2007年12月28日

ミシェル・ペトルチアーニ『マーヴェラス』

Marvellous.jpg Michel Petrucciani - Marvellous

1993年、母国フランスに帰国したミシェル・ペトルチアーニは、新興のドレフュス・ジャズと契約。以後、立て続けに傑作を吹きこんでいきます。
移籍第1弾『マーヴェラス』は、デイヴ・ホランドとトニー・ウィリアムスという豪華なメンバーを迎え、弦楽四重奏団をバックにピアノを弾きまくるという意欲作です。

急速調の〈マンハッタン〉からリキの入った演奏が続きます。新天地でやる気にみなぎるペトちゃんの思いがストレートに伝わってきて、実に気持ちいい快演です。1年の疲れも吹き飛びます!
ペトちゃん本人によるライナーの最後に「人生は不思議だ(Marvellous)」とあります。驚きの連続で、奇跡のような、最高の音楽をあなたに(笑)。



Michel Petrucciani "Marvellous"
(Dreyfus Jazz FDM 36564)

Michel Petrucciani (piano)
Dave Holland (bass)
Tony Williams (drums)

Graffiti String Quartet:
Vincent Pagliarin (violin)
Nicolas Krassik (violin)
Pierre Lemarchand (viola)
Vincent Courtois (cello)

Produced by Michel Petrucciani
Recorded by Roger Roche
Recorded at Studio Palais des Congres, 1994

[Tracks] Michel Petrucciani - Marvellous
01. Manhattan Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - Manhattan
02. Charlie Brown Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - Charlie Brown
03. Even Mice Dance Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - Even Mice Dance
04. Why Philippe Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - Why
05. Hidden Joy Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - Hidden Joy
06. Shooting Stars Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - Shooting Stars
07. You Are My Waltz Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - You are my waltz
08. Dumb Breaks Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - Dum Breaks
09. 92's Last Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Marvellous - 92's Last
10. Besame Mucho Conseulo Velasquez (music and lyrics) Michel Petrucciani - Marvellous - Besame Mucho

[Links: Michel Petrucciani]
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ミシェル・ペトルチアーニ『ミュージック』

Music.jpg Michel Petrucciani - Music

1982年、アメリカに渡ったミシェル・ペトルチアーニは、隠遁生活を送っていたチャールズ・ロイド(あの『フォレスト・フラワー』のロイドです。フラワー・ムーヴメントの後、精神世界へと引き蘢っていたようです)を訪ねて西海岸へと移動、すっかりやる気をなくしていたロイドを、ふたたびジャズの世界へと連れ戻します。
(ここらへんの話は、ネルソンさんのペトちゃんに関する記事が秀逸です。「人とその周辺」やロイドの項目もあわせて読むと、ためになります)

ロイドのもとで研鑽を積んだペトちゃんは、86年、フランス人としてははじめて名門ブルーノートと専属契約を結びます。
ブルーノート時代は計7枚のアルバムを吹きこみますが、オーソドックスなトリオ作から、大好きなデューク・エリントンの作品集(ソロ演奏)、ウェイン・ショーター&ジム・ホールとの共演盤(モントルー・ジャズ・フェスティヴァルでの実況録音)など、1作ごとに趣向を変え、音楽家としての地位を確かなものにしていきます。

ミュージック』は、そんなブルーノート時代の集大成とでもいうべきアルバムです。ここで、ペトちゃんはなんと、シンセを導入しています。
「電化は苦手」というなかれ。ペトちゃんの明るい曲調と控えめなシンセの音色の相性は抜群。さわやかな風が頬をかすめます。

1曲目の〈ルッキング・アップ〉から、ペトちゃんワールド全開です。そうそう、これこれ。こんなに明るく、ポジティヴで、生命の輝きに満ちた音楽ってありますか? 伸びやかなピアノの高音がスーッと耳にとけ込んできます。私も大好きです。



Michel Petrucciani "Music"
(Blue Note 92563)

