2010年07月25日

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2007年12月12日

秋吉敏子『ザ・トシコ・トリオ』

The Toshiko Trio.jpg

今日はわれらが日本人の誇り、秋吉(穐吉)敏子さんの78歳の誕生日です。
秋吉さんは、1929年12月12日、中国東北部(当時満州)の遼陽で生まれました。終戦後、引き揚げ船で帰国した彼女は、別府の進駐軍向け「つるみダンスホール」で職を得て、見様見真似でジャズピアニストとしての生活をスタートさせます。
彼女がジャズに開眼したのは、テディ・ウィルソンが奏でる〈スウィート・ロレイン〉のレコードを聴いてから。以下は、自伝『ジャズと生きる』(岩波新書)からの引用です。

このレコードを聞いた瞬間から私の人生は変わった、といってもよいと思う。テディ・ウィルソンがアメリカでも最高のジャズ・ピアニストだということは、当時の私には知る由もなかったが、その端麗なピアノの音、そしてスケールをプレイするその流れは、一つ一つの音が同じサイズの真珠を並べたようで、こんなきれいな音楽がジャズなのか、と息のつまる思いがした。

17歳で福岡へ、18歳で東京へと活躍の場を移した彼女に転機が訪れたのは1953年。JATPツアーで来日していたオスカー・ピーターソンにその才能を見出され、彼の推薦で急遽レコーディングすることになったのです。
録音は当時、有楽町にあったラジオ東京(TBS)で行われました。オスカーのリズム・セクション(ギターのハーブ・エリス、ベースのレイ・ブラウン)にドラマーの J.C. ハードを加えて収録された『アメイジング・トシコ・アキヨシ』(原題は『トシコズ・ピアノ』)は、ノーマン・グランツのノーグラン・レコード(のちのヴァーヴ)から発売されました。

日本人の無名のミュージシャンが全米デビューを果たしたわけです。それだけでも驚きですが、彼女はその後、ボストンのバークリー音楽院への切符も手にします(日本人生徒第1号)。渡米自体が珍しかった当時、奨学金を得てアメリカで学ぶなんて夢のまた夢だったはずですが、彼女は強い意志でそれを実現します。まさにシンデレラ・ストーリー。

推薦盤『ザ・トシコ・トリオ』は、彼女がバークリー時代に残した2枚のストーリーヴィル盤のうちの1枚で、ニューポート・ジャズ・フェスティバルのプロモーター、ジョージ・ウィーンが制作しています(彼女のマネジメントも担当していたそうです)。
いくら日本人が物珍しかった時代とはいえ(彼女はちょっとした有名人で、番地も何もない「トシコ・アキヨシ、ボストン、マサチューセッツ州、USA」という日本からきた手紙が無事に配達されたとこともあったというエピソードが、先の自伝で紹介されています)、ノーマン・グランツにジョージ・ウィーンという大物2人を味方につけた彼女の実力を知るにはもってこいのアルバムです。

李香蘭の〈蘇州の夜〉を取り上げたことで知られていますが(この曲のみソロ演奏)、むしろ聴きものは、彼女の情趣あふれるオリジナルとパウエル・ライクなピアノ奏法にあります。
ポール・チェンバースにエド・シグペンという当代一流のプレーヤーをバックに、堂々たる弾きっぷりを聴かせる彼女に拍手! ハツラツとした演奏のなかに時折見せる繊細な響きは、日本人ならでは。イントロのうまさは特筆ものです。

 

Toshiko Akiyoshi "The Toshiko Trio"
(Storyville STLP 912)

Toshiko Akiyoshi (piano)
Paul Chambers (bass)
Ed Thigpen (drums)

Produced by George Wein
Recorded in NYC; summer 1956

[Tracks]
01. Between Me And Myself Toshiko Akiyoshi (music)
02. It Could Happen To You Jimmy Van Heusen (music) / Johnny Burke (lyrics)
03. 郷愁 (Nostalgia) Toshiko Akiyoshi (music)
04. Homework Toshiko Akiyoshi (music)
05. Manhattan Address Toshiko Akiyoshi (music)
06. Sunday Afternoon Toshiko Akiyoshi (music)
07. Blues For Toshiko Toshiko Akiyoshi (music)
08. 蘇州の夜 仁木他喜雄 (music) / 西條八十 (lyrics)
09. Softly, As In A Morning Sunrise Sigmund Romberg (music) / Oscar Hammerstein II (lyrics)

[Links: Toshiko Akiyoshi]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Paul Chambers]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Ed Thigpen]
Ed Thigpen (Official Site)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2007年06月15日

『ジ・アート・ペッパー・カルテット』

theartpepperquartet.jpg

アート・ペッパー没後四半世紀企画の続きです。晩年の作品だけじゃなく、ペッパーがまだ水も滴るいい男だったころの作品も、1枚紹介しておきましょう。西海岸のマイナー・レーベル、タンパ(アルバム・リストはこちら)に残された『ジ・アート・ペッパー・カルテット』です。

このアルバムが録音された1956年は、ペッパー絶頂期のはじまりとして知られています。ドラッグによる2年間の刑期を終えてペッパーがシャバに戻ったのが、56年の夏。早くも8月に『ザ・リターン・オブ・アート・ペッパー』を吹き込んでみずから復帰を祝ったかと思うと、そこから怒濤のレコーディングを開始します。それまでの不遇が嘘のような快進撃。50年代後半のペッパーは快作を連発しますが、なかでもきわめつきの人気盤が、この『カルテット』です。

ここには、今やペッパーの代名詞となった〈ベサメ・ムーチョ〉が入っています。みんな大好き、哀愁のラテン(笑)。まとわりつくようなリズムのうえを、どこまでも軽やかに舞うペッパーです。1曲目〈アーツ・オーパス〉もすばらしい! ペッパーのくり出すアルトはまさに小鳥の歌声。軽妙洒脱とはこのことです。ふだんはクセのあるラス・フリーマンも、ここでは微笑みかけてきます。とっても幸せな気分です。『タンパのペッパー』、サイコーです!!



"The Art Peppet Quartet"
(Tampa TP 20)

Art Pepper (alto sax)
Russ Freeman (piano)
Ben Tucker (bass)
Gary Frommer (drums)

Produced by Robert Scherman
Recorded by Val Valentin
Recorded in Hollywood, CA; November 25, 1956

[Tracks]
01. Art's Opus Art Pepper (music)
02. I Surrender, Dear Harry Barris (music) / Gordon Clifford (lyrics)
03. Diane Art Pepper (music)
04. Pepper Pot Art Pepper (music)
05. Besame Mucho Conseulo Velasquez (music and lyrics)
06. Blues At Twilight Art Pepper (music)
07. Val's Pal Art Pepper (music)

[Links: Art Pepper]
Art Pepper Discography Project (@ Jazz Discography Project)
The Art Of Pepper

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2007年02月18日

アイリーン・クラール『恋の行方』

irenekral_whereislove.jpg アイリーン・クラール - ホエア・イズ・ラヴ?

訃報です。アメリカの作詞家レイ・エヴァンスが亡くなりました。作曲家ジェイ・リヴィングストンとチームを組んで映画音楽に進出。〈モナ・リザ〉や〈ケ・セラ・セラ〉でアカデミー主題歌賞を受賞、とくにナット・キング・コールが歌った〈モナ・リザ〉は、8週連続ビルボード NO.1 の座を獲得するなど大ヒットしました(ナットのベスト盤ならたいてい入っています。たとえばこれとか)。

本名、Raymond Bernard Evans。
1915年2月4日、ニューヨーク州サラマンカ生まれ。
2007年2月15日、カリフォルニア州ロサンジェルスで死去。
亡くなった日は、奇しくもナット・コールの命日と同じでした。

ナットのヴェルヴェット・ヴォイスで聴く〈モナ・リザ〉もしびれますが、ジャズの世界では、1956年の映画『スカーレット・アワー』の主題歌〈ネヴァー・レット・ミー・ゴー〉のほうがカヴァー率が高いようです。

この曲、なんといってもキース・ジャレットの『スタンダーズ Vol. 2』の印象が強いのですが、作詞家を追悼するのにインスト曲では申し訳ないので、これまた渋いヴォーカルものをセレクションしてみました。

じわじわと心にしみるバラード・シンガー、アイリーン・クラール。1932年1月18日、イリノイ州シカゴ生まれ。1978年8月15日、カリフォルニア州 Encino で死去。乳がんを患い、わずか46歳の若さで逝きました。

細やかな感情をこめた、ひっそりとした歌いっぷりから、てっきり彼女はヨーロッパの人だと思いこんでいたのですが、シカゴ生まれとは驚きです。もっとも、両親はチェコ・スロヴァキア(当時)の人なので、そこらあたりに彼女らしさのルーツがあるのかもしれません。ちなみに、お兄さんは「ジャッキー&ロイ」のロイ・クラールです。

デビュー以来、いくつかのビッグバンドを渡り歩いたようですが、トランペット奏者ジョー・バーネットとの結婚を機に活動を休止、10年あまりの沈黙の後、ニュージーランド出身のピアニスト、アラン・ブロードベントと組んでカムバックを果たします。1974年録音のチョイス盤『恋の行方』は、数少ない彼女のアルバムの中でも最高傑作といわれています。

