
オリジナル・マイルス・クインテットのピアニスト、レッド・ガーランドの初リーダー作『ア・ガーランド・オブ・レッド
レッド・ガーランド、本名 William McKinley Garland。1923年5月13日、テキサス州ダラス生まれ。1984年4月23日、テキサス州ダラスで死去。若いころはクラリネットとアルトサックスを吹いたそうですが、軍隊生活を終えた後はプロボクサーとして30勝1敗の戦績を残します。数字だけ見るとなかなかの腕だと思うのですが、ボクサーは断念。以後、ジャズ・ピアニストとして生計を立てていきます。
レッドのあだ名は、20代のころ髪を赤く染めていたから。彼の名が世間に広まったのは
やはりマイルス・デイビスのバンドに参加してからのことで、冠なしの「ザ・リズム・セクション」といえば、ガーランドにポール・チェンバース、フィリー・ジョーンズのことでした。
引っ越し前のライブドアのブログには書きましたが、この『ア・ガーランド・オブ・レッド』は私にとって思い入れのある作品です。生まれてはじめて高級オーディオで聴いたアルバムであり、生まれてはじめてオリジナルのアナログ盤を聴いたアルバムでもあるからです。Hさんというオーディオマニアの方のお宅で聴かせていただいたのですが(Hさん、その節はたいへんお世話になりました)、いやもう驚いたのなんのって。これまでのガーランド観どころか、これまでのジャズ観が根底から覆されるような衝撃を受けました。
みなさん、音にさわることができるって知ってました? よく仕込まれたオーディオから出る分厚いサウンドは、その場に「音場」とでもいうべき確かな実体をともなっていて、手を伸ばせば触れられるような、そんな錯覚を抱かせるのです。よく「誰々が目の前にいるような」と表現したりしますが、まさしく2本のスピーカーと私の間の空間に鍵盤を転がすガーランドにベースをつまびくチェンバース、小気味よくシンバルを叩くアート・テイラーがいるような、そんな感じ。いずれも、どちらかといえば地味目の、玄人好みの人たちですが、眼前に見る(本当に「見える」んです!)彼らは、地味なんてとんでもない! ガーランドが「カクテルピアノ」だなんていうステレオタイプのイメージは完全に吹き飛びます。
くっきりと粒立ちのよいピアノの音色に、ファースト・コールの名に恥じないチェンバースのしびれる重低音、そして、耳元まで鋭く切り込んでくるアート・テイラーのシンバルが、ああ、もう快感です。ガーランドがリーダー作を録るにあたって、「ザ・リズム・セクション」のフィリー・ジョーではなく、アート・テイラーを選んだ理由がわかります。1曲目の〈ア・フォギー・デイ(霧の日)〉。マジでしびれます。
ちなみに、英語の garland には「花飾り、花輪」という意味があり、タイトルは「赤い花飾り」をもじったものです。
Red Garland "A Garland Of Red"
(Prestige 7064)
Red Garland (piano)
Paul Chambers (bass)
Art Taylor (drums)
Produced by Bob Weinstock
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at Van Gelder Studio, Hackensack, NJ; August 17, 1956
[Tracks]
01. A Foggy Day George Gershwin (music) / Ira Gershwin (lyrics)
02. My Romance Richard Rodgers (music) / Lorenz Hart (lyrics)
03. What Is This Thing Called Love Cole Porter (music and lyrics)
04. Makin' Whoopee Walter Donaldson (music) / Gus Kahn (lyrics)
05. September In The Rain Harry Warren (music) / Al Dubin (lyrics)
06. Little Girl Blue Richard Rodgers (music) / Lorenz Hart (lyrics)
07. Constellation Charlie Parker (music)
08. Blue Red Red Garland (music)
[Links: Red Garland]
Red Garland の世界 (by GAKO)
Red Garland Discography Project (@ Jazz Discography Project)
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ブログを読みながら頭の中ではWhat Is This Thing Called Loveの演奏が始まりました.やっぱり,ガーランドいいですねえ.
最近は,ちょっと他のことに興味がいっていてオリジナル盤とか全然増えてないんですけど,また聞きに来てください.
そうそう,例の酒屋がすぐ近所に引っ越してきたので,2人で物色してから宴会をするというのはいかがでしょうか?
やっぱり初物といいますか、私の脳裏に今も甦るのは、このガーランド盤なんです。あのときの震えるような感動は、今でもありありと思い出すことができます。
宴会、いいですねえ。ぜひやりましょう。またあの刺激的な音を聴かせてください。もちろん、お酒のほうも楽しみです(笑)。