブラッド・メルドーの新譜は、驚きのパット・メセニーとのデュオ、その名も『メセニー/メルドー』です(4曲目と7曲目のみ、メルドー・トリオのラリー・グレナディア (bass) とジェフ・バラード (drums) が加わる)。

たしかに、伏線はあったんです。世紀の変わり目にパットが出したトリオ作『トリオ99→00』と、そのライヴ盤『トリオ→ライブ』には、メルドー・トリオでおなじみのベーシスト、ラリー・グレナディアが参加していました。メルドーの奥さん、フルーリーンの『クロース・イナフ・フォー・ラヴ』では、パットの楽曲「ベター・デイズ・アヘッド」がとりあげられていました。だから、いつかは共演か? なんて思っていたのですが、本当にやっちゃいましたねえ。

アルバムの冒頭を飾るのは、メルドーの最高傑作『ソングス』から、「アンリクワイテッド(報われぬ想い=片想い)」。このはかなく美しい曲に私は目がないのですが、あの一種独特な「気分」に浸ろうと思ってスタートボタンを押すと、あれ? ちょっと違うぞ。曲はもちろん美しいのですが、どうもメルドーのあやしさ、脆さが感じられません。カラッと乾いたさわやかさ。これって、やっぱりパットのせいなんでしょうねえ。

パットのギターには、いつものめりこめないものを感じるのですが、これなんかもそうだなあ。表面的には明るいんだけど、深みを感じないというか。メセニー&メルドーの夢の共演ということで、アマゾンのレビューなどもで激賞されていますが、どうもね。私はパットとは相性がよくないんでしょう、きっと。

というわけで、私はひたすらメルドーのピアノに耳を傾けるわけですが、パットの印象に引きずられたせいか、全体に平板な感じを受けました。ハッとさせられたのは、話題のデュオではなく、ベースとドラムが加わったカルテット演奏の4曲目。ドラムが入ると、こうも違うかと驚きます。息をつかせぬスリリングな展開。そうそう、こうじゃなくっちゃね。

 

Pat Metheny, Brad Mehldau "Metheny Mehldau"
(Nonesuch 79964-2)

Pat Metheny (guitar)
Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass #4, 7)
Jeff Ballard (drums #4, 7)

Produced by Pat Metheny
Recorded by Peter Karam
Recorded at Right Track Recording, NYC; December 2006

[Tracks] Brad Mehldau & Pat Metheny - Metheny Mehldau
01. Unrequited Brad Mehldau (music)
02. Ahmid-6 Pat Metheny (music)
03. Summer Day Pat Metheny (music)
04. Ring Of Life Pat Metheny (music)
05. Legend Brad Mehldau (music)
06. Find Me in Your Dreams Pat Metheny (music)
07. Say the Brother’s Name Pat Metheny (music)
08. Bachelors III Pat Metheny (music)
09. Annie’s Bittersweet Cake Brad Mehldau (music)
10. Make Peace Pat Metheny (music)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehldau: Official Web Site
Discography of Brad Mehldau
[Links: Pat Metheny]
Pat Metheny: Flash Home Page
Patweek: The Unofficial Pat Metheny Web Site (by Tomoyuki Kubo)
Pat Metheny Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年04月29日

ブラッド・メルドー『プログレッション』

artofthetrio5.jpg Brad Mehldau - Art of the Trio, Volume 5: Progression

お待たせしました! ブラッド・メルドーのヴィレッジ・ヴァンガード録音第3弾、『プログレッション』です(2000年録音。今回は怒濤の2枚組)。このアルバムは「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ」名義の(現時点の)最終作でもあります。

さて、私も大好きなメルドーですが、彼についても困ったことが起きてしまいました。私は以前、『ソングス』のところでメルドーをエヴァンスとの比較で語りましたが、その『ソングス』(もちろんふつうの CD です)と、エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』を(オリジナルではありませんが、高そうな LP でした)、あろうことか、聞き比べてしまったんです。そう、例のHさんのお宅の高級オーディオで。

