2007年02月18日

アイリーン・クラール『恋の行方』

irenekral_whereislove.jpg アイリーン・クラール - ホエア・イズ・ラヴ?

訃報です。アメリカの作詞家レイ・エヴァンスが亡くなりました。作曲家ジェイ・リヴィングストンとチームを組んで映画音楽に進出。〈モナ・リザ〉や〈ケ・セラ・セラ〉でアカデミー主題歌賞を受賞、とくにナット・キング・コールが歌った〈モナ・リザ〉は、8週連続ビルボード NO.1 の座を獲得するなど大ヒットしました(ナットのベスト盤ならたいてい入っています。たとえばこれとか)。

本名、Raymond Bernard Evans。
1915年2月4日、ニューヨーク州サラマンカ生まれ。
2007年2月15日、カリフォルニア州ロサンジェルスで死去。
亡くなった日は、奇しくもナット・コールの命日と同じでした。

ナットのヴェルヴェット・ヴォイスで聴く〈モナ・リザ〉もしびれますが、ジャズの世界では、1956年の映画『スカーレット・アワー』の主題歌〈ネヴァー・レット・ミー・ゴー〉のほうがカヴァー率が高いようです。

この曲、なんといってもキース・ジャレットの『スタンダーズ Vol. 2』の印象が強いのですが、作詞家を追悼するのにインスト曲では申し訳ないので、これまた渋いヴォーカルものをセレクションしてみました。

じわじわと心にしみるバラード・シンガー、アイリーン・クラール。1932年1月18日、イリノイ州シカゴ生まれ。1978年8月15日、カリフォルニア州 Encino で死去。乳がんを患い、わずか46歳の若さで逝きました。

細やかな感情をこめた、ひっそりとした歌いっぷりから、てっきり彼女はヨーロッパの人だと思いこんでいたのですが、シカゴ生まれとは驚きです。もっとも、両親はチェコ・スロヴァキア(当時)の人なので、そこらあたりに彼女らしさのルーツがあるのかもしれません。ちなみに、お兄さんは「ジャッキー&ロイ」のロイ・クラールです。

デビュー以来、いくつかのビッグバンドを渡り歩いたようですが、トランペット奏者ジョー・バーネットとの結婚を機に活動を休止、10年あまりの沈黙の後、ニュージーランド出身のピアニスト、アラン・ブロードベントと組んでカムバックを果たします。1974年録音のチョイス盤『恋の行方』は、数少ない彼女のアルバムの中でも最高傑作といわれています。

なにはともあれ、CDのトラックナンバーを「2」にセットしてみましょう。〈ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ〉。同じクラールでも、人気者ダイアナ・クラールが歌って有名になった曲ですが(1999年のアルバム『ホエン・アイ・ルック・イン・ユア・アイズ』に収録)、アイリーンのひっそりと語りかけるような歌声を聴いてからダイアナのヴァージョンを聴くと、まだ荒削りな印象を受けます。どこかなげやりというか、歌詞に没入しきれていないというか。

ピアノだけをバックに、ひと言ひと言、感情をこめて歌うアイリーン。絶品です。実は重苦しい雰囲気がたちこめた気の滅入るアルバムなのですが、いったん聴いてしまうと、けっして途中で止めることはできません。どっぷりと、気の済むまで浸ってください。

ジョニー・マンデルの〈ア・タイム・フォー・ラヴ〉。ケイコ・リーも『ビューティフル・ラヴ』で歌ってましたね。大好きな曲ですが、この曲のイメージを決めたのは、間違いなくアイリーンのヴォーカルです。

そして、今回のテーマ曲〈ネヴァー・レット・ミー・ゴー〉。はっきりいって、ハマります。それも深く。間違いなく社会復帰するのに時間がかかりますから、夜寝る前に、静かな環境でひっそりと聴くことをおすすめします。

 

Irene Kral "Where Is Love"
(Choice CRS 1012)

Irene Kral (vocal)
Alan Broadbent (piano)

Produced by Joe Burnett
Recorded by Gabby Garcia
Recorded at Wally Heider Studios; December 1974

[Tracks] アイリーン・クラール - ホエア・イズ・ラヴ?
01. I Like You, You're Nice Blossom Dearie (music and lyrics)
02. When I Look In Your Eyes Leslie Bricusse (music and lyrics)
03. A Time For Love 〜 Small World Johnny Mandel (music) / Paul Francis Webster (lyrics) 〜 Jule Styne (music) / Stephen Sondheim (lyrics)
04. Love Came On Stealthy Fingers Bob Dorough (music and lyrics)
05. Never Let Me Go Jay Livingston (music) / Raymond B. Evans (lyrics)
06. Spring Can Really Hang You Up The Most Tommy Wolf (music) / Fran Landesman (lyrics)
07. Lucky To Be Me 〜 Some Other Time Leonard Bernstein (music) / Betty Comden, Adolph Green (lyrics)
08. Where Is Love Lionel Bart (music and lyrics)
09. Don't Look Back Johnny Mandel (music) / K.L. Dunham (lyrics)

[Links: Irene Kral]
Irene Kral Tribute Page

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posted by ユキヒロ at 20:44| Comment(1) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アイリーン・クラール『恋の行方』: Bird of Paradise
Posted by gucci 新作 財布 at 2013年07月21日 15:39
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