2006年10月17日

マーク・コープランド&ビル・キャロザーズ『ノー・チョイス』

marccopland_nochoice.jpg

マーク・コープランドとビル・キャロザーズ。スケッチレーベル(扱いは澤野工房)の作品で名をあげた二人ですが、芸歴は意外と古いようです。

マーク・コープランド。1948年5月27日、ペンシルヴァニア州フィラデルフィア生まれというから、実はかなりのベテランなんですね。そのわりに名前が出てきたのが遅いなと思ったら、それもそのはず、彼はもともとサックス奏者だったんですね。いったんニューヨークに出て、エレクトリック・アルトなんかにも手を出したようですが、きっと鳴かず飛ばずだったんでしょう。故郷に戻ってピアノを学びはじめます。彼がシーンに復帰したのは80年代半ば。90年代にゲイリー・ピーコック (bass)、ビリー・ハート (drums) とトリオを組んだあたりから、現在のような小編成(ソロ、デュオ、トリオ)中心の活動を送っています。

ビル・キャロザーズ。生年月日はわかりませんが、もう20年以上もピアニストとしてのキャリアを積んでいるようです。第一次世界大戦など重苦しいテーマを取り上げたりして、内省的なイメージがある人ですが、ホームページを見ると、完全にイメージを覆されます(笑)。実はかなりお茶目な人じゃないか、と。

そんな二人が組むとどうなるか。アルバムは、オーネット・コールマンの名曲〈ロンリー・ウーマン〉で幕を開けます(初出はもちろん『ジャズ来るべきもの』です)。この重苦しさはどうでしょう! 人生のダークサイドに思わず足を踏み入れたような、底なしの暗さに気が滅入ります。淋しい女というより、絶望する女。左のスピーカーから聞こえるキャロザーズの鼻息ともうめき声ともつかぬ音が、恐怖を増幅します。

続く2曲目は必殺の「あなたと夜と音楽と」。でも、こちらも重く暗い出だしです。別に低音ばかり弾いているわけでもなく、すきまがないほど音で埋め尽くされているのに、ちっとも明るくない。でも、この張りつめた空気は尋常じゃありません。ぜひボリュームを上げて、音の洪水を全身で受け止めてください。内省的? 耽美的? 繊細? いや、二人とも思いのほか力強いタッチで耳元に迫ってきます。この二人、こんなに叩きつける弾き方だったっけ?

そして9曲目、セロニアス・モンクの「ベムシャ・スイング」でその疑いはいよいよ濃厚になってきます。モンクス・オリジナルには、演奏する人を多かれ少なかれ「モンク的」にしてしまう呪縛がありますが、このパーカッシヴな奏法は、まさしくモンク譲りです。

聴けば聴くほど、どんどんイメージが変わっていきます。もともと色彩感に乏しい二人ですが、淡い墨絵のような印象だったのが、もっと陰影のはっきりした、力強い筆致で描かれた禅書のようなインパクトがあります。

ところで、このアルバム、メンツといい、アートワークといい、いかにもスケッチレーベルっぽいわけですが、それもそのはず、プロデューサーもエンジニアも録音スタジオも、すべて倒産したスケッチとおんなじなんですね。良質な作品を生み出していたプロデューサー兼デザイナーの Phillippe Ghielmetti がパッケージ込みでフリーになったのか、それとも Minium レーベルに移籍したのかは定かではありませんが、ハイレベルの作品群にまた出会えるのですから、よしとしましょう(とはいえ、ジャケットの質感が若干落ちている気がするのは、紙代などのコスト削減のあおりを受けてのことでしょうか)。

Marc Copland, Bill Carrothers "No Choice"
(Minium 6128452)

Marc Copland (piano: right)
Bill Carrothers (piano: left)

Produced by Phillippe Ghielmetti
Recorded by Gerald de Haro
Recorded at Studio La Buissonne, Pernes-les-Fontaines; January 23, 24, 2006

[Tracks]
01. Lonely Woman Ornette Coleman (music)
02. You And The Night And The Music Arthur Schwartz (music) / Howard Dietz (lyrics)
03. The Needle And The Damage Done Neil Young (music)
04. Dim Some Marc Copland, Bill Carrothers (music)
05. Take The "A" Train Duke Ellington, Billy Strayhorn (music) / Johnny Mercer (lyrics)
06. Blue In Green (Chorale) Miles Davis, Bill Evans (music)
07. Blue In Green (Theme & Variations) Miles Davis, Bill Evans (music)
08. Masqualero Wayne Shorter (music)
09. Bemsha Swing Thelonious Monk (music)
10. Lonely Woman Ornette Coleman (music)