で、何が起きたか。全然違うんですよ、タッチの繊細さが。CD の音が前面に飛び出してこないのは録音の問題だからしょうがないとしても、エヴァンスはまるではじめて赤ん坊を触るかのように、やさしく、ひたすらやさしく鍵盤を扱っているのがよくわかります。

たとえば、有名な〈マイ・フーリッシュ・ハート〉の出だしの部分。あのそっと鍵盤の上に指をのせる感じがものすごくリアルに伝わってきて、「ああ、エヴァンスはこの日も例の前屈みの姿勢で、ピアノをいたわりながら弾いていたんだろうな」と勝手に想像がふくらんでくるんです。

それと比べると、メルドーのタッチはかなり雑な印象を受けました。こんなことを思ったのは、もちろんはじめてです。だって、メルドーですよ。彼のリリカルなピアノが「雑」なわけないじゃないですか。でも、そう聞こえてしまったんです。お金のかかったオーディオというのは、本当に恐ろしいものです。

このニュアンスの違いは、きっとピアノという楽器に対するいたわりというか、愛というか、そういうものの差のような気がします。まあ、これはあくまで私の想像ですが。

最後にいちおう断っておきますが、メルドーは今でも大好きですよ。このライヴもかなり入れ込んだテンションの高い演奏で、お気に入りのアルバムの1つです。ただねえ、エヴァンスは本当にすごかったんですよ。お酒(ブルゴーニュのグランクリュ!)も入っていたので、もう本当に「うっとり」してしまったんです(笑)。

 

Brad Mehldau "Progression: The Art Of The Trio, Vol 5"
(Warner Bros. 48005)

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded by Adam Blackburn
Mixed by James Farber
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, September 22-24, 2000

[Tracks: Disc 1] Brad Mehldau - Art of the Trio, Volume 5: Progression
01. The More I See You (music: Harry Warren / words: Mack Gordon)
02. Dream's Monk (music: Brad Mehldau)
03. The Folks Who Live On The Hill (music: Jerome Kern / words: Oscar Hammerstein II)
04. Alone Together (music: Arthur Schwartz / words: Howard Dietz)
05. It Might As Well Be Spring (music: Richard Rodgers / words: Oscar Hammerstein II)
06. Cry Me A River (music+words: Arthur Hamilton)
07. River Man (music: Nicholas Drake)

[Tracks: Disc 2] Brad Mehldau - Art of the Trio, Volume 5: Progression
01. Quit (music: Brad Mehldau)
02. Secret Love (music: Sammy Fain / words: Paul Francis Webster)
03. Sublation (music: Brad Mehldau)
04. Resignation (music: Brad Mehldau)
05. Long Ago (And Far Away) (music: Jerome Kern / words: Ira Gershwin)
06. How Long Has This Been Going On (music: George Gershwin / words: Ira Gershwin)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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2005年04月15日

ブラッド・メルドー『バック・アット・ザ・ヴァンガード』

artofthetrio4.jpg Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 4

シャイでクールなピアニスト、ブラッド・メルドーのヴィレッジ・ヴァンガード録音第2弾、その名も『バック・アット・ザ・ヴァンガード』(1999年録音)。前作『ソングス』で匂いたつようなリリシズムの極致を聴かせてくれたメルドーが、自らのトリオを率いて熱く燃えあがります。

冒頭を飾るのは、ジャズメンがこぞって取り上げる有名スタンダード〈オール・ザ・シングス・ユーアー〉。ホントにありとあらゆる人が演奏するので、私の iTune にも50以上のバージョンが登録されていますが、メルドーの演奏もキテます。ここまでテンションの高いメルドーはなかなか聞けません。

2曲目〈Sehnsucht〉(初出は『ソングス』)。「憧れ」という意味のドイツ語だそうです。ドイツ人眼科医の養子として育てられ、自らドイツ文学好きを公言するインテリ、メルドーならではの知的な曲です。

そして、アルバムの最後を締めくくるのは、『ソングス』でも取り上げて話題になったレディオヘッドの〈イグジット・ミュージック〉(初出は『OK Computer』)。美しすぎる演奏です。

 

