2007年12月05日

ケニー・ドーハム『トランペット・トッカータ』

trompetatoccata.jpg Kenny Dorham - Trompeta Toccata

今日はトランペット奏者ケニー・ドーハムの命日です。ケニー・ドーハム(McKinley Howard Dorham)は1924年8月30日、テキサス州フェアフィールド生まれ。1972年12月5日、ニューヨーク州ニューヨークで腎臓病のために亡くなりました。享年48歳。

1940年代半ばから頭角を現したケニーは、ディジー・ガレスピーより9歳年下で、マイルス・デイヴィスより2歳年上、クリフォード・ブラウンとは6歳もの年の差がありました。
この年齢差が、実はケニーの立ち位置のむずかしさを表しているのではないでしょうか。つまり、生粋のビバッパーというには若すぎ、かといって年下のマイルスやブラウニーの影響は受けにくいというか受けたくない。

ケニーが一番輝いていたのは、炎のように燃え盛る『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol. 1』『<同 Vol. 2』(記事はこちら)や、ガレスピーばりのラテンの情熱を聴かせる『アフロ・キューバン』(記事はこちら)を吹きこんだ1955年(御年31歳)あたりだと思いますが、そこから徐々に路線変更を重ねて、ポクポクという木魚のような語り口が主体になっていきます。

もともとお世辞にも音色が美しいとはいえないケニーのことですから、ブラウニー直系のブリリアントなトランぺッター全盛の時代にあって、力を抜いた渋めの演奏に活路を見出したともいえそうですが、それが「クール」にならずに「枯れた味わい」になってしまうところが、いかにも彼らしい。やっぱりブラウニーにもマイルスにもなれないわけです。

ある意味かわいそうなケニーですが、ジャズの神様は彼を見捨てませんでした。40代を目前にした彼は、13歳年下のテナーマン、ジョー・ヘンダーソンと出会います。ジョーヘンという新たな才能を得て、ケニーはふたたび往時の勢いを取り戻します。
彼らのコラボレーションは、63年録音の『ウナ・マス』を皮切りに、ジョーヘン名義の『ページ・ワン』(ケニーの傑作オリジナル〈ブルー・ボッサ〉が入っています)、『アワ・シング』、『イン・ン・アウト』と続き、今回とりあげた『トランペット・トッカータ』で幕を降ろします。

このアルバムは、正式録音としてはケニーの最後のリーダー作です。この録音の直後、ジョーヘンがホレス・シルヴァーのグループに移籍したことで、彼らの蜜月は終わりを迎えます。ケニーが咲かせた最後の花は、相方を失ったことで散る運命にありました。
表題曲〈トランペット・トッカータ〉の出来がすばらしいだけに、実にもったいない。うちに秘めた炎がときおり顔を出すケニーのソロが絶品です。しかも、曲調は哀愁のラテン(笑)。大好きです。

 

Kenny Dorham "Trompeta Toccata"
(Blue Note BLP 4181 / BST 84181)

Kenny Dorham (trumpet)
Joe Henderson (tenor sax)
Tommy Flanagan (piano)
Richard Davis (bass)
Albert "Tootie" Heath (drums)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ; September 14, 1964

[Tracks] Kenny Dorham - Trompeta Toccata
01. Trompeta Toccata Kenny Dorham (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - Trompeta Toccata
02. Night Watch Kenny Dorham (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - Night Watch
03. Mamacita Joe Henderson (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - Mamacita
04. The Fox Kenny Dorham (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - The Fox

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Joe Henderson]
Joe Henderson Discography (by Jeffrey Lovell)
Joe Henderson Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Tommy Flanagan]
Tommy Flanagan Discography (by トミー・フラナガン愛好会)
Tommy Flanagan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Richard Davis]
The Richard Davis Homepage (Official Website)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Albert "Tootie" Heath]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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posted by ユキヒロ at 01:06| Comment(0) | TrackBack(0) | Blue Note | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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