なにはともあれ、CDのトラックナンバーを「2」にセットしてみましょう。〈ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ〉。同じクラールでも、人気者ダイアナ・クラールが歌って有名になった曲ですが(1999年のアルバム『ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ』に収録)、アイリーンのひっそりと語りかけるような歌声を聴いてからダイアナのヴァージョンを聴くと、まだ荒削りな印象を受けます。どこかなげやりというか、歌詞に没入しきれていないというか。

ピアノだけをバックに、ひと言ひと言、感情をこめて歌うアイリーン。絶品です。実は重苦しい雰囲気がたちこめた気の滅入るアルバムなのですが、いったん聴いてしまうと、けっして途中で止めることはできません。どっぷりと、気の済むまで浸ってください。

ジョニー・マンデルの〈ア・タイム・フォー・ラヴ〉。ケイコ・リーも『ビューティフル・ラヴ』で歌ってましたね。大好きな曲ですが、この曲のイメージを決めたのは、間違いなくアイリーンのヴォーカルです。

そして、今回のテーマ曲〈ネヴァー・レット・ミー・ゴー〉。はっきりいって、ハマります。それも深く。間違いなく社会復帰するのに時間がかかりますから、夜寝る前に、静かな環境でひっそりと聴くことをおすすめします。

 

Irene Kral "Where Is Love"
(Choice CRS 1012)

Irene Kral (vocal)
Alan Broadbent (piano)

Produced by Joe Burnett
Recorded by Gabby Garcia
Recorded at Wally Heider Studios; December 1974

[Tracks] アイリーン・クラール - ホエア・イズ・ラヴ?
01. I Like You, You're Nice Blossom Dearie (music and lyrics)
02. When I Look In Your Eyes Leslie Bricusse (music and lyrics)
03. A Time For Love 〜 Small World Johnny Mandel (music) / Paul Francis Webster (lyrics) 〜 Jule Styne (music) / Stephen Sondheim (lyrics)
04. Love Came On Stealthy Fingers Bob Dorough (music and lyrics)
05. Never Let Me Go Jay Livingston (music) / Raymond B. Evans (lyrics)
06. Spring Can Really Hang You Up The Most Tommy Wolf (music) / Fran Landesman (lyrics)
07. Lucky To Be Me 〜 Some Other Time Leonard Bernstein (music) / Betty Comden, Adolph Green (lyrics)
08. Where Is Love Lionel Bart (music and lyrics)
09. Don't Look Back Johnny Mandel (music) / K.L. Dunham (lyrics)

[Links: Irene Kral]
Irene Kral Tribute Page

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2006年06月17日

アストル・ピアソラ『セントラル・パーク・コンサート』

thecentralparkconcert.jpg

グループCの2戦目。アルゼンチン対セルビア・モンテネグロは、6−0でアルゼンチンの圧勝。オランダ対コートジボワールは、2−1でなんとかオランダが逃げ切り。この2チームが2連勝で決勝トーナメント進出を決めました。

いやあ、アルゼンチンは強かったね。少なくとも、今日まで見たなかでは最強じゃないですか? あのテベスやメッシがスターティング・メンバーに名を連ねていないなんて、なんてぜいたくなのでしょうか。信じられないほどの選手層の厚さです。でも、見ていておもしろかったのは、もう一つの試合でした。個人的にはコートジボワールに追いついてほしかった。なんとしてでも1点もぎとろうと攻め続けた後半。あんなに防戦いっぽうのオランダなんて、ちょっと記憶にありません。終わった瞬間、思わず「あ〜〜」とうめいてしまいました。残念。

気分はコートジボワールのジャズといきたいところですが、知りません。というわけで、アルゼンチンです。アルゼンチンといえば、タンゴ。タンゴといえばもちろん、アストル・ピアソラです(それしか知らない、って話もありますが)。

ピアソラ後期キンテート(五重奏団)時代の、ニューヨークはセントラル・パークでの伝説のコンサート『セントラル・パーク・コンサート』(1987年9月6日録音)。ジャズ・ファンには、かのギル・エヴァンスが「私の生涯でいちばん信じられないコンサートの一つを聞いたよ」と絶賛したというエピソードのほうがピンとくるかもしれません。

あの鳥肌が立つような傑作『タンゴ・ゼロ・アワー』のほとんどの曲を再演、代表曲〈ブエノスアイレスの夏〉〈アディオス・ノニーノ〉も演ってます。それだけでなく、珍しくピアソラ本人が英語、スペイン語、イタリア語で聴衆に語りかけた肉声も入ってます。

それにしても、この時期のピアソラ・キンテートのすばらしさといったら。楽曲の成熟度、グループ表現の完成度、すさまじいテンション、どれをとっても完璧です。怖いくらいです。ピアソラ未体験の人は、ぜひ。感動で全身が震えますよ。キンテート、最後のライヴ録音です。



Astor Piazzolla "The Central Park Concert"
(Chesky Records JD 107)

Astor Piazzolla (bandoneon)
Pablo Ziegler (piano)
Fernando Suarez Paz (violin)
Horacio Malvicino (guitar)
Hector Console (bass)

Produced by Joe Killan
Recorded by WNYC, 93.9 FM, New York Public Radio
Recorded live at Central Park, NYC; September 6, 1987

[Tracks]
01. Verano Porteno Astor Piazzolla (music)
02. Lunfardo Astor Piazzolla (music)
03. Milonga Del Angel Astor Piazzolla (music)
04. Muerte Del Angel Astor Piazzolla (music)
05. Astor's Speech
06. Tanguedia III Astor Piazzolla (music)
07. Mumuki Astor Piazzolla (music)
08. Adios Nonino Astor Piazzolla (music)
09. Contra Bajissmo Astor Piazzolla (music)
10. Michelangelo Astor Piazzolla (music)
11. Concierto Para Quinteto Astor Piazzolla (music)

[Links: Astor Piazzolla]
Piazzolla.org: The Internet Home of Astor Piazzolla and his Tango Nuevo
tangodelic! (by 斎藤充正)
アストル・ピアソラ (by よしむら)
ASTOR PIAZZOLLA Score List (by Noritake YONEZAWA)
Astor Piazzolla (by Eiji MURAYAMA)
Astor Piazzolla (by 工藤庸介)

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2006年02月28日

マックス・ローチ&クリフォード・ブラウン『イン・コンサート』

inconcert.jpg Clifford Brown - The Best of Max Roach and Clifford Brown in Concert

アート・ブレイキーと並ぶハードバップ期の大物ドラマー、マックス・ローチのもとにも、幾多のトランぺッターが去来します。なかでもやはり、クリフォード・ブラウンとの双頭グループ、ブラウン=ローチ・クインテットは忘れられない名コンボです。

イン・コンサート』は、このクインテット唯一のライヴ録音です。彼らの作品の大半はエマーシーに残されていますが、これはジーン・ノーマンの GNP (Gene Norman Presents) の作品です。

ジーン・ノーマン (Gene Norman) といえば、ノーマン・グランツ (Norman Granz) になりきれなかった男として知られています(笑)。ヴァーヴ、パブロの両レーベルを興し、JATP を成功させた希代のプロデューサー、ノーマン・グランツとは名前のつづりもそっくりで、仕事も同じ興行師ということで、どうしても比べられてしまう運命にあるのですが、これは相手が悪すぎます。

それはさておき、『イン・コンサート』です。前半の4曲(1954年8月30日録音)は、エマーシーでもおなじみのメンバーによるライヴ、後半の4曲(1954年4月録音)は、ピアノのカール・パーキンス(!)を含む初期のクインテットによるライヴ録音です。

ライヴは、ジーン・ノーマンの司会からはじまります。そしてデューク・ジョーダン(Duke Jordan)の名前を逆にしてつづめた〈ジョードゥ(Jordu)〉が演奏されます。デューク・ジョーダンといえば、自作曲〈危険な関係のブルース〉を他人名義でクレジットされて憤慨したというエピソードが有名ですが、曲名に自分の名前を刻み込んだのは、また曲をかっぱらわれる危険を回避したかったからでしょうか(笑)。

2曲目〈言い出しかねて(アイ・キャント・ゲット・スターテッド)〉。ブラウニーのペットを満喫したいバラードですが、いかんせん、あんまり音がよくありません。高音になると、音が割れて聞きづらいことこのうえない。実にもったいないです。

グループの完成度という意味では前半4曲に譲りますが、ライヴの楽しさという意味では、後半4曲のほうにむしろ愛着を感じます。こちらも冒頭、ジーン・ノーマンのアナウンスに続けてマックス・ローチによるメンバー紹介があるのですが、これがなんともかっこいい。名前を呼ばれた順に演奏に加わっていくだけなのですが、非常にサマになっています。途中で止めてしまうのがもったいないくらいです。

そして、こちらも2曲目には、ブラウニーのペットにスポットを当てた〈テンダリー〉が用意されています。ツボをおさえた小憎らしい演出です。背後でポロンポロンと極甘フレーズをくり出すカール・パーキンスも悪くない。いや、好きですよ。