Brad Mehldau "Back At The Vanguard: The Art Of The Trio, Vol. 4"
(Warner Bros. 47463

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded by David Oakes
Mixed by James Farber
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, January 5-10, 1999

[Tracks] Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 4
01. All The Things You Are (music: Jerome Kern / words: Oscar Hammerstein II)
02. Sehnsucht (music: Brad Mehldau)
03. Nice Pass (music: Brad Mehldau)
04. Solar (music: Miles Davis)
05. London Blues (music: Brad Mehldau)
06. I'll Be Seeing You (music: Sammy Fain / words: Irving Kahal)
07. Exit Music (For A Film) (music: Radiohead)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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ブラッド・メルドー『ソングス』

artofthetrio3.jpg Brad Mehldau - The Art of the Trio, Volume 3: Songs

ブラピならぬブラメこと、ブラッド・メルドーの最高傑作です。ヴァンガード録音ではありませんが、これを紹介しないことには先にいけないので、ここで登場してもらいましょう。その名は『ソングス』、メルドーの心にあふれる「歌」たちです。

リーダー作はもちろん、ゲスト参加作までチャートの上位にランクインしてしまうメルドー人気はとどまることを知らないようですが、ふだんジャズなんか聞かないビギナーから耳の肥えたベテラン・ファンまで、みんなを虜にしてしまう彼の秘密は、どこにあるのでしょう?

「今、私はメルドーを聞いている」という気分に浸れるピアニストって、たぶんエヴァンス以来じゃないかと思うんです。同じ白人でも、キースやチック、あるいはペトちゃんだって、「うっとりと聞き惚れる」というシチュエーションは想像しにくい。でも、「エヴァンスにうっとり」「メルドーにうっとり」というのは、しっくりくるんです、経験的に。なにか高貴な香りがする。しいてあげれば、エンリコ・ピエラヌンツィに同じような匂いを感じますが、いかんせん、日本での知名度が低すぎます(最近はそうでもないかな?)。

ちょっとはにかみがちなルックスが影響しているというのは、たぶんホントです。エヴァンスはドラッグ漬けのジャンキーでしたし、メルドーもくわえタバコに二の腕のタトゥーがトレードマークですが、あの顔を見ただけで、ノックアウトされてしまうわけです。男の私がいうのも何ですが、私が守ってあげなくちゃ(ホントは淋しがり屋さんなんでしょ)と思わせてしまう何かが、彼らにはあります(笑)。

さて、『ソングス』です。ワーナー移籍後の第4弾にして、「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ」名義の3作目。この作品で、ついに例の対位法的奏法が完成します。右手と左手が別々の生き物のように動き回って、どんどん違う方向に行くかと見せかけておいて、徐々に元の鞘に収まっていき、最終的には1つの音に収斂していく(たとえば、2曲目や6曲目で確認できます)。

こう書くと、まるで手品のようですが、小手先のトリッキーな感じは受けません。自分の音楽を極めようとしたら、この表現にたどりつかざるをえなかった、という音楽的必然性が感じられるからです。それくらい、彼のコアな部分と密接につながっている気がします。

 

Brad Mehldau "Songs: The Art Of The Trio, Vol. 3"
(Warner Bros. 47051)

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded and Mixed by James Farber
Recorded at Right Track, NYC; May 27, 28, 1998

[Tracks] Brad Mehldau - The Art of the Trio, Volume 3: Songs
01. Song-Song (music: Brad Mehldau)
02. Unrequited (music: Brad Mehldau)
03. Bewitched, Bothered And Bewildered (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
04. Exit Music (For A Film) (music: Radiohead)
05. At A Loss (music: Brad Mehldau)
06. Convalescent (music: Brad Mehldau)
07. For All We Know (music: J. Fred Coots / words: Sam M. Lewis)
08. River Man (music: Nicholas Drake)
09. Young At Heart (music: Carolyn Leigh, Johnny Richards)
10. Sehnsucht (music: Brad Mehldau)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
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2005年04月14日

ブラッド・メルドー『ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』

artofthetrio2.jpg Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 2

60年代のエヴァンス、70年代のキース、80年代のペトちゃんときて、90年代(〜現代)を代表するピアニストといえば、ブラッド・メルドーをおいて他にはいません。1970年8月20日、フロリダ州生まれ。私と同い年です!