[Links: Marc Copland]
Marc Copland Home Page
Marc Coplamd (@ ジャズCDの個人ページ by K. Kudo)
[Links: Bill Carrothers]
Bill Carrothers Home Page

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2006年07月06日

ジャン・フィリップ・ヴィレ『コンシダレーションズ』

considerations.jpg

EURO2006、もといW杯の準決勝第二試合、フランス対ポルトガル。いやあ、あんまりヨーロッパ勢ばかりが勝ち上がるもんだから、欧州選手権かと思っちゃいましたよ(笑)。そんななか、唯一南米的ないやらしさとひらめきで勝負するポルトガルには期待していたんですけどねえ。あんなに歯が立たないとは思いませんでした。まるで大人と子ども。いいようにあしらわれてました。

ポルトガルはいってみれば、やんちゃ坊主。やたらにちょっかいを出して、相手を怒らせればしめたもの。あとは、頭に血ののぼった相手が勝手に自滅するのを待てばいいわけです。退場者を出したオランダも、イングランドも、ポルトガルの(スコラリ監督の)罠にひっかかってしまったクチでした。精神年齢が同じくらいなんでしょう、きっと。

ところが、フランスは違います。彼らは成熟した大人です。そんなこざかしいワザにはひっかかりません。紳士然としながら、相手をどんどん窮地に陥れる大人なやり口に、おこちゃまたちが太刀打ちできるはずもありません。

あのPKをとった場面のアンリはどうですか。あれ、ポルトガルの選手だったら、絶対PKにならなかったはずです。なにしろ彼らは前科者ですから(笑)、審判の目も光っています。場合によっては、シミュレーションをとられるかもしれません。でも、アンリがあのすました顔をゆがめてアピールすると、審判も思わずPKを与えてしまうわけです。大人ゆえのたくみな演技、脱帽です。

そして、さらに脱帽したのは、その後の展開です。とにかく攻めない。攻めても人数をかけない。時間をかけてゆっくりまわし、相手がイライラするのを待ちます。象徴的だったのは、後半開始の場面です。ポルトガルの選手たちは休息もそこそこに、早々とピッチに登場して、「さあ、いくぞ!」とやる気満々。ところが、フランスが出てこない。イライラが募ります。俺たちは早く試合がしたいんだ! ようやく出てきたと思っても、全員がいっせいに駆け出してくるなんてことはなくて、1人、2人とボチボチ出てくる。しかも、遅れてきた選手がいっさい悪びれもせず、ゆっくりと歩いてピッチに入ってくるわけです。ポルトガルは、完全に気勢を削がれてしまいました。いやあ、大人だねえ。

解説をしていた次期五輪代表監督の反町さんもいっていましたが、あれ、効いたと思いますよ。ポルトガルは相手を怒らせるどころか、自分たちが焦ってしまって、完全にフランスの術中にハマりました。背の高い絶対的なセンターフォワードがいない彼らが、いくらクロスを放り込んだって、フランスの長身DFはビクともしない。まるで日本を見ているようでした。

短いパス交換、ドリブルこそが彼らの生命線なはずなのに、焦りから単調なロングパスとクロスに終始してしまった後半。スコアは1−0の最少得点差ですが、それ以上の力量の差を感じました。さすがフランス、優勝経験というのは、人を成長させるのですね。

というわけで、大人のフランスの、大人のためのピアノ・トリオを。イケメン(笑)フランス人ベーシスト、ジャン・フィリップ・ヴィレの『コンシダレーションズ』。ここ数年、クオリティの高いアルバムを立て続けに発表しているスケッチ・レーベル(日本販売元は澤野工房)。倒産と聞いたときには驚きましたが、どうやら澤野さんがレーベルごと買い取ったらしく、また新譜が出るようになりました。よかったよかった。

さてさて、ジャン・フィリップ・ヴィレは、『アヴァンティ!』のミラバッシと並ぶこのレーベルの宝です。その音楽性をひと言で表現するなら、完璧なまでの構成美。三位一体で織りなすメロディとリズムが幾重にも重なり、そこに重厚かつ荘厳なバロック様式の建築物が現出します。う〜ん、この趣き。まっこと、ヨーロッパですなあ。