 

Max Roach, Clifford Brown "In Concert"
(Gene Norman Presents GNP 18)

Clifford Brown (trumpet)
Harold Land (tenor sax) #1-4
Teddy Edwards (tenor sax) #5-8
Richie Powell (piano) #1-4
Carl Perkins (piano) #5-8
George Morrow (bass) #1-4
George Breadsaw (bass) #5-8
Max Roach (drums)

Produced by Gene Norman
Recorded live at California Club; April 1954 (#5-8)
Recorded live at California Club; August 30, 1954 (#1-4)

[Tracks] Clifford Brown - The Best of Max Roach and Clifford Brown in Concert
01. Jordu (music: Duke Jordan)
02. I Can't Get Started (music: Vernon Duke / words: Ira Gershwin)
03. I Get A Kick Out Of You (music+words: Cole Porter)
04. Parisian Thoroughfare (music: Bud Powell)
05. All God's Chillun Got Rhythm (music: Walter Jurmann, Bronislaw Kaper / words: Gus Kahn)
06. Tenderly (music: Walter Gross / words: Jack Lawrence)
07. Sunset Eyes (music: Teddy Edwards)
08. Clifford's Axe (music: Clifford Brown)

[Links: Clifford Brown]
I Remember Clifford: The Clifford Brown Discography
Clifford Brown Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Teddy Edwards]
Teddy Edwards Discography (by Mr. Manri)
[Links: Carl Perkins]
Carl Perkins Discography (by Noal Cohen)
[Links: Max Roach]
Max Roach Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年01月23日

ドナルド・バード『バーズ・アイ・ビュー』

byrdseyeview.jpg

ドナルド・バードがジャズ・メッセンジャーズ(JM)名義で残した作品は、昨日紹介した『ザ・ジャズ・メッセンジャーズ』と JM がバックをつとめた『クール・ヴォイス・オブ・リタ・ライス』くらいしかありませんが、JM のメンバーを丸ごと借り受けて吹き込んだリーダー作があります。それがこの『バーズ・アイ・ヴュー』で、トム・ウィルソンのトランジション・レーベルに残されています(1955年12月2日録音)。

ところが、どういうわけか、ここには JM のメンバーに加えてジョー・ゴードンというトランペット奏者が入っています。同じ楽器の共演といえば「バトル」ですが、切った張ったの熱いバトルを想像すると、肩すかしにあうかもしれません。人数がふえたことで、互いに気を使いすぎたのか、どうにもはじけない。全体にこじんまりしているのです。ああ、もったない。

ジョー・ゴードンは35歳で亡くなったので、作品数も限られ、激レアなアーティストなのですが、そういう稀少価値は別として、このアルバムは JM のメンバーだけでいくべきでした。だって、これだけのメンバーそろえて、演奏がおとなしいって、どういうことやねん!

2曲目〈エル・シノ〉は、オリジナル・ライナーによると、ボストン・ステイブル・ジャズ・クラブのテーマソングだそうです。最後の〈クレイジー・リズム〉はオリジナル LP には含まれず、オムニバス盤『ジャズ・イン・トランジション』に収録されていました。



Donald Byrd "Byrd's Eye View"
(Transition TRLP-4)

Donald Byrd (trumpet)
Joe Gordon (trumpet)
Hank Mobley (tenor sax)
Horace Silver (piano)
Doug Watkins (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Tom Wilson
Recorded by Arnie Ginsberg
Recorded at Harvard Square, Cambridge, MA; December 2, 1955

[Tracks]
01. Doug's Blues (traditional)
02. El Sino (music: Charles Greenlee (aka. Harneefan Mageed))
03. Everything Happens To ME (music: Matt Dennis / words: Tom Adair)
04. Hank's Tune (music: Hank Mobley)
05. Hank's Other Tune (music: Hank Mobley)
06. Crazy Rhythm (music: Joseph Mayer, Roger Wolfe Kahn / words: Irving Caesar)

[Links: Donald Byrd]
Donald Byrd Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Joe Gordon]
Joe Gordon Discography (@ JazzDiscography.com)
[Links: Hank Mobley]
Hank Mobley Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Horace SIlver]
Horace Silver Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Horace Silver Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Doug Watkins]
Doug Watkins Discography (by Vincent Bessieres)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年01月21日

ケニー・ドーハム『ザ・ジャズ・プロフェッツ』

thejazzprophets.jpg

ジャズ・メッセンジャーズが最終的に解散に追い込まれたのは、ブレイキーとシルヴァーの確執(=頭目争い)が原因ですが、オリジナル JM がたった1枚(2枚)のアルバムしか残さなかったのは、ケニー・ドーハムが自分のグループ「ジャズ・プロフェッツ」を結成するために、いち早く JM を脱退したからです。

その名も『ザ・ジャズ・プロフェッツ』と題されたこのアルバムは、ドーハムが満を持して結成したグループのデビュー盤です(1956年4月4日録音)。

ドーハムとフロントを分けるのは、白人のテナー奏者 J.R. モンテローズです。ブルーノート1500番台にリーダー作をもつ数少ない白人として、あるいはミンガスの『直立猿人』に出ていた人として、知る人ぞ知る存在ですね(実は、ジャッキー・マクリーンが参加予定だったという話もあるようです。マクリーンも参加した『直立猿人』の吹き込みが56年1月末ですから、さもありなん、という気もします。未確認ですが)。

ジャケットをよく見ると「Vol. 1」と書かれています。 これだけ見ると、当然「Vol. 2」があるものと期待しますが、そんなものはどこを探しても見つかりません。なにしろリーダー自ら、この年の9月には、友人の窮地を救いに他のグループに馳せ参じてしまうのですから、長続きするわけがありません。その間、わずか半年。リーダーになれない「いい人」ドーハムの「らしさ」が感じられるこのエピソードについては、また後日ということで。

アルバムは、グループ名を冠したドーハム作〈ザ・プロフェッツ(預言者)〉で幕を明けます。グループの門出を祝うにふさわしい、イキのいい演奏です。ドーハムも絶好調で、のびやかなトーンで聞かせます。

5曲目の〈タヒチアン組曲〉。どこかで聞いたメロディだなと思っていたら、なんてことはない、次回紹介する『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』の冒頭を飾った〈モナコ〉と同じ曲でした。気づかせてくれたのは、塩サバ通信この記事です。ヘタウマの手書きのジャケットとともに、脱力系のコメントが秀逸です。

ドーハムのオリジナルの中に、唯一入っているビリー・ホリデイの〈ドント・エクスプレイン(言い訳しないで)〉。ドーハムは珍しくミュートをつけて吹いています。格調高い曲の調べに乗って、少しかしこまった雰囲気のドーハム。これも悪くないね。

 

Kenny Dorham "The Jazz Prophets, Vol. 1"
(ABC-Paramount ABC 122)

Kenny Dorham (trumpet)
J.R. Monterose (tenor sax)
Dick Katz (piano)
Sam Jones (bass)
Arthur Edgehill (drums)

Produced by Creed Taylor
Recorded by Irv Greenbaum
Recorded in NYC; April 4, 1956

[Tracks]
01. The Prophet (music: Kenny Dorham)
02. Blues Elegante (music: Kenny Dorham)
03. DX (music: Kenny Dorham)
04. Don't Explain (music+words: Billie Holiday, Arthur Herzog Jr.)
05. Tahitian Suite (music: Kenny Dorham)

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: J.R. Monterose]
J.R. Monterose (@ Nelson's Navigator for Modern Jazz)
J.R. Monterose Discography (@ JazzDiscography.com)

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2005年11月08日

ルイ・アームストロング『サッチモ・シングス・ディズニー』

disneysongs.jpg 

上の子の小学校の振替休日(月曜日)を利用して、いってきました、東京ディズニーランド。ついでに泊まっちゃいました、ディズニーアンバサダーホテル。というわけで、今日はサッチモこと、ルイ・アームストロングの『サッチモ・シングス・ディズニー』でいきましょう(笑)。

ジャズ史上、最初にして最大のイノヴェイターであり、不世出のエンターテイナー、ルイ・アームストロング。1900年7月4日、ルイジアナ州ニューオリンズ生まれ(1901年8月4日生まれ説もあり)。1971年7月6日、ニューヨーク州ニューヨークで死去。

ジャズ・トランペット創始者としてのサッチモの偉大さは、どんなに言葉を尽くしてもたりないくらいですが、私くらいの世代になると、サッチモといえば、例のだみ声がすぐに頭に浮かぶはず。そう、彼の歌声は時を越えて人の心に訴えかける力をもっています。

この作品はサッチモ晩年の録音(死の3年前)ですが、この頃になると、彼はポピュラーな曲を好んで歌いました。火の出るようなトランペット・ソロはもはや望むべくもありませんが、彼の歌には、酸いも甘いもかみ分けてきた者だけがもつおおらかさがあります。安心感があります。全部を許して包み込むような包容力があります。彼がひと声発するだけで、そこにジャズが生まれてしまうほどの圧倒的な存在感。やはり二度と現れないでしょうね、サッチモのような人は。