彼もまた、名門ヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ作を3枚ものにしています。この『ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』は、メルドー率いる「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ(トリオの芸術)」の2作目で、彼らにとっては初のライヴ録音になります。

「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ」も結成後10年近くになります。不動のメンバー、ベースのラリー・グレナディア、ドラムのホルヘ・ロッシ(「Jorge(Jordi)」は「ホルヘ」と発音します。生メルドーを青山のブルーノート東京で聞いたことがありますが、メルドー本人がそういっていたから間違いありません )とメルドーが織りなす複雑な幾何学文様。でも、そこに難解さはありません。むしろ、完璧に均整のとれた数学的な美しさを感じさせます。

メルドーといえば、右手と左手が別々のメロディーラインを刻みながら相互にからみあって、独特の世界をかもしだす対位法的な演奏が有名ですが、この作品ではまだ完成の域には達していません。でも、ところどころに顔を出すんですね。小出しにしては引っ込める。それを聞き逃すまいと、耳をダンボにしている私がいます(笑)。

 

Brad Mehldau "Live At The Village Vanguard: The Art Of The Trio, Vol. 2"
(Warner Bros. 46848)

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded by James Farber, John Bates
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, July 29 - August 3, 1997

[Tracks] Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 2
01. It's All Right With Me (music+words: Cole Porter)
02. Young And Foolish (music: Albert Hague / words: Arnold B. Horwitt)
03. Monk's Dream (music: Thelonious Monk)
04. The Way You Look Tonight (music: Jerome Kern / Dorothy Fields)
05. Moon River (music: Henry Mancini / words: Johnny Mercer)
06. Countdown (music: John Coltrane)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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2004年12月23日

ブラッド・メルドー『エレゲイア・サイクル』

elegiaccycle.jpg Brad Mehldau - Elegiac Cycle

ブラッド・メルドーは90年代が生んだ最高のピアニスト、という評価はけっして誇張ではありません。美に溺れるというのは日常生活ではあまり経験できないことですが、メルドーのピアノを聞くだけで、非日常の美しく、はかない世界に身を委ねることができます。『エレゲイア・サイクル』というタイトルも、思わせぶりです(エレジーの循環。哀しみの連鎖といったニュアンスでしょうか)。

それにしても、なんて美しい音楽でしょう。そっと触れただけで消えてなくなってしまいそうな、密やかな楽しみ。孤独を愛する人には、たまらないリリシズムです。

そうそう、このアルバムを聞くと、ジャズの演奏でベースとドラムスというリズム・セクションがどれだけ「ジャズっぽさ」を醸し出すことに貢献しているか、わかる仕組みになっています。黒人特有のリズム感とは無縁の白人がたった独りでピアノに向かうと、そこにはもう、私たちの想像する「ジャズっぽさ」は皆無になってしまうのです。

でも、とあえて断っておきますが、これはこれですばらしい。メルドーを悪くいう人を聞いたことはありませんが、ピアノ好きの日本人の琴線に触れるアーティストだというのは、間違いないようです。

 

Brad Mehldau "Elegiac Cycle"
(Warner Bros. 47357)

Brad Mehldau (piano)

Produced by Brad Mehldau
Recorded by Bernie Kirsch
Recorded at Mad Hatter Studios, LA, February 1-2, 1999

[Tracks] Brad Mehldau - Elegiac Cycle
01. Bard (music: Brad Mehldau)
02. Resignation (music: Brad Mehldau)
03. Memory's Tricks (music: Brad Mehldau)
04. Elegy For William Burroughs And Allen Ginsberg (music: Brad Mehldau)
05. Lament For Linus (music: Brad Mehldau)
06. Trailer Park Ghost (music: Brad Mehldau)
07. Goodbye Storyteller (For Fred Myrow) (music: Brad Mehldau)
08. Ruckblick (music: Brad Mehldau)
09. The Bard Returns (music: Brad Mehldau)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehldau (Official Site)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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