Michel Petrucciani (piano, synthesizer, organ, vocal)
Anthony Jackson (electric bass) #1, 5
Chris Walker (electric bass) #4, 8
Andy McKee (bass) #2, 3, 7
Eddie Gomez (bass) #6
Lenny White (drums) #1, 4, 5, 8
Victor Jones (drums) #2, 3, 6, 7
Frank Colon (percussion) #1, 2, 4, 5, 6, 7, 8
Adam Hozman (synthesizer) #1, 2, 4, 5, 7, 8
Robbie Kondor (synthesizer programming) #1, 2, 4, 5, 6, 7, 8

Gil Goldstein (accordion) #2
Romero Lubambo (acoustic guitar) #4
Tania Maria (vocal) #7

Produced by Michel Petrucciani, Eric Kressmann
Recorded by Tom Swift
Recorded at The Record Plant

[Tracks] Michel Petrucciani - Music
01. Looking Up Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - Looking Up
02. Memories Of Paris Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - Memories of Paris
03. My Bebop Tune Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - My Bebop Tune
04. Brazilian Suite No. 2 Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - Brazilian Suite No. 2
05. Bite Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - Bite
06. Lullaby Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - Lullaby
07. O Nana Oye Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - O Nana Oye
08. Play Me Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Music - Play Me

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『ミシェル・ペトルチアーニ』

Michel Petrucciani.jpg Michel Petrucciani - Michel Petrucciani

今から45年前の今日、ペトちゃんことミシェル・ペトルチアーニがこの世に生を授かりました(1962年12月28日、南仏プロヴァンスのオランジュ生まれ)。
生まれつき骨形成不全症という病気を患っていて、身長は1メートルほど、骨ももろく、寿命は20年ほどだといわれていました(実際は36歳まで生きた)。身体は小さなペトちゃんですが、手は大きい。その大きな手を振りかざして全身全霊で演奏に打ち込む姿は、またに「ピアノの化身」。見る者に大きな感動を与えてくれる存在でした。

フランスのレーベル、アウルに吹きこまれた『ミシェル・ペトルチアーニ』(通称「赤ペト」)は、ペトちゃん18歳のときの公式デビュー盤です。
ジェニー・クラーク、アルド・ロマーノという、フリー・ジャズもこなす重量級のリズム・セクションをバックに、臆することなく、色彩豊かなメロディーをくりだすペトちゃんがいとおしい。

音の粒立ちの美しさも、ペトちゃんならではです。力強く、歯切れのよいタッチで、鍵盤のうえを縦横無尽にかけめぐるペトちゃんの右手はまさにビューティフル! 
このポジティヴな音色を聴きたくて、ついついペトちゃんのアルバムに手を伸ばしてしまうんです。えもいわれぬ高揚感。人生って悪くないな、と思える瞬間です。



"Michel Petrucciani"
(Owl 025)

Michel Petrucciani (piano)
J.F. Jenny Clark (bass)
Aldo Romano (drums)

Produced by Jean-Jacques Pussiau, Francois Lemaire
Recorded by Yan Willen
Recorded at Spitsbergen Studio, Holland; April 3, 4, 1981

[Tracks] Michel Petrucciani - Michel Petrucciani
01. Hommage A Enelram Atsenig Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Michel Petrucciani - Hommage A Enelram Atsenig
02. The Days Of Wine And Roses Henry Mancini (music) / Johnny Mercer (lyrics) Michel Petrucciani - Michel Petrucciani - Days Of Wine And Roses
03. Christmas Dreams Aldo Romano (music) Michel Petrucciani - Michel Petrucciani - Christmas Dreams
04. Juste Un Moment Michel Petrucciani (music) Michel Petrucciani - Michel Petrucciani - Juste Un Moment
05. Gattito Aldo Romano (music) Michel Petrucciani - Michel Petrucciani - Gattito
06. Cherokee Ray Noble (music and lyrics) Michel Petrucciani - Michel Petrucciani - Cherokee

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2007年12月27日

マイルス・デイヴィス『1969マイルス』

1969 Miles.jpg

マイルス&芋づる式ピアニスト特集の続きです。
本来ならここで『イン・ア・サイレント・ウェイ』(記事はこちら)、『ビッチェズ・ブリュー』(記事はこちら)と来て、ジョー・ザヴィヌル特集へとなだれ込むべきなんですが(2か月前に亡くなってしまったんですよね、ザヴィヌル。ご冥福をお祈りします)、どちらもすでに紹介済み。ですから、とりあえずチック・コリアで行けるところまで行って、その後ザヴィヌル特集へと移りたいと思います。