歌っているのは、ディズニーの名曲集です。『白雪姫』の〈ハイ・ホー〉や『ピノキオ』の〈星に願いを〉、『シンデレラ』の〈ビビディ・バビディ・ブー〉など、昔懐かしいディズニー・ソングがサッチモのだみ声によって、新たな生命を宿します。心温まる作品です。

CD には、サッチモの功績を讃えて制作されたミッキーマウスの像をウォルト・ディズニーがサッチモに手渡す写真が添えられています。アマゾンのカスタマーレビューによると、「Oscar」ならぬ「Mousker」像というそうです。洒落てますね。

 

Louis Armstrong "Disney Songs The Satchmo Way"
(Buena Vista 4044 / Walt Disney 60920-7)

Louis Armstrong (vocal, trumpet)
Clark Terry (trumpet)
Tyree Glenn (trombone)
Joe Muranyi (clarinet)
Marty Napoleon (piano)
Art Ryerson (banjo, guitar)
Buddy Catlett (bass)
Danny Barvelona (drums)
with unknown studio orchestra and choir (in March sessons)

Produced by Tutti Camarata
Arranged by Maxwell Davies
Recorded by Bill Lazerus
Recorded in NYC; February 27 (#2, 7, 9), 1968
Recorded at Sunset Sound Recorder, Hollywood, CA; March 16 (#1, 6, 8, 10), 17 (#3, 4, 5), 1968

[Tracks] 
01. Zip-A-Dee-Doo-Dah (from "Song Of The South") (music: Allie Wrubel / words: Ray Gilbert)
02. Ten Feet Off The Ground (from "The One And Only, Gemine, Original Family Band") (music: Richard M. Sherman, Robert B. Sherman)
03. Heigh-Ho (The Dwarfs' Marching Song) (from "Snow White And The Seven Dwarfs") (music: Frank Churchill / words: Larry Morey)
04. Whistle While You Work (from "Snow White And The Seven Dwarfs") (music: Frank Churchill / words: Larry Morey)
05. Chim Chim Cher-Ee (from "Mary Poppins") (music: Richard M. Sherman, Robert B. Sherman)
06. Bibbidi-Bobbidi-Boo (from "Cinderella") (music: Mack David, Al Hoffman / words: Jerry Livingston)
07. 'Bout Time (from "The One And Only, Genuine, Original Family Band") (music: Richard M. Sherman, Robert B. Sherman)
08. The Ballad Of Davy Crockett (from "Davy Crockett") (music: George Bruns / words: Tom Blackburn)
09. The Bare Necessities (from "The Jungle Book") (music: Terry Gilkyson)
10. When You Wish Upon A Star (ftom "Pinocchio") (music: Leigh Harline / words: Ned Washington)

[Links: Louis Armstrong]
Satchmo.net: The Official Site of the Louis Armstrong House & Archives
Louis Armstrong: Oh, You Dog!
Louis Armstrong (@ The Red Hot Jazz Archive: A Histroy Of Jazz Before 1930)
[Links: Clark Terry]
Clark Terry (Official Website)

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2005年10月20日

『ブッカー・リトル』

bookerlittle.jpg Booker Little - Booker Little

2人の夭折の天才の奇跡の出会いを記録したタイム盤『ブッカー・リトル』です。

愁いをおびた音色に心がゆすぶられるトランペット奏者ブッカー・リトル。1938年4月2日、テネシー州メンフィス生まれ。1961年10月5日、ニューヨークで死去(死因は尿毒症)。

エヴァンス黄金のトリオを支えた革新的ベース奏者スコット・ラファロ。1936年4月3日、ニュージャージー州ニューアーク生まれ。1961年7月6日、ニューヨーク郊外で自動車事故死。

道半ばにして逝った2人の天才が残してくれた、かけがえのない宝物。私はこのアルバムのオリジナル盤を聞かせてもらったことがあります。そのときの興奮ぶりは以前も書きましたが、あの感動を忘れないために、ここに残しておきます(以下、引用です)。

今回の極めつきは、タイム盤「ブッカー・リトル」。お気に入りのアルバムをあげたらいつでも5本の指に入るだろうこの作品のオリジナル盤を、私はしかとこの手で抱いてきました。もう最高にしあわせ〜(笑)。

盤質はさすがにそれほどよくはありませんでしたが、アナログ特有のプチプチというかすれ気味の音のなかから立ち昇るリトルのペットの物悲しさといったら。

愁いをおびたペット・サウンドにからみつくラファロのど迫力のウォーキング・ベース。右にリトル、左にラファロの超強力布陣の背後でひっそりと奏でられるトミフラのピアノ。そして、半世紀以上にわたって現役を貫き、誰と組んでも、どんなスタイルにもマッチする不思議なドラマー、ロイ・ヘインズがフロント陣を煽るようにプッシュする。

まさに感涙ものとはこのことです。リトル&ラファロ、サイコー!

 

"Booker Little"
(Time 52011)

Booker Little (trumpet)
Tommy Flanagan (piano)
Scott LaFaro (bass)
Roy Haynes (drums)

Produced by Irving Joseph
Recorded by Al Weintraub, Bill MacMeekin
Recorded in NYC; April 13, 15, 1960

[Tracks] Booker Little - Booker Little
01. Opening Statement (music: Booker Little)
02. Minor Sweet (music: Booker Little)
03. Bee Tee's Minor Plea (music: Booker Little)
04. Life's A Little Blue (music: Booker Little)
05. The Grand Valse (music: Booker Little)
06. Who Can I Turn To (music: Alec Wilder / words: William Engvick)

[Links: Booker Little]
Booker Little Discography (by Alan Saul)
Booker Little Discography Project (@ Jazz Discography Project)
Booker Little (@ Nelson's Navigator for Modern Jazz)
[Links: Tommy Flanagan]
Tommy Flanagan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Scott LaFaro]
Scott LaFaro: Beacon for Jazz Bassists (by Charles A. Ralston)
Scott LaFaro Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年09月07日

ドナルド・バード『バード・ブロウズ・オン・ビーコン・ヒル』

byrdblowsonbeaconhill.jpg 

日本の音楽家で「教授」といえば、ご存じ坂本龍一ですが、ジャズ界にも「プロフェッサー」と呼ばれる人がいます。プロフェッサー・バードことドナルド・バード、その人です。本名は、Donaldson Toussaint L'Ouverture II(なんて発音するの?)。1932年12月9日、ミシガン州デトロイト生まれ。1982年にコロンビア大学で本物の「博士号」を取得してます。

のちにファンキー路線やエレクトリック路線を突っ走り、人気を博すことになるバードですが、デビューしたてのころは、彼もまっとうなハードバッパーでした。それもそのはず、彼が生まれ故郷のデトロイトからニューヨークに上京したのが1955年。当時はハードバップが大きなうねりとなってジャズ界を席巻しつつあり、なかでも花形ポジションのトランペットには、クリフォード・ブラウンという巨星がいました。翌56年の6月、ブラウニーの突然の事故死を受けて跡目争いが勃発。バード、モーガン、ハバードといった才能あふれる新人たちが、「われこそはクリフォード・ブラウンの正統な後継者だ」と名乗りをあげていったのです。

バード・ブロウズ・オン・ビーコン・ヒル』は、トランジションに残されたバード名義の2枚(3枚?)のうちの1枚で、バードにとっては通算3枚目のリーダー作にあたります。バードには珍しいワンホーン・カルテットであり、幻のレーベル「トランジション」の作品ということもあって、思い入れのある人が多いようで、ひそかに楽しむ愛聴盤としてよく紹介されたりしています。その気持ち、わかりますよ〜(笑)。

ボストンのインテリの拠り所(とライナーにあります)、高級住宅地として知られるビーコン・ヒルを同郷出身のベーシスト、ダグ・ワトキンス(2人は当時、分裂前のジャズ・メッセンジャーズに在籍していた)とともに訪れたバードは、現地のミュージシャンを従えて、愛すべき小品を残してくれました。輝かしい音色にメロディアスなフレージング、ほどよく抑制された感情表現に、のちに教授になったバードの知性を見る思いです。ゆったりとした気分でどうぞ。

 

Donald Byrd "Byrd Blows On Beacon Hill"
(Transition TRLP-17)

Donald Byrd (trumpet)
Ray Santisi (piano)
Doug Watkins (bass)
Jim Zitano (drums)

Produced by Tom Wilson
Recorded by Steve Fassett
Recorded at Steve Fassett's old house, Beacon Hill, Boston; May 7, 1956

[Tracks] 
01. Littile Rock Getaway (music: Joe Sullivan)
02. Polka Dots And Moonbeams (music: Jimmy Van Heusen / words: Johnny Burke)
03. People Will Say We're In Love (music: Richard Rodgers / words: Oscar Hammerstein II)
04. If I Love Again (music: Ben Oakland / words: Jack P. Murray)
05. What's New (music: Bob Haggart / words: Johnny Burke)
06. Stella By Starlight (music: Victor Young / words: Ned Washington)

[Links: Donald Byrd]
Donald Byrd Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Doug Watkins]
Doug Watkins Discography (by Vincent Bessieres)