Jean-Philippe Viret "Considerations"
(Sketch SKE 333016)

Edouard Ferlet (piano)
Jean-Philippe Viret (bass)
Antoine Banville (drums)

Produced by Philippe Ghielmetti
Recorded by Gerard de Haro, Sylvain Thevenard
Recorded at Studio La Buissonne, Pernes les Fontaines; October 24, 25, 2000

[Tracks]
01. Madame Loire Jean-Philippe Viret (music)
02. Iode Edouard Ferlet (music)
03. Balad Antoine Banville (music)
04. La Fable Du Thon Jean-Philippe Viret (music)
05. Microwave Edouard Ferlet (music)
06. Le Batard Jean-Philippe Viret (music)
07. Une Vie Simple Jean-Philippe Viret (music)
08. Zazimut Edouard Ferlet (music)

[Links: Jean-Philippe Viret]
Jean-Philippe Viret (Official Website)

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2006年06月16日

ヨキ・フロイント『ヨギ・ジャズ』

yogijazz.jpg

ようやく現実に追いつきました(ふうっ)。グループAの2戦目、ドイツ対ポーランドは、終了間際に得点したドイツが1−0で勝利。エクアドル対コスタリカは、3−0でエクアドルの勝利。どちらも3戦目を待たずに、決勝トーナメント進出を決めました。ドイツはバーやポストに阻まれ、なかなか得点できないジリジリとした展開。ポーランド戦に、ポーランド生まれのクローゼとポドルスキーという2人のフォワードを先発させたクリンスマン監督が間違いじゃないかと疑っていましたが、最後はゲルマン魂で押し切りましたね。そうそう、これこそドイツ本来の姿です。

ごぞんじ澤野工房はときどき信じられないような復刻盤を出しますが、この『ヨギ・ジャズ』などはその最たるものではないでしょうか。ドイツ生まれ(1926年)のテナー奏者ヨキ・フロイントの代表作『ヨギ・ジャズ』の登場です。これも「欧州ジャズの金字塔」(笑)の一枚ですが、見ているだけで気持ち悪くなりそうなへなちょこジャケットから連想されるとおりの妙ちくりんな音楽がくり広げられています。

フルートにソプラノ、2ベースで奏でられる〈キャラバン〉の異様な雰囲気。これが楽しめるかどうか。軽いんだか重いんだか、判断に苦しむ音楽です。居心地はよくありません。でも、妙に心にひっかかるんです。

たとえば、2曲目のマッコイ・タイナーのオリジナルなんて、ルパンの「カリオストロ」にでも出てきそうな曲想です。でも、どこかまともじゃない。得体の知れないものでも、やっぱり気になる。そういう気分を楽しむ盤ではないかと個人的には感じました。

そうそう、ベニー・ゴルソンの〈キラー・ジョー〉なんていうふつうでない曲を取り上げているのも、いかにも「らしく」て笑ってしまいます。

Joki Freund "Yogi Jazz"
(CBS [Germany] 62 273 / Atelier Sawano AS 058)

Emil Mangelsdorff (alto sax, flute)
Joki Freund (tenor sax, soprano sax)
Wolfgang Dauner (piano)
Eberhard Weber (bass)
Karl Theodor Geier (bass)
Peter Baumeister (drums)

Produced by Horst Lippmann
Recorded by Dieter von Goetze
Recorded at Walldorf Tonstudio, Franfurt am Main; November 20, 1963

[Tracks]
01. Caravan Duke Ellington, Juan Tizol (music) / Irving Mills (lyrics)
02. Aisha McCoy Tyner (music)
03. The Caribbean Ringo Joki Freund (music)
04. Killer Joe Benny Golson (music)
05. HL 20 Joki Freund (music)
06. Yogiana Joki Freund (music)

[Links: Wolfgang Dauner]
Wolfgang Dauner, Pianist, Komponist, Jazzmusiker

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2004年12月24日

マーク・コープランド『ポエティック・モーション』

poeticmotion.jpg

最初に白状してしまいますが、私はマーク・コープランドという人をよく知りません。よく知らないのに、なぜ紹介するのか。それは彼の奏でる『ポエティック・モーション』(詩的な感情)を好ましく感じているからにほかなりません。繊細で甘美な感情の表出。真っ白いキャンバスに絵の具を塗り重ねていくように、1音1音ていねいに演奏する彼の音楽は、乾ききった現代人の心に、失われた「詩情」を取り戻してくれるでしょう。