マイルス・コンボに参加していた時代のチックは、ある意味かわいそうな存在でもあります。
せっかく憧れのマイルスに抜擢されたのに、自分の名前がクレジットされたオフィシャル盤がほとんど出ない。スタジオには何度も足を運びますが、キーボード奏者はたいてい自分一人ではなくて、前任者ハービー・ハンコックや新参者ジョー・ザヴィヌルの間にはさまれて、あんまり目立たないんです。
日々のライヴ活動ではレギュラー・キーボード奏者なのに(現在、発掘物のブートレグが大量に出回っています)、正式にリリースされるアルバムでは、その他大勢のなかの一人にすぎない、というのがチックの置かれたポジションでした。

60年代末にマイルスが率いていたのは、ウェイン・ショーター、チック・コリア、デイヴ・ホランド、新加入のジャック・デジョネットからなるクインテットでした。公式盤が1枚も残されなかったことから、ついた名前が「ロスト・クインテット」。今回紹介する『1969マイルス』にしても、1993年に日本で初めて陽の目を見た作品なので、純粋な公式盤とはいえません。

じゃあ、この時代は見るべきものがなかったのかというと、そんなことはありません。
取り上げられる楽曲こそ、〈マイルストーン〉〈ラウンド・ミッドナイト〉といった懐メロ(失礼!)がまじっていますが、耳を奪われるのは〈イッツ・アバウト・タイム〉(『イン・ア・サイレント・ウェイ』に収録)や〈マイルス・ランズ・ザ・ブードゥー・ダウン〉〈サンクチュアリ〉(1か月後に収録される『ビッチェズ・ブリュー』に収録)といったできたてホヤホヤの新曲です。
私の大好きな〈フットプリンツ〉が古臭く思えてしまうほど、ここでのサウンドは変化を遂げています。そして、それが見事にハマっているんです。

たとえば、1曲目の〈ディレクションズ〉。一聴して「なんじゃこれは???」のオンパレード。でも、これがやがて快感に変わってくるんです。
ジャックが完全にぶち切れてます。デイヴもベース版シーツ・オブ・サウンド(笑)で対抗します。暴力的なまでの音の氾濫に、私はなす術もありません。ただ口をあんぐり開けて聴き入るだけです。
ウェインがテナーを吹いていますが、これはご愛嬌。完全にかき消されています。そういえば、『フットプリンツ:評伝ウェイン・ショーター』(ミシェル・マーサー著、新井崇嗣訳)には、こんな記述が載っています。

「電化の波が押し寄せてきてからは、テナー・サックスは巨大なエレクトリック・サウンドの下に完全に埋もれてしまった」とウェインは言う。「大半のロックバンドでは、テナーは単なるバックアップのひとつにすぎない。シンセサイザーと一緒になって、ちょっとしたアクセントを加える役割しか与えられていないんだ」。そこでウェインは、電気的に増幅された音にかき消されず、自己の存在をしっかりと主張するために、楽器をテナーからソプラノ・サックスに持ち替えることを決意する。

ウェインのソプラノ・サックスがはじめてお目見えしたのは『イン・ア・サイレント・ウェイ』ですが、なるほど、そう言われてみれば、電化サウンドのなかでもはっきり聞き取れる度合いでいえば、ソプラノのほうが数段勝っているようです。個人的には、これは発見です。ウェインのソプラノに対する見方が変わりました。



Miles Davis "1969 Miles: Festival De Juan Pins"
(Sony SRCS 6843)

Miles Davis (trumpet)
Wayne Shorter (soprano sax, tenor sax)
Chick Corea (electric piano)
Dave Holland (bass, electric bass)
Jack DeJohnette (drums)

Recorded live at La Pinède, Juan-les-Pins, France; July 25, 1969

[Tracks]
01. Directions Joe Zawinul (music)
02. Miles Runs The Voodoo Down Miles Davis (music)
03. Milestones Miles Davis (music)
04. Footprints Wayne Shorter (music)
05. 'Round Midnight Thelonious Monk, Cootie Williams (music) / Bernie Hanighen (lyrics)
06. It's About That Time Miles Davis (music)
07. Sanctuary ~ The Theme Wayne Shorter (music) ~ Miles Davis (music)

