2005年02月24日

ソニー・クリス『アウト・オブ・ノーホエア』

outofnowhere.jpg

アルト吹きとしてはけっして大物とはいえないソニー・クリスですが、日本で人気があるのは、1975年吹き込みの3枚の名盤の存在だけではなく(『クリスクラフト』に『サタディ・モーニング』、そして空色のジャケットが印象的な『アウト・オブ・ノーホエア』の3枚)、彼の死にまつわる伝説が一役買っているのは間違いないようです。

ソニー・クリスは初来日直前の1977年11月19日、LA の自宅でピストル自殺をはかったといわれています。その原因は不明。他殺という説もあるようです。寺島靖国さんの『辛口 JAZZ ノート』(講談社+α文庫)には、死の数時間前にソニー・クリスと話した日本人の話が載っています。それによると、彼は日本での公演を何よりも楽しみにしていたそうです。生涯パーカーのように吹くことを貫いた彼に、時代はけっしてやさしくはなかった。LA の片隅で古くさいジャズを演奏していたソニー・クリスに突如舞い込んだ日本公演の話。うれしくないはずはありません。

その彼がなぜ数時間後に自殺しなければならなかったのか。彼は腹部を撃って(撃たれて?)死んでいたそうですが、お腹を撃っても即死はできず、出血多量で死ぬまでかなり苦しい時間をすごさなければならないといいます。自殺なら、やっぱり腹部ではなく頭を撃つはずじゃないか。本にはそう記されています。

今となっては真相は永遠に闇の中ですが、この胸を締めつけるようなエピソードによって、ソニー・クリスは私たちの記憶の中に生き続けています。

 

Sonny Criss "Out Of Nowhere"
(Muse MR 5089)

Sonny Criss (alto sax)
Dolo Coker (piano)
Larry Gales (bass)
Jimmie Smith (drums)

Produced by Bob Porter
Recorded by Peter Granet
Recorded at Wally Heider Studio, LA; October 20, 1975

[Tracks] 
01. All The Things You Are (music: Jerome Kern / words: Oscar Hammerstein II)
02. The Dreamer (music: Sonny Criss)
03. El Tiante (music: Dolo Coker)
04. My Ideal (music: Richard A. Whiting, Newell Chase / words: Leo Robin)
05. Out Of Nowhere (music: Johnny Green / words: Edward Heyman)
06. Brother Can You Spare A Dime? (music: J. Gorney / words: Edgar Y. Harburg)
07. The First One (music: Sonny Criss)

[Links: Sonny Criss]
Sonny Criss: a discography with cover photos (by Atsushi acchan Ueda)
Sonny Criss Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年02月22日

ソニー・クリス『クリスクラフト』

crisscraft.jpg Sonny Criss - Criss Craft - EP

ミューズ・レーベルつながりで、同じパーカー派のアルト・サックス奏者、ソニー・クリスにいきましょう。1927年10月23日、テネシー州メンフィス生まれ。1977年11月19日、カリフォルニア州ロサンジェルスで謎の死を遂げました。ミューズ盤『クリスクラフト』は、ソニー・クリスの1975年録音3部作の1つです。

彼のアルトはよく鳴るどころか鳴りすぎで、耳にキンキン響くような高音がトレードマークですが、晩年(といっても40代ですが)になると、耳障りなキンキン度合いがうまく抑制されて、とても聞きやすいアルトになりました。

もともと重苦しさとは無縁の軽い音色が特徴なので、アップテンポの明るい曲をやらせると、右に出るものはいません。晩年はそれに加えて、少し渋みのようなものも出てきたので、哀愁漂う演歌のような曲にも見事な手腕を発揮してくれます。暗いだけの演歌は気が滅入りますが、声質が明るく軽いので、暗くなりすぎない。そんな感じです。

たとえば、ピアニストのホレス・タプスコット作の〈ディス・イズ・フォー・ベニー〉。かなりクサい曲ですが、ソニー・クリスの軽いアルトとこれまた軽いギターで演奏されると、そのクサさが嫌みにならず、かえって心地よく感じられるから不思議です。

同じタプスコット作の〈セリア島〉も、クサいねえ〜。ムード歌謡の匂いがプンプンします。でも、こういう曲を朗々と歌い上げるクリスに、たまらなく魅力を感じる人も多いはず。かくいう私もその1人です(笑)。

それにしても、センスのかけらも感じられない醜悪なジャケット。これ、何とかならんかねと思っていたら、きっと同じことを思った人がいたのでしょう、別ジャケットでもCD化されているようです(まあ、あっちの出来もどうかと思うけれど)。

 

Sonny Criss "Crisscraft"
(Muse MR 5068)

Sonny Criss (alto sax)
Dolo Coker (piano)
Ray Crawford (guitar)
Larry Gales (bass)
Jimmie Smith (drums)

Produced by Bob Porter
Recorded by Peter Granet
Recorded at Wally Heider Studio, LA; February 24, 1975

[Tracks] Sonny Criss - Criss Craft - EP
01. The Isle Of Celia (music: Horace Tapscott)
02. Blues In My Heart (music: Benny Carter / Irving Mills)
03. This Is For Benny (music: Horace Tapscott)
04. All Night Long (music: Curtis Lewis)
05. Crisscraft (music: Sonny Criss)

[Links: Sonny Criss]
Sonny Criss: a discography with cover photos (by Atsushi acchan Ueda)
Sonny Criss Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年02月21日

フィル・ウッズ『ミュジック・デュ・ボア』

musiquedubois.jpg 

1973年、フィル・ウッズは5年間におよんだヨーロピアン・リズム・マシーンでの活動を切り上げ、アメリカ西海岸に生活の拠点を移します。この『ミュジック・デュ・ボア』(森の音楽)は、帰国後1年を経てニューヨークで録音されたアルバムです(ミューズ・レーベルのアルバムリストはこちら)。

それにしても、フィル・ウッズのアルトはよく鳴ります。艶やかで伸びのあるアルトで聞くロリンズ作〈エアジン〉のカッコよさといったら(初出はロリンズの名曲を3曲も収録したマイルス・デイヴィスの『バグス・グルーヴ』です)。1曲目の〈サンバ・デュ・ボア〉(森のサンバ)もサイコーです。ノリノリの演奏に、思わず腰も動きます。イエ〜イ。

それともう1つ、ウェイン・ショーターの〈ネフェルティティ〉なんて曲も演ってます(初出は同じくマイルスの『ネフェルティティ』です)。こちらは、相手があまりにも悪いというか、あの時期のマイルス・クインテットと肩を並べるなんて誰にもできないわけで、軍配はオリジナルにあがります。これはしょうがない(笑)

 

Phil Woods "Musique du Bois"
(Muse MR 5037)

Phil Woods (alto sax)
Jaki Byard (piano)
Richard Davis (bass)
Alan Dawson (drums)

Produced by Don Schlitten
Recorded in NY; January 14, 1974

[Tunes] 
01. Samba Du Bois (music: Phil Woods)
02. Willow Weep For Me (music+words: Ann Ronell)
03. Nefertiti (music: Wayne Shorter)
04. The Last Page (music: Phil Woods)
05. The Summer Knows (music: Michel Legrand / words: Marilyn Bergman, Alan Bergman)
06. Airgin (music: Sonny Rollins)

[Links: Phil Woods]
Phil Woods (Official Website)
[Links: Jaki Byard]
Jaki Byard (Official Website)
Richard Davis (Official Website)

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posted by ユキヒロ at 09:09| Comment(1) | TrackBack(0) | Muse | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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