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2005年08月16日

『グレート・コンサート・オブ・チャールズ・ミンガス』

greatconcertofcm.jpg

1964年4月4日に『タウン・ホール・コンサート』を収録したミンガス・ワークショップの一行は、そのままヨーロッパへと旅立ちます。

4月10日のアムステルダム(オランダ)を皮切りに、
11日、ヒルバーシュム(オランダ)、
12日、オスロ(ノルウェー)、
13日、ストックホルム(スウェーデン)、
14日、コペンハーゲン(デンマーク)、
16日、ブレーメン(ドイツ)、
17/18日、Salle Wagram @パリ(フランス)、
18/19日、Theatre des Champs-Elysees @パリ(フランス)、
19日、リエージュ(ベルギー)、
20日、マルセイユ(フランス)、
21日、リヨン(フランス)、
22日、チューリッヒ(スイス)、
23日、ビール/ビエンヌ(スイス)、
24日、ボローニャ(イタリア)、
25日、ミラノ(イタリア)、
26日、ヴッパータール(ドイツ)、
27日、フランクフルト(ドイツ)、
28日、シュトゥットガルト(ドイツ)(ふうっ、やっと書き終わった)

と続いたツアーは、18日間で9カ国17都市をまわるというあまりに過酷な強行軍でした(プロモーターは、かのジョージ・ウェインらしいです)。これでぶっ倒れないほうがおかしいわけで、実際、ペットのジョニー・コールズは、17/18日(日付をまたいで深夜に行われた)のパリ Salle Wagram でのコンサートの途中で卒倒、病院にかつぎこまれました。

グレート・コンサート・オブ・チャールズ・ミンガス』はその翌日、同じパリのシャンゼリゼ劇場で行われたコンサートの模様を収録したアルバムです。冒頭のバイアードのピアノ・ソロ〈A.T.F.W.(アート・テイタム、ファッツ・ウォーラー)〉に続いて、ミンガスのメンバー紹介が入っていますが、そこで思い出したように「ジョニー・コールズ」の名前をいっているのは、そういうわけです。

さて、このアルバムはかつて「アメリカ」というフランスのレーベル(紛らわしいね)から3枚組の LP として出ていたのですが(America LP 003/4/5)、そこにはどういうわけか〈ソー・ロング・エリック〉の別ヴァージョン(というか編集ヴァージョン)が入っていました。

どういうことかというと、前日ジョニー・コールズが倒れたのが同じ〈ソー・ロング・エリック〉の演奏中だったということで、コールズをフィーチャーした部分(17/18日の Salle Wagram)とコールズなしの部分(18/19日の Theatre des Champs-Elysees)をくっつけて1つの曲としていたらしいんですね。まったく、実にややこしいことをしてくれます。

で、コールズがいた17/18日の演奏の完全ヴァージョンは、リヴェンジ・レーベルの『リヴェンジ!』というアルバムにおさめられています。このレーベル、あまりの海賊版の横行に業を煮やした未亡人のスー・ミンガスが、文字どおりリヴェンジするために自ら立ち上げたものだそうです。気持ちはわかりますが、すごい執念ですね。

私がもっているユニヴァーサル・フランス盤の CD は、アメリカ盤に〈ソー・ロング・エリック(当日ヴァージョン)〉と〈A.T.F.W.〉を加えてコンプリートしたものです。個人的にはあまり好きではないコンプリート盤ですが、こういうのなら歓迎ですね。

この記事を書いていて思い出しましたが、私は学生のころ、結婚をひかえた姉のために「最後の家族旅行」なるものに連れて行かれました。で、それがヨーロッパ4カ国周遊9泊10日の旅(ロンドン、パリ、ジュネーブ、ローマ)という無謀なツアーで、機中2日として、1カ国あたり2日、移動にそれぞれ半日かかるとすると、1つの国に1日半しか滞在しないという、それはひどい旅でした。

しかも、現地についたと思ったら、そこでもバスで観光地を連れ回され、移動につぐ移動でもうゲンナリ。ゆっくり見て回る時間もないのに、土産物屋(ショップと契約しているんでしょう、きっと)にだけは必ず立ち寄り、必要以上に時間をかける。あげくのはてに、「ハイ、写真とってください。ここでは降りませんから」ときて、わたしゃキレました。もう二度とパックツアーなんか参加するか!

そんな状態ですから、自由時間などあるわけもなく、夕食までのわずかな間隙をぬって閉館間際のパリのルーヴル美術館をダッシュで駆け巡ってきたのは、私たち家族一行です。アホか、まったく。



Charles Mingus "The Great Concert Of Charles Mingus"
(Universal Music S.A.S. France 980 691-3)

Eric Dolphy (alto sax, flute, bass clarinet)
Clifford Jordan (tenor sax)
Jaki Byard (piano)
Charles Mingus (bass)
Dannie Richmond (drums)

Recorded live at the Theatre des Champs-Elysees, Paris; April 19, 1964

[Tracks: Disc 1]
01. A.T.F.W. (Art Tatum Fats Waller) (music: Jaki Byard)
02. Presentation of Musicians and Johnny Coles' Trumpet
03. So Long Eric (Don't Stay Over There Too Long) (music: Charles Mingus)
04. Orange Was The Color Of Her Dress Then Blue Silk (music: Charles Mingus)
05. Fables Of Faubus (music: Charles Mingus)

[Tracks: Disc 2]
01. Sophisticated Lady (music: Duke Ellington)
02. Parkeriana (Dedicated To A Genius) (music: Charles Mingus)
03. Meditations On Integration (Or For A Pair Of Wire Cutters) (music: Charles Mingus)

[Links: Charles Mingus]
The Official Mingus Web
Charles Mingus Home Page (by Esa Onttonen)
Charles Mingus Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Eric Dolphy]
Making Eric Dolphy's Complete Discography
Eric Dolphy Discography (by Alan Saul)
Eric Dolphy Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Jaki Byard]
JakiByard.org

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2005年08月14日

チャールズ・ミンガス『タウン・ホール・コンサート』

townhallconcert.jpg

ラサーン、ドルフィーと続いたら、次はミンガスしかないでしょう。ジャズ界広しといえども、この2人をリーダーとして統率できるのは、チャールス・ミンガスをおいてほかにはいません。1922年4月22日、アリゾナ州ノガルス生まれ。1979年1月5日、メキシコで死去。

ミンガスとドルフィーのつきあいは少年時代までさかのぼります。当時、LA に住んでいたミンガスとドルフィーは、ロイド・リースの音楽塾で知り合いました。といっても、6歳違いの2人(ミンガス17歳、ドルフィー11歳)のこと、すぐさま友情関係が芽生えたわけではなさそうです。それからかなり時代が下って、ドルフィーが本格的デビューを果たしたのが、チコ・ハミルトンのグループに参加した1958年の春のこと。ドルフィー30歳。遅咲きの新人です。

ミンガスとの初共演は、長らく60年録音の『プリ・バード(バード以前)』だといわれていました。ところが、2001年にミンガスの西海岸時代の SP 音源をまとめた『チャールス・バロン・ミンガス ウェストコースト:1945-1949』という CD が出て、そのなかにドルフィーが参加した2曲(49年春の録音!)がおさめられていたから、さあタイヘン! 世界中のドルフィーフリークたちは、思わぬ授かり物に狂喜乱舞したのでした(ミンガスは当時、敬愛するデューク(公爵)・エリントンを真似て、バロン(男爵)・ミンガスと名乗っていたそうです。爵位が下なのが奥ゆかしくてかわいいですね)。

それはさておき、ドルフィーはその短いアーティスト人生のなかで、何度かミンガスのジャズ・ワークショップに参加しています。この『タウン・ホール・コンサート』(64年録音)は、ドルフィーの母国アメリカでの最後の録音にあたります(実はミンガスは62年にも同じ『タウン・ホール・コンサート』という作品を残していますが、ドルフィーは参加していません。ドルフィー・フリークは要注意)。

どちらの曲もドルフィーの名前が冠せられていますが、このわずか2か月半後に起きたドルフィーの急死を受けてのことでしょう。〈あばよ、エリック(ソー・ロング・エリック)〉という曲を、エリックその人が演奏するはずはないのですから。それじゃあ、あまりに悲しすぎます。

この録音を置き土産に、ドルフィーは新天地ヨーロッパへと旅立ちます。ミンガスのヨーロッパ周遊弾丸ツアーに同行して、各地を転戦したあと(連日、広いヨーロッパのどこかで演奏しているという強行軍でした。その模様は、多くの CD に残されています)、ドルフィーは当初の予定どおり、独りで同地に残ります。

「しばらくヨーロッパに住もうと思っている。ヨーロッパなら、私がやりたいと思う音楽ができると思うから」

ドルフィーは旅立つ直前のインタビューでそう答えています。



Charles Mingus "Town Hall Concert"
(Jazz Workshop JWS-005-S)

Johnny Coles (trumpet)
Eric Dolphy (alto sax, flute, bass clarinet)
Clifford Jordan (tenor sax)
Jaki Byard (piano)
Charles Mingus (bass)
Dannie Richmond (drums)

