2007年06月04日

ハービー・ハンコック『洪水』

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なにかと日本と縁の深いハービー・ハンコックはこの時期、毎年のように日本にやってきては置き土産を残しています。『洪水』もそのひとつで、1975年、東京の渋谷公会堂中野サンプラザでライヴ録音され、日本のみでリリースされました。

こういうと、小遣い稼ぎの安直なアルバムと思いがちですが(実際、そうとしか思えないアルバムもあるにはあります)、エレクトリック・ファンク時代のハービー唯一のライヴ盤(アコースティック・バンドの演奏も含む『V.S.O.P.〜ニューポートの追想』は除きます)と聞けば、このアルバムの価値もわかろうというものです。

コンサートはアコースティック時代の一里塚〈処女航海〉で幕を開けます。おそらく日本のコアなファンを意識したのでしょうが、このメンバーでこの選曲は、はっきりいって違和感があります。一時代前の音がする。あちゃ〜、やっちゃった? そう思って停止ボタンを押そうと手を伸ばした瞬間、突然曲が切り替わります。〈アクチュアル・プルーフ〉。これが、めちゃめちゃカッコイイんです! ハービーは引き続きアコースティック・ピアノを弾いていますが、火が出るような熱いソロをくり広げています。必聴です。こんなに熱いハービーって、そうは聴けません。

私はいわゆるフュージョンはほとんど聴かないのですが、ヘッド・ハンターズがおもしろいのは、彼らのインプロヴィゼーションにまだ力があったからではないかと思います。クロスオーヴァーからフュージョンへと時代が下るにつれて、ジャズ色は希薄になり、ポップス色が強くなっていくわけですが、それは即興の度合いが減っていく過程でもあります。私はかなりジャズ寄りの人間ですが、たとえ楽器が電化しても、即興主体の音楽なら楽しめる。引退前のエレクトリック・マイルスも、初期の RTF も、ミロスラフ・ヴィトウス参加時代のウェザー・リポートも、同じ意味で楽しめます。

アルバムはヘッド・ハンターズのヒットパレードで、『ヘッド・ハンターズ』から2曲、『スラスト』から3曲、『マン・チャイルド』から1曲、セレクトされています。最初の2曲以外、ハービーはエレピやシンセを操っていますが、こちらも相当熱い。スタジオでは捉えきれなかったヘッド・ハンターズの全貌が明らかになります。



"Flood: Herbie Hancock Live In Japan"
(CBS/Sony SOPZ 98)

Bennie Maupin (soprano, tenor sax, saxello, bass clarinet, flute, percussion)
Herbie Hancock (piano, Fender Rhodes, clavinet, synthesizer)
DeWayne "Blackbird" McKnight (guitar)
Paul Jackson (Fender bass)
Mike Clark (drums)
Bill Summers (congas, percussion)

Produced by David Rubinson
Recorded by Tomoo Suzuki
Recorded live at Shibuya Kohkaido, Tokyo; June 28, 1975 / Nakano Sun Plaza, Tokyo; July 1, 1975

[Tracks]
01. Maiden Voyage Herbie Hancock (music)
02. Actual Proof Herbie Hancock (music)
03. Spank-A-Lee Herbie Hancock (music)
04. Watermelon Man Herbie Hancock (music)
05. Butterfly Herbie Hancock (music)
06. Chameleon Herbie Hancock, Bennie Maupin, Paul Jackson, Harvey Mason (music)
07. Hang Up Your Hang Ups Herbie Hancock (music)

[Links: Bennie Maupin]
Bennie Maupin (Official Website)
Bennie Maupin Discography (by Christian Genzel)
[Links: Herbie Hancock]
Herbie Hancock (Official Website)
Herbie Hancock Discography (by Christian Genzel)
[Links: Paul Jackson]
Paul Jackson (Official Website)
[Links: Mike Clark]
Mike Clark (Official Website)
[Links: Bill Summers]
Bill Summers (Official Website)

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posted by ユキヒロ at 16:40| Comment(0) | TrackBack(0) | Columbia (Epic) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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