

今日はトランペット奏者ケニー・ドーハムの命日です。ケニー・ドーハム(McKinley Howard Dorham)は1924年8月30日、テキサス州フェアフィールド生まれ。1972年12月5日、ニューヨーク州ニューヨークで腎臓病のために亡くなりました。享年48歳。
1940年代半ばから頭角を現したケニーは、ディジー・ガレスピーより9歳年下で、マイルス・デイヴィスより2歳年上、クリフォード・ブラウンとは6歳もの年の差がありました。
この年齢差が、実はケニーの立ち位置のむずかしさを表しているのではないでしょうか。つまり、生粋のビバッパーというには若すぎ、かといって年下のマイルスやブラウニーの影響は受けにくいというか受けたくない。
ケニーが一番輝いていたのは、炎のように燃え盛る『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol. 1
もともとお世辞にも音色が美しいとはいえないケニーのことですから、ブラウニー直系のブリリアントなトランぺッター全盛の時代にあって、力を抜いた渋めの演奏に活路を見出したともいえそうですが、それが「クール」にならずに「枯れた味わい」になってしまうところが、いかにも彼らしい。やっぱりブラウニーにもマイルスにもなれないわけです。
ある意味かわいそうなケニーですが、ジャズの神様は彼を見捨てませんでした。40代を目前にした彼は、13歳年下のテナーマン、ジョー・ヘンダーソンと出会います。ジョーヘンという新たな才能を得て、ケニーはふたたび往時の勢いを取り戻します。
彼らのコラボレーションは、63年録音の『ウナ・マス
このアルバムは、正式録音としてはケニーの最後のリーダー作です。この録音の直後、ジョーヘンがホレス・シルヴァーのグループに移籍したことで、彼らの蜜月は終わりを迎えます。ケニーが咲かせた最後の花は、相方を失ったことで散る運命にありました。
表題曲〈トランペット・トッカータ〉の出来がすばらしいだけに、実にもったいない。うちに秘めた炎がときおり顔を出すケニーのソロが絶品です。しかも、曲調は哀愁のラテン(笑)。大好きです。
Kenny Dorham "Trompeta Toccata"
(Blue Note BLP 4181 / BST 84181)
Kenny Dorham (trumpet)
Joe Henderson (tenor sax)
Tommy Flanagan (piano)
Richard Davis (bass)
Albert "Tootie" Heath (drums)
Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ; September 14, 1964
[Tracks]

01. Trompeta Toccata Kenny Dorham (music)

02. Night Watch Kenny Dorham (music)

03. Mamacita Joe Henderson (music)

04. The Fox Kenny Dorham (music)

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Joe Henderson]
Joe Henderson Discography (by Jeffrey Lovell)
Joe Henderson Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Tommy Flanagan]
Tommy Flanagan Discography (by トミー・フラナガン愛好会)
Tommy Flanagan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Richard Davis]
The Richard Davis Homepage (Official Website)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Albert "Tootie" Heath]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
最後にポチッとよろしく。