Recorded live at Town Hall, NYC; April 4, 1964

[Tracks]
01. So Long Eric (music: Charles Mingus)
02. Praying With Eric (music: Charles Mingus)

[Links: Charles Mingus]
The Official Mingus Web
Charles Mingus Home Page (by Esa Onttonen)
Charles Mingus Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Eric Dolphy]
Making Eric Dolphy's Complete Discography
Eric Dolphy Discography (by Alan Saul)
Eric Dolphy Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Jaki Byard]
JakiByard.org

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2005年08月13日

エリック・ドルフィー『アイアン・マン』

ironman.jpg Eric Dolphy - Iron Man

昨日アップした『カンヴァーセイションズ』と同じ1963年7月のセッションから、『アイアン・マン』(鉄人)の登場です。こちらもさまざまな再発盤 CD が出回っているようなので、ご注意あれ。

表題曲〈鉄人〉を聞くと、私はいつも鉄人にはなりきれなかった人間ドルフィーの悲哀を想います。彼はけっして鉄人ではありませんでした。もっと弱い、孤独な人間でした。

病気になっても満足に病院にいけず、食べるものにも事欠いたという極貧生活がドルフィーの命を縮めたことはよく知られていますが、そうした逆境を乗り越えていくだけのパワーが彼には欠けていました。ラサーンがあらゆる逆境に立ち向かい、怒りをエネルギーに変えていったのと比べると、ドルフィーの生き方はあまりに心許ない。生きてこそナンボというたくましさがほんのちょっとでもドルフィーにもあれば、と思うと残念でなりません。

演奏を通じてしか自己表現できなかったドルフィーだからこそ、その真摯な態度が私たちの心を打つ。それはきっと本当です。一点の曇りもない、まじめで誠実な自己表現。破天荒といわれようが、常識はずれといわれようが、ドルフィーにとってはそれが真実だった。でもね、私はもっとあなたの音楽が聞きたかったんだ。だから、もっと生きてほしかった。生きて、あなたの「その先」の音楽を聞かせてほしかった。心底、そう思います。

2曲目〈マンドレイク〉は、翌64年に欧州で客死する直前に残された『ラスト・デイト』でも演奏されていました。そのときの曲名は〈ザ・マドリグ・スピークス、ザ・パンサー・ウォークス〉。マンドレイクは「曼陀羅華(まんだらげ)」。朝鮮朝顔とも呼ばれる猛毒のナス科の多年草で、かの華岡青州が外科手術の麻酔薬として使ったことはつとに有名。欧米では、媚薬(恋の薬ですな)や黒魔術の材料となるという言い伝えもあるそうな。

5曲目〈オード・トゥ・C.P.〉は、いわずと知れたアルトサックスの巨星チャーリー・パーカーに捧げられた曲です。初出は盟友ブッカー・リトルとの共演盤『ファー・クライ』。こちらにはピアノのジャッキー・バイアード作とクレジットされていますが、真相やいかに。

 

Eric Dolphy "Iron Man"
(Douglas International SD-785)

Eric Dolphy (alto sax) #1, 2 (bass clarinet) #3, 4 (flute) #5
Woody Shaw (trumpet) #1, 2
Prince Lasha (flute) #4
Clifford Jordan (soprano sax) #4
Huey Simmons (alto sax) #4
Garvin Bushell (bassoon) #4
Bobby Hutcherson (vibraphone) #1, 2, 4
Eddie Kahn (bass) #1, 4
Richard Davis (bass) #2, 3, 4, 5
J.C. Moses (drums #1, 2, 4

Produced by Alan Douglas
Recorded in NYC; July 1 (#3, 5), 3 (#1, 2, 4), 1963

[Tracks] Eric Dolphy - Iron Man
01. Iron Man (music: Eric Dolphy)
02. Mandrake (aka. The Madrig Speaks The Panther Walks) (music: Eric Dolphy)
03. Come Sunday (music: Duke Ellington)
04. Burning Spear (music: Eric Dolphy)
05. Ode To C.P. (music: Eric Dolphy)

[Links: Eric Dolphy]
Making Eric Dolphy's Complete Discography
Site Dolphy
Eric Dolphy Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年08月12日

エリック・ドルフィー『カンヴァーセイションズ』

conversations.jpg 

ファッツ・ウォーラーの〈ジターバグ・ワルツ〉。摩訶不思議な魅力にあふれた名曲(迷曲?)ですが、ラサーンが『ブライト・モーメンツ』でとりあげたこの古い曲を、ラサーンからさかのぼること10年前に蘇らせた人がいます。同じマルチ・リード奏者の代表格、エリック・ドルフィーです(といってもラサーンのように同時に吹くわけではありませんが)。

この『カンヴァーセイションズ』は、次回紹介予定の『アイアン・マン』とともに、ユナイテッド・アーティスツの A&R マン(アーティスト&レコーディング・ディレクター)だったアラン・ダグラスのプロデュースで行われた一連のセッションからつくられています。

ソロで吹かせても、スモール・コンボでも、ラージ・コンボでも、それぞれ際立った個性を示したドルフィー。そんな彼のマルチタレントぶりにスポットを当てたこのセッションは、まさに企画の勝利です。1960年12月の『ファー・クライ』以来というスタジオ録音で、ドルフィーは進化した姿を私たちに見せてくれます。

このアルバムでは、やはり冒頭の2曲に耳を奪われます。〈ジターバグ・ワルツ〉と〈ミュージック・マタドール〉。どちらも一度聞いたら忘れられない印象的なメロディーです。「楽しい?」と訊かれれば、たしかに楽しい。「ウキウキする?」と言われれば、そんな気もする。でも、「やっぱり悲しい?」とつっこまれると、理由はわからないけれど、たまらなく悲しくなる。そんなアンバランスな感じがします。ひと筋縄ではいかないドルフィーの複雑さがにじみ出ています。

ややこしいのは、ドルフィーの音楽だけではありません。上記の2枚のアルバムは邦盤、輸入盤含め、いろいろなレーベルから、いろいろなタイトルで、いろいろなジャケットで再発されています(タイトルに、『ジターバグ・ワルツ』『ミュージック・マタドール』『アイアン・マン』とあったら疑ってかかりましょう)。ドルフィーと名のつくものはすべて集めたいというコレクターの方は別として、同じ内容の CD を買わないよう、気をつけてくださいな。

 

Eric Dolphy "Conversations"
(Fred Miles FM-308)
aka. "The Eric Dolphy Memorial Album"
(Vee Jay LPS-2503)

Produced by Alan Douglas
Recorded in NYC; Jul 1 (#3), 3 (#1, 2, 4), 1963

Eric Dolphy (flute) #1 (bass clarinet) #2, 3 (alto sax) #4
Woody Shaw (trumpet) #1
Prince Lasha (flute) #2
Clifford Jordan (soprano sax) #2
Huey Simmons (alto sax) #2
Bobby Hutcherson (vibraphone) #1
Eddie Kahn (bass) #1
Richard Davis (bass) #2, 3
J.C. Moses (drums) #1, 2

[Tracks]
01. Jitterbug Waltz (music: Thomas Fats Waller / words: Manners, Green)
02. Music Matador (music : Prince Lasha, Huey Simmons)
03. Alone Together (music : Arthur Schwartz / words: Howard Dietz)
04. Love Me (music : Victor Young / words: Ned Washington)

[Links: Eric Dolphy]
Making Eric Dolphy's Complete Discography
Site Dolphy
Eric Dolphy Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年07月12日

ズート・シムズ『ズート・アット・イーズ』

zootatease.jpg 

ズート・シムズのテナーはどこまでもスウィングする。ということはつまり、オールド・スタイルでもあるわけです。今でこそわかったようなことを書いていますが、私は最初、ズートのよさがわからなかった。マイルスやコルトレーンばかり聞いていた耳に、ズートはいかにも古臭かったわけです。

それはスウィング期の大物、たとえばレスター・ヤングの『プレス&ティディ』をはじめて聞いたときの感覚と似ています。「驚くほどモダンなフレーズが云々」というのは、レスターを紹介するときによく見かける言葉ですが、これなんかも強調すべきは「驚くほど」の部分で、基本はやっぱりスウィング・テナーなんです(その中に時折「驚くような」フレーズが飛び出すのが楽しいといえば楽しいのですが)。

ジャズの聴きはじめはたいてい、そのカッコよさに耳が奪われます。コルトレーン、ドルフィー、オーネットとフリー路線を突っ走る人もいれば、マイルス、ハンコック、ショーターとファンク&フュージョン路線に行き着く人もいます。そんな時期に、ズートを聞いてもわからない(笑)。でも、それが一段落したら、ぜひこの『ズート・アット・イーズ』に耳を傾けてください。今まで聞いてきた「ええかっこしいのジャズ」とは180度違った、豊潤なジャズの世界が広がっています。

なぜ『ズート・アット・イーズ』なのか。それはズートのソプラノ・サックスが聞けるからです。ズートのソプラノは、モダンな響きがします。彼のテナーがノスタルジックな味わいを感じさせるとすると、ソプラノは今の耳で聞いてもじゅうぶん新しい。コルトレーン以降、テナー奏者のソプラノ持ち替えが流行りましたが、この新しいオモチャを完全に自分のものにしたのはズートだけといったら、いいすぎでしょうか。そういいたくなるほど、彼のソプラノは完成されています。地に足が着いているというか、しっくりくるんです、ホントに。