さらに白状すると、私もその昔、彼のアルバム(輸入盤)を何枚かもっていました。が、エバンス・ライクな人という印象しか残っておらず、その数枚の CD はディスク・ユニオンに売ってしまったんですね(余談ですが、ディスク・ユニオンの買い取りシステムは楽でいいですよ。箱に入れてまとめて送れば、1枚1枚査定して、それなりの金額で買ってくれます)。

それ以来、彼の名は私の脳裏から消し去られていたのですが、しばらく前に、CD 屋のポップ(あれ、見ちゃうでしょう?)で『ホーンテッド・ハート&アザー・バラッズ』(hatLOGY 581)というアルバムが激賞されているのを見つけて、あわてて買ってみたのです。そしたら、すごくいいじゃないですか。今さらながらに、自分の不明を恥じたわけです。

そんなイタい過去をもった人ですが(笑)、その音楽はけっしてイタくありません。日々の生活ですさんだ心をやさしく包み込んでくれるでしょう。



Marc Copland "Poetic Motion"
(Sketch SKE 333020)

Marc Copland (piano)

Produced by Philippe Ghielmetti
Recorded and Mixed by Gerard de Haro
Recorded at Studio La Buissonne, Pernes les Fontaines; October 24, 25, 2001

[Tracks]
01. Second Sight (music: Marc Copland)
02. Blackboard (music: Marc Copland)
03. Not Going Gently (music: Marc Copland)
04. Nevertheless (music: Marc Copland)
05. Love Theme From Spartacus (music: Alex North)
06. When We Met (music: Marc Copland)
07. Bittersweet Road (music: Marc Copland)
08. Dark Territory (music: Marc Copland)
09. Naima (music: John Coltrane)

[Links: Marc Copland]
Marc Copland (Official Website)

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2004年11月05日

ミラバッシ,ボルトロ,フェリス ((( エア )))

air.jpg

ジョヴァンニ・ミラバッシの第4弾。
今回は、トリオはトリオでも、
トランペット、トロンボーン、ピアノの超変則的トリオです。

「ベースとドラム抜きなんて、気の抜けたコーラみたいなもんだ」
というあなた、あなたはたぶん正しい。
そう、ジャズをジャズたらしめているのは、
骨太のベースラインとドラムの刻むリズムです。
だから、体にしみこんだ黒人特有のリズム感をもたない
白人のソロピアノ作品は、
ジャズというよりヒーリング・ミュージック、
現代音楽のコーナーにおいたほうがシックリ
くるものが多いんです、きっと(それはそれで好きですが)。

でも、たまには、そういう癒しの音楽に
身を預けるのもいいものです。
((( Air )))』というネーミングがピッタリの、
透明感と奥行きを感じさせる行き方。
澤野工房のライナーでは
「ドリーミィ」という表現を使っていますが、
まさに夢見るような、静かな感動が心を満たします。
ヨーロッパでしか生まれ得ない作品です。

ちなみに、トランペットのフラヴィオ・ボルトロは一時期、
ステファノ・ディ・バティスタとチームを組んで、
ペトちゃんの『ボース・ワールズ』に参加したり、
ア・プリマ・ヴィスタ』という傑作をものにしたりしています。続きを読む
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2004年11月04日

ジョヴァンニ・ミラバッシ『ダル・ヴィヴォ!』

dalvivo.jpg

昨日は下の娘の七五三。
が、着物を着るのを泣いてイヤがり、
結局、着物なし、写真撮影なしで、
(といっても、当日なのでキャンセルできず代金だけ支払う)
お参りだけ行ってきました。トホホ。

気を取り直して、ジョヴァンニ・ミラバッシのライヴ盤
ダル・ヴィヴォ!』にいきましょう。
スケッチレーベルより)