[Links: Miles Davis]
Miles Davis (Official Website)
Miles Ahead: A Miles Davis Website (by Peter Losin)
Miles Davis: Missing Links (by Thomas Westphal)
Miles Davis Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Wayne Shorter]
ウェイン・ショーターの部屋 (by Y. Yamada)
Dr. Morf's Wayne Shorter Page
Wayne Shorter Discography Project (@ Jazz Discography Project)
The Complete Wayne Shorter Discography
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[Links: Chick Corea]
Chick Corea (Official Website)
Chick Corea Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Dave Holland]
Dave Holland (Official Website)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Jack DeJohnette]
Jack DeJohnette (Official Website)
Jack DeJohnette Homepage (by Piotr Marek, Jr.)
Jack Dejohnette Collection (by ANTAIOS)
Jack DeJohnette Complete Discography を目指すページ (@ 東北大学モダンジャズ研究会)
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posted by ユキヒロ at 23:06| Comment(0) | TrackBack(0) | Columbia (Epic) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

マイルス・デイヴィス『キリマンジャロの娘』

fillesdekilimanjaro.jpg

マイルス・デイヴィスのもとに去来したピアニストの特集、ハービー・ハンコックのところで終わっていましたが、久しぶりに続きを(待ってくれていた人、ごめんなさい)。

話は1968年の夏に戻ります。
マイルス・イン・ザ・スカイ』(記事はこちら)以来、電化路線で試行錯誤を重ねていたマイルスは、早くも6月にはハービーにエレクトリック・ピアノを、ロン・カーターにエレクトリック・ベースをもたせて、『キリマンジャロの娘』の制作に取りかかります。
ところが、エレクトリック・ベースに馴染めなかったロン・カーターが6月にグループを脱退。後任は一時ミロスラフ・ヴィトウスがつとめたようですが、すぐに本命デイヴ・ホランドをロンドンから呼び寄せます(6月にイギリスへツアーに出たマイルスが現地でホランドに遭遇した。この話は『お城のエヴァンス』のこの記事で紹介しました)。
ハービーは8月31日、恋人ジジと結婚して新婚旅行でブラジルへ。ところが現地で食中毒になって、帰るに帰れない。マイルスには事情を説明したようですが、マイルスはハネムーンを延期するための仮病だと受け止めた。そこで、代役としてチック・コリアをスタジオに呼びます。そして、チックがそのままレギュラー・キーボードの座におさまるのです。

ここにきて、ついにマイルスの60年代黄金のクインテットは終焉を迎えます(トニーが去るのはこの年の12月、ウェインは1969年末までグループに残りました)。
でも、しょうがないんですね。どんなにすぐれたグループでも永遠には続かない。とくに前身に前身を重ねたマイルスにとって、この面子でできることはすべてやり遂げたという思いがあったはずです。だからこそのメンバー変更なのですが、実際、このアルバムで「新しさ」を感じさせるのは、ハービー&ロンがいた6月のセッションではなく、チック&デイヴの9月のセッションのほうなんです。

ジャケットの女性は、当時マイルスがつきあっていた歌手ベティ・メイブリー。5曲目の〈マドモワゼル・メイブリー〉は彼女に捧げられた曲です。
ベティはこの年の9月にマイルスと結婚(マイルス42歳、ベティ23歳のとき。年の差なんと19歳。ただし1年で離婚しました)、ベティ・デイヴィスとして何枚かのアルバムを残しています。

 

Miles Davis "Filles De Kilimanjaro"
(Columbia CS 9750)

Miles Davis (trumpet)
Wayne Shorter (tenor sax)
Herbie Hancock (electric piano) #2-4
Chick Corea (electric piano) #1, 5
Ron Carter (electric bass) #2-4
Dave Holland (bass) #1, 5
Tony Williams (drums)

Produced by Teo Macero
Recorded by Frank Laico, Arthur Kendy
Recorded at Columbia 30th Street Studio, NYC; June 19 (#3), 20 (#2), 21 (#4), September 24 (#1, 5), 1968