ソプラノの軽い音色は、どちらかというとスピード感あふれる演奏向きで(トレーンとか)、また独特の浮遊感を出すのに適しています(ショーターとか)。ところが、ズートのソプラノは違います。きわめてオーソドックスなスタイルながら、出てくる響きはどこかモダンという、このさじ加減が絶妙なんです。ソプラノといえばコルトレーンの『マイ・フェヴォリット・シングス』しか知らない人は、ぜひズートのソプラノを聞いてください。私のいわんとしていることがわかるはずです。

私自身、このアルバムの1曲目〈朝日のようにさわやかに〉を聞いて、はじめてズートが好きになりました。そして、いったん好きになると、古臭く感じられた彼のテナーが急に愛おしくなるから不思議です。前半はソプラノとテナーが交互に演奏されます。これがまたいいんです。ソリッドな今のサウンドと温かみのある人間的な音が入れ替わり立ち現れて、あきません。

もう1つ、聞きどころは〈ローズマリーの赤ちゃん〉。1968年の同名映画からの選曲と思われます。この迫りくる緊迫感が見事としかいいようのない曲を作曲したのはポーランドのピアニスト、クシシュトフ・コメダです(英語では Christopher Komeda)。ただし、私がもっているプログレッシヴ盤のCD(PCD-7110)では、この曲のクレジットが別人になっています。ひょっとしたら別の曲なのでしょうか? ちなみに、映画のサントラ(残念ながら未聴です)では、「Rosemary's Baby」そのものがタイトルになった曲はありませんでした。情報求む。



Zoot Sims "Zoot At Ease"
(Famous Door HL-2000)

Zoot Sims (soprano sax) #1, 3, 5 (tenor sax) #2, 4, 6-8
Hank Jones (piano)
Milt Hinton (bass)
Louie Bellson (drums) #1, 4-7
Grady Tate (drums) #2, 3, 8)

Produced by Harry Lim
Recorded by Richard Blakin
Recorded at A&R Recording Studios, NYC; May 30 (#1, 4-7), August 9 (#2, 3, 8), 1973

[Tracks] 
01. Softly, As In A Morning Sunrise (music: Sigmund Romberg / words: Oscar Hammerstein II)
02. In The Middle Of A Kiss (music: Sam Coslow)
03. Alabamy Home (music: Duke Ellington / words: Dave Ringle)
04. Do Nothin' Till You Hear From Me (music: Duke Ellington / words: Bob Russell)
05. Rosemary's Baby (music: Krzysztof Komeda)
06. Cocktails For Two (music: Arthur Johnston / words: Sam Coslow)
07. My Funny Valentine (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
08. Beach In The A.M. (aka. Minority) (music: Hank Jones)

[Links: Zoot Sims]
ZootSims.net (by くおーく)
Zoot Sims Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Milt Hinton]
MiltHinton.com
[Links: Louie Bellson]
Louie Bellson

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2005年05月27日

デクスター・ゴードン『モンマルトル・コレクション』

themontmartrecollection

この時代のおおかたのジャズメンがそうだったように、デクスター・ゴードンもドラッグと酒に溺れたクチでした。40年代のビバップ・ムーヴメントの担い手の1人でありながら、50年代の大半をドラッグで棒に振ります。

この時期に残されたリーダー作はわずか2枚。55年の仮釈放時に録音されたドゥートーン盤『デクスター・ブロウズ・ホット・アンド・クール』とベツレヘム盤『ダディ・プレイズ・ザ・ホーン』はどちらも必聴です!

すっかり「過去の人」となってしまったデックスでしたが、60年代の幕開けとともに不死鳥のように甦ります。復活後のデックスの活躍ぶりは一連のブルーノート録音(全部で7作品)で確認できますが、ヨーロッパに居を構えるという人生の転機が訪れたのも、このブルーノート時代でした(62年に渡欧。途中何度かアメリカに一時帰国しますが、最終的にヨーロッパを離れたのは76年の後半でした)。

デックスのバイオグラフィーについては、Big-M さんの「Long Tall Dexter: デクスター・ゴードン特集」に愛情あふれる文章が載っていますので、そちらもご覧くださいな。

ヨーロッパに渡ったデックスは、デンマークの首都コペンハーゲンを中心に演奏活動を続けます。そして、彼のホームグラウンドともいえるのが、コペンハーゲンにある「ジャズハウス・モンマルトル」です。セイル・テイラーの怪演で知られる「カフェ・モンマルトル」と同じクラブですね(「カフェ」から「ジャズハウス」に改称したようです)。

「モンマルトル」におけるデックスのライヴ音源は、デンマークの新興レーベル(当時)スティープルチェイスから大量に出ていますが、この『モンマルトル・コレクション』はかつてブラック・ライオン・レーベルから3枚の LP で出ていたものを、2枚組の CD としてまとめたものです。

以下のCDはこのアルバムと同じ内容ですから、買うときは気をつけて。
Both Sides of Midnight (Black Lion BLCD-760103)
Body and Soul (Black Lion BLCD-760118)
Take the "A" Train (Black Lion BLCD-760133)
これらを3枚組の BOX セットにしたのが下記。
Live at the Montmartre Jazzhus (Black Lion BLCD-7606?)

さて、このライヴは「ノリよし」「メンバーよし」「選曲よし」の三拍子そろったワン・ホーン・カルテットの傑作です。デックスの朗々としたテナーを楽しむのにはもってこいの作品なのですが、このアルバムの雰囲気を知りたかったら、当時コペンハーゲン在住で、たまたま録音現場に居合わせたというマシュマロ・レコードの上不三雄さんがすてきなコラムを書いているので、そちらをご覧ください(雑文集「ジャズつれづれ草」の中の
思い出のコンサート4 デクスター・ゴードン・アット・モンマルトル」です)。



Dexter Gordon "The Montmartre Collection"
(Black Lion → Tokuma Japan TKCB-71285)

Dexter Gordon (tenor sax)
Kenny Drew (piano)
Niels-Henning Orsted Pedersen (bass)
Albert "Tootie" Heath (drums)

Produced by Alan Bates
Recorded by Birger Svan
Recorded live at Jazzhus Montmartre, Copenhagen; July 20-21, 1967

[Tracks: Disc 1]
01. Sonnymoon For Two (music: Sonny Rollins)
02. For All We Know (music: J. Fred Coots / words: Sam M. Lewis)
03. Devilette (music: Ben Tucker)
04. Doxy (music: Sonny Rollins)
05. Like Someone In Love (music: Jimmy Van Heusen / words: Johnny Burke)
06. Body And Soul (music: Johnny Green / words: Edward Heyman, Robert Sauer, Frank Eyton)

[Tracks: Disc 2]
01. There'll Never Be Another You (music: Harry Warren / words: Mack Gordon)
02. The Blues Walk (aka. Loose Walk) (music: Sonny Stitt)
03. Come Rain Or Come Shine (music: Harold Arlen / words: Johnny Mercer)
04. Misty (music: Erroll Garner / words: Johnny Burke)
05. But Not For Me (music: George Gershwin / words: Ira Gershwin)
06. Take The "A" Train (music+words: Billy Strayhorn)

[Links: Dexter Gordon]
Long Tall Dexter: デクスター・ゴードン特集 (@ Big-M's Jazz Page)
Dexter Gordon Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Kenny Drew]
Kenny Drew Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年04月30日

エディ・コスタ『ハウス・オブ・ブルー・ライツ』

thehouseofbluelights.jpg

可能性を秘めた若者の死はつねに痛ましいものですが、31歳で亡くなったエディ・コスタの場合、それなりの数が残されている録音のほとんどは意に添わないスタジオ・ワークで、実力を遺憾なく発揮できたのはたった1枚のリーダー作と、わずか数枚のギター・アルバムだけだったというから悲惨です。執拗なまでに低音にこだわるピアニスト、エディ・コスタ。1930年8月14日、ペンシルヴァニア州アトラス生まれ。1962年7月28日、ニューヨークで自動車事故死。

コスタ名義のアルバムはたしかに何枚か残されています。たとえば、VSOP盤『エディ・コスタ・クインテット』やエヴァンスと共演したコーラル盤『ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス』なんてアルバムもあるにはあるのですが、どちらもコスタのヴァイブに焦点を当てた作品で、稀代の低音弾きとしてのコスタを満喫できる作品にはなっていません

ただ、ジュビリー盤『エディ・コスタ=ヴィニー・ヴァーク・トリオ』はピアノがメインの作品らしいのですが、残念ながら未聴です。かなり前に、東芝EMIからCD化されているのですが、いまだ入手することができずにいます。どなたかお持ちじゃありませんか?