2、3、5、7曲目は 1st アルバム『アーキテクチャー
で取り上げられていた曲の再演ですが、
ライヴということもあって、
ひと味違った雰囲気を楽しめます。

でも、本当のお楽しみは最後まで取っておくもの。
アルバムの最後を飾るのは、『アヴァンティ!
の冒頭で私をトリコにしたあの名曲、
〈El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido〉です。
思わず「出た!」と叫んでしまった私の気持ち、
わかる人にはわかってもらえるはずです(笑)。続きを読む
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2004年11月02日

ジョヴァンニ・ミラバッシ『アヴァンティ!』

avanti.jpg

あなたは最近、涙を流しましたか?
音楽を聞いて、涙がほほを濡らすくらい感動した経験は、
私も数えるくらいしかないけれど、このアルバムはその1つです。
なんて哀しい音楽でしょう。
なんてやさしい音楽でしょう。
そして、なんて美しい音楽なのでしょうか。

ここに収められたのは、反独裁、反戦を歌った曲の数々。
抑圧された民族の魂の叫び。
民族解放戦線というと共産主義のにおいがするけれど、
そういった主義・主張を乗り越えて、
自由と平和を求めた人々の営みが、
哀しい曲調のなかに封じ込められています。

ジョヴァンニ・ミラバッシは、たった1人でピアノに向かいます。
気の利いたアレンジ、小手先のフェイク、
そういったものをやめて、ただひたすらシンプルに旋律を追う。
それだけで十分、それだけで聞く者の心をわしづかみにする
何かが、これらの歌にはあります。

ここ数年で一番の収穫、ミラバッシの『アヴァンティ』は
スケッチレーベルより(輸入販売元は澤野商会)。続きを読む
posted by ユキヒロ at 09:25| Comment(1) | TrackBack(0) | 澤野工房系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月01日

ジョヴァンニ・ミラバッシ『アーキテクチャー』

architectures.jpg

今週は本業で2つの〆切を抱えていて、大ピンチ。
というわけで、かんたんにいきます(すみません)。

ジョヴァンニ・ミラバッシは、
フランスのスケッチレーベル
(グラフィック・デザイナーがはじめたインディーズ・レーベル。
 といっても、作品の質はきわめて高い。
 さすが本職なだけあって、毎回、
 すてきなアートワークで楽しませてくれます。
 輸入販売元は、ご存じ澤野商会です)
イチ押しのピアニスト。トリオ主体の演奏ですが、美旋律の宝庫です。

ミラバッシは、ジョージ・クルーニー似のイイ男。
彼の生み出す曲は、そのクールなイイ男ぶりに似合わず、
感情の起伏に富んだ、とてもいい曲ばかりです。
日本人好みの美旋律が、これでもかというくらい入っています。

追記:
スケッチ・レーベルは、その後破産してしまいました。
実は、個人的には、数ある澤野作品の中でも、
好きなアルバムはほとんどスケッチの作品ばかりだったので、
非常に残念です。
スケッチの過去の作品は、澤野商会がその権利を買い取った
そうですが(これ自体はすばらしい決断だと思います)、
あのアートワークがもう見られないかと思うと、
やはりさみしいものがあります。続きを読む
posted by ユキヒロ at 09:31| Comment(1) | TrackBack(0) | 澤野工房系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月05日

ミリアム・アルター『レミニッセンス』

reminiscence.jpg
↑ これはBシャープ原盤のジャケットです。

reminiscence_as.jpg
↑ これは澤野工房盤(AS 039)のジャケットです。

今やすっかりおなじみになった澤野工房
毎回、聞いたこともないようなアーティストを発掘して
楽しませてくれますが、自分の持っていた CD が
澤野盤としてリニューアルされるのは、
また格別にうれしいもの。
「ああ、オレの選択って間違ってなかったんだな」
とお墨つきをもらったような気がするから不思議です(笑)。

というわけで、ベルギーのコンポーザー兼ピアニスト、
ミリアム・アルターの登場です。
彼女はブリュッセル大学で心理学を専攻した後、
広告代理店勤務(7年)、ダンス教室の経営(7年)を経て、
ジャズの世界に足を踏み入れたという異色の経歴の持ち主。

ミリアムの音楽(特に作曲面)を一言でいえば「洗練された欧州美」。
よく練られたホーン・アレンジが耳に心地いいです。
『追憶(レミニッセンス)』というタイトルそのままの、
美しい思い出たちが、鮮やかによみがえります。参加メンバー・録音年月日・曲目・リンクなど
posted by ユキヒロ at 09:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 澤野工房系 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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