2006年04月09日

カーティス・フラー『ブルースエット』

bluesette.jpg Curtis Fuller - Blues-Ette

いつもコメントを寄せていただいているクマキチさんのand i am dumb がすごいことになっています。50年代の名盤を100枚、順番にレビューしているのですが、これが深い。セレクションのバランスもいいし、読んでいてためになります。みなさんもぜひ遊びにいってください。

トランぺッターではありませんが、ゴルソン&フラーに触れて、このアルバムに触れないわけにはいかないでしょう。トロンボーン奏者カーティス・フラーのサヴォイ盤『ブルースエット』です(1959年5月21日録音)。

これくらいの名盤になると、もう聞くしかありません。〈ファイヴ・スポット・アフター・ダーク〉。フラーの丸みをおびたトロンボーンの音と、ゴルソンの艶っぽいテナー音、ジミー・ギャリソンの骨太なベース音で奏でられるテーマが流れてきただけで、もうガマンできません。腰がムズムズします。笑みがこぼれます。そして、「ああ、やっぱりこりゃいいな」と幸せな気分になる(笑)。

ゴルソンのテナーについては否定的なことばかり書いてますが、彼のテナーにも聞くべきところがあります。それが音色です。意外なほど艶っぽいんです。彼のタンギングなしのウネウネ奏法は好きになれませんが、音色には色気がある。そして、音のかぶせ方が抜群にうまいわけです。だから、ゴルソンを聞くときはソロは無視して、テーマ部分のハーモニーを楽しむ。これです。

そして、あまり取り上げられることのない佳曲〈ラヴ・ユア・スペル・イズ・エヴリホエア〉。このフラーがすごい。悲しい雰囲気の曲ですが、フラーのソロはけっこうアグレッシヴです。それが逆に、切羽詰まった思いを表しているようで、妙に心に残ります。

名手トミフラを聞くなら、〈アンデサイデッド〉。そつのない受けこなしは、「名盤の影にトミフラあり」といわれた彼の面目躍如といったところでしょうか。

ところで、表題曲〈ブルースエット〉の「ette」って何でしょう? 英辞郎には、「-ette」という接尾辞は、「小型の」「女性の」「模造の」という意味を表すとありますが、「ブルースの女性形」みたいなニュアンスなんでしょうか? ハーモニカのトゥーツ・シールマンズにも〈ブルースエット〉という曲がありますね。どなたかご存じありませんか?



Curtis Fuller "Blues-Ette"
(Savoy MG 12141)

Curtis Fuller (trombone)
Benny Golson (tenor sax)
Tommy Flanagan (piano)
Jimmy Garrison (bass)
Al Harewood (drums)

Produced by Ozzie Cadena
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, NJ; May 21, 1959

[Tracks] Curtis Fuller - Blues-Ette
01. Five Spot After Dark (music: Benny Golson)
02. Undecided (music: Charlie Shavers / words: Sid Robin)
03. Blues-Ette (music: Curtis Fuller)
04. Minor Vamp (music: Benny Golson)
05. Love Your Spell Is Everywhere (music: Edmund Goulding / words: Elsie Janis)
06. Twelve-Inch (music: Curtis Fuller)

[Links: Benny Golson]
Benny Golson's Official Website
The Jazztet (& More): A History and Annotated Discography (by Michael Fitzgerald)
[Links: Tommy Flanagan]
Tommy Flanagan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Jimmy Garrison]
Jimmy Garrison (by Matthew Garrison)

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posted by ユキヒロ at 11:15| Comment(2) | TrackBack(0) | Savoy | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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