そう、エディ・コスタはピアノとヴァイブの両刀使いなんです。そのうえ、彼には初見のスコアをその場で弾きこなす読譜力がありました。音大出のミュージシャンが大半を占める今でこそ、譜面を読めるなんて当たり前かもしれませんが、当時はまともな音楽教育を受けたことのない海千山千の強者たちが跋扈していた時代ですから、譜面に強くない人も多かった。だから、彼は重宝されてしまったわけです、ヴァイブもできるスタジオ・ミュージシャンとして。

スタジオの仕事は定期収入につながるために、一度ハマると抜け出しにくいんです。とくにコスタは4人の子持ちでした。日々の生活の糧を稼がなくちゃいけない。だから、創造性を発揮する余地などまったくない仕事でも、彼はこなさなければならなかった。ここらへんの気持ちは、同じくフリーで仕事する子持ちとして、よくわかります。定期収入はほしい。でも、自分をすり減らすだけの仕事はしたくない。私も日々そのバランスをとるのに苦労しているんです。

そんなコスタが、はじめてピアノ1本で自分の思いのたけをぶちまけたのが、この『ハウス・オブ・ブルー・ライツ』です(ドット・レーベルより。アルバム・リストはこちら)。低音に対する異常なまでの執着。重低音でグイグイと引っ張るドライヴ感。一聴すれば病みつきになる悪魔的な作品です。大好きです!

 

Eddie Costa "The House Of Blue Lights"
(Dot DLP-3206)

Eddie Costa (piano)
Wendell Marshall (bass)
Paul Motian (drums)

Recorded in NY; January 29, February 2, 1959

[Tracks]
01. The House Of Blue Lights (music: Gigi Gryce)
02. My Funny Valentine (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
03. Diane (music: Erno Rapee, Lew Pollack)
04. Annabelle (music: Eddie Costa)
05. When I Fall In Love (music: Victor Young / words: Edward Heyman)
06. What's To Ya (music: Eddie Costa)

[Links: Eddie Costa]
The Official Site of Eddie Costa
Eddie Costa Discography (@ Tony King's Jazz Homepage)

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2005年04月13日

ミシェル・ペトルチアーニ『ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』

liveatvvmichelpet.jpg The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard

エヴァンス亡き後の空白を埋めるように、1980年代初頭に颯爽とシーンに登場したミッシェル・ペトルチアーニ。彼もまた、デビュー間もないころは、エヴァンスの影響をモロに感じさせる演奏をしていました。
ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』はその時代の作品で、エヴァンスゆかりのヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ録音です(1984年録音)。

たとえば、冒頭の〈ナルディス〉。エヴァンスの最高傑作(ですよね?)『エクスプロレーションズ』に収められていたこの美曲を、ペトちゃんはいったん破壊してから、もう一度構築し直します。
ピアノの独奏から徐々にテーマの片鱗が提示され、「あれ? もしかして?」が「やっぱり、そうだ!」となった瞬間、ベースがからんで慣れ親しんだ〈ナルディス〉が出現するくだりは、何度聞いても興奮します。

この時代のペトちゃんには、ピアノのタッチの美しさもさることながら、音の選び方にエヴァンス的なセンスを感じます。ど真ん中のストレート勝負ではなく、打者(=聞き手)の打ち気を微妙に外す感覚。
後年のペトちゃんが一ピアニストに回帰して、つねに直球勝負の素直な楽しさを感じさせるのと比べると、ちょっと背伸びをした感じがするのです(どちらも好きですけどね)。

ベースのパレ・ダニエルソンは昨日紹介したキースのヨーロピアン・カルテットにも参加していたスウェーデンの重鎮。ドラムのエリオット・ジグムンドはエヴァンス・トリオでの活躍で知られています(最後のドラマーがジョー・ラバーベラ。その前がエリオット・ジグムンドです)。エヴァンス・ライクな雰囲気を出すには、もってこいのメンバーだったのかもしれません。

今回はじめて知ったのですが、オリジナル LP は、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルなどの興行で知られるジョージ・ウィーンがらみの作品だったんですね。私がもっているのはブルーノート盤の CD(Blue Note 40382)ですが、かつてコンコードから出ていたこともあるようです。



Michel Petrucciani "Live At The Village Vanguard"
(The George Wein Collection GW 3006 [2 LPs])

Michel Petrucciani (piano)
Palle Danielsson (bass)
Elliot Zigmund (drums)

Produced by Gabreal Franklin
Recorded by Tom Arrison, Gabreal Franklin
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, March 16, 1984

[Tracks] The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard
01. Nardis Miles Davis (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Nardis
02. Oleo Sonny Rollins (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Oleo
03. Le Bricoleur De Big Sur Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Le Bricoleur de Big Sur
04. To Erlinda Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - To Erlinda
05. Say It Again And Again Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Say It Again and Again
06. Trouble O. Dalffon (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Trouble
07. Three Forgotten Magic Words Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Three Forgotten Magic Words
08. 'Round Midnight Thelonious Monk, Cootie William (music) / Bernie Hanighen (lyrics) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - 'Round Midnight

[Links: Michel Petrucciani]
Michel Petrucciani (by Rainer Wolffram)
J'adore Michel Petrucciani (by poisson)
Discography of Michel Petrucciani (@ Corner Pocket by thedia)
Michel Petrucciani (@ Nelson's Navigator for Modern Jazz)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Palle Danielsson]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Elliot Zigmund]
Elliot Zigmund (Official Webite)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2005年02月28日

アート・ペッパー『再会』

amongfriends.jpg 

オーネット、フィル・ウッズ、ソニー・クリスとアルト奏者が続いたので、このまま「アルト・サックス列伝」といきましょうか。

アート・ペッパーのファンは50年代派と70年代派に分かれると以前書きましたが、例外的にどちらのファンからも受け入れられているのが、この『再会』です(再発盤は、PJL より。Discography → PJL Jazz Series と進むと、プロデューサー妙中俊哉さんが手がけたトリオ、インタープレイなどのカタログが見られます)

ペッパーとウェストコースト時代の仲間たちが久しぶりに「再会」して行ったリラックス・セッション。復活後のペッパーは、コルトレーン・ライクな激しいソロを吹くようになりましたが(ついでに、小鳥のさえずりのように軽やかだった音色も悲しいことにかすれてしまいました)、旧友たちとのなごやかな雰囲気がそうさせたのか、ハードなペッパーは封印して、ひたすらやさしいペッパーを堪能することができます。ペッパーの十八番〈ベサメ・ムーチョ〉も飛び出し、「いよっ、待ってました」と声をかけたくなる、そんな親しみのわく好盤です。

妙中さんのライナーによると、ピアノのラス・フリーマンは当時、スタジオ・ミュージシャンのような仕事をしていて(多くのジャズメンにとって、70年代は「食えない」時代だったのです)、ジャズを演奏するのは12年ぶりだったそうです。それでも、この切れ味。さすがですね。

 

Art Pepper "Among Friends"
(Interplay IP-7718)

Art Pepper (alto sax)
Russ Freeman (piano)
Bob Magnussen (bass)
Frank Butler (drums)

Produced by Toshiya Taenaka
Recorded at United/Western Studios, Hollywood, CA; September 2, 1978

[Tracks] 
01. Among Friends (music: Art Pepper)
02. 'Round Midnight (music: Thelonious Monk, Cootie Williams / words: Bernie Hanighen)
03. I'm Getting Sentimental Over You (music: George Bassman / words: Ned Washington)
04. Blue Bossa (music: Kenny Dorham)
05. What Is This Thing Called Love (music+words: Cole Porter)
06. What's New (music: Bob Haggart / words: Johnny Burke)
07. Besame Mucho (music+words: Conseulo Velasquez)
08. I'll Remember April (music: Gene DePaul, Pat Johnston / words: Don Raye)

[Links: Art Pepper]
Art Pepper Discography Project (@ Jazz Discography Project)The Art Of Pepper

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2004年12月03日

アストル・ピアソラ『AA印の悲しみ』

tristezasdeundoblea.jpg 

邦題『AA印の悲しみ』で知られるピアソラ五重奏団のウィーン・コンツェルトハウスにおける傑作ライヴ(1986年録音)。途中、激しい即興をまじえながら20分以上にもわたってハイテンションな演奏をくり広げるタイトル曲が圧巻です。最後を飾る〈タンガータ〉の異様な盛り上がりも聞き逃せません。

ちなみに「Double A=AA」は、ピアソラ愛用のバンドネオンの製造元、ドイツの「Alfred Arnold」社の略だそうです。



Astor Piazzolla "Tristezas de un Doble A"
(Messidor 15970-2)

Astor Piazzolla (bandoneon)
Pablo Ziegler (piano)
Fernando Suarez Paz (violin)
Horacio Malviccino (guitar)
Hector Console (bass)

Recorded live in Wien Konzerthaus; November 1986

[Tracks] 
01. Tristezas de un Doble A (music: Astor Piazzolla)
02. Tanguedia (music: Astor Piazzolla)
03. Biyuya (music: Astor Piazzolla)
04. Lunfardo (music: Astor Piazzolla)
05. Tangata (music: Astor Piazzolla)

[Links: Astor Piazzolla]
Astor Piazzolla (Official Website)
さるでもわかるアストル・ピアソラ
ピアソラ資料室
Astor Piazzolla (@ 工藤庸介のPrivate Page)

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