[Tracks]
01. Frelon Brun (Brown Hornet) Miles Davis (music)
02. Tout De Suite Miles Davis (music)
03. Petits Machins (Little Stuff) Miles Davis (music)
04. Filles De Kilimanjaro (Girls Of Kilimanjaro) Miles Davis (music)
05. Mademoiselle Mabry (Miss Mabry) Miles Davis (music)

[Links: Miles Davis]
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Miles Ahead: A Miles Davis Website (by Peter Losin)
Miles Davis: Missing Links (by Thomas Westphal)
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ウェイン・ショーターの部屋 (by Y. Yamada)
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[Links: Herbie Hancock]
Herbie Hancock (Official Website)
Herbie Hancock Discography (by Christian Genzel)
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[Links: Chick Corea]
Chick Corea (Official Website)
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[Links: Ron Carter]
Ron Carter (Official Website)
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2007年12月26日

『オスカー・ピーターソンの世界』

The Way I Really Play.jpg

オスカー・ピーターソンの世界』は、彼の大ファンであるというMPSの社長ハンス・ゲオルク・ブルナーシュワーのプライヴェート・スタジオで収録されました。エンジニアでもあるブルナーシュワーがみずから手がけた録音は、異様なまでにクリアで音の粒立ちがくっきりとしていて、まるで眼前でピーターソンがピアノを弾いているかのような錯覚に陥ります。
拍手が聞こえるのは、スタジオにお客を入れて録音されたから。そのことが、さらに臨場感を高めて、音の洪水を全身で浴びる快感があります。あ〜、気持ちいい〜。サイコー!

1曲目〈ワルツィング・イズ・ヒップ〉。これぞピーターソンともいうべき豪華絢爛なピアノが楽しめます。あまりのド派手ぶりに忘れがちになりますが、これ、ワルツなんです。ソロの途中で4拍子になったりしますが、3拍子でここまでノリノリの演奏ができなんて、やっぱりピーターソンはすごい!
ボビー・ダーハムも大活躍で、熱気あふれるドラム・ソロを聴かせます。ライヴなだけに、こりゃ盛り上がるわ。

5曲目〈不思議の国のアリス〉。ビル・エヴァンスやデイヴ・ブルーベックの演奏で有名ですが、こういう愛らしい曲を演らせても、ピーターソンはうまいです。
それにしても、とにかくよく指が動く。録音がよくて、細かな音まで拾ってあるから、余計にそう思うのかもしれませんが、この曲でこれだけ音数を多くして、しかもそれが違和感を生まないというのは奇跡に近いと思います。

全部聴くとお腹いっぱい。大満足のピーターソン盤です。

 

Oscar Peterson "The Way I Really Play"
(MPS 15180)

Oscar Peterson (piano)
Sam Jones (bass)
Bobby Durham (drums)

Produced and Recorded by Hans Georg Brunner-Schwer
Recorded at Hans Georg Brunner-Schwer Studio, Villingen, West Germany; April, 1968

[Tracks] 
01. Waltzing Is Hip Ray Brown, John Wayne (music) 
02. Satin Doll Duke Ellington, Billy Strayhorn (music) / Johnny Mercer (lyrics) 
03. Our Love Is Here To Stay George Gershwin (music) / Ira Gershwin (lyrics) 
04. Sandy's Blues Oscar Peterson (music) 
05. Alice In Wonderland Sammy Fain (music) / Bob Hilliard (lyrics) 
06. Noreen's Noctorne Oscar Peterson (music)

[Links: Oscar Peterson]
Oscar Peterson (Official Site)
Oscar Peterson: A Jazz Sensation (@ Library and Archives Canada)
Oscar Peterson Discography Project (@ Jazz Discography Project)
Jazz Giant : The Oscar Peterson Discography
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[Links: Sam Jones]
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[Links: Bobby Durham]
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オスカー・ピーターソン『プリーズ・リクエスト』

We Get Requests.jpg Oscar Peterson Trio - We Get Requests

訃報です。
カナダが生んだ世界的なスター、オスカー・ピーターソンが去る2007年12月23日、カナダ・トロント郊外のミシソーガの自宅で亡くなりました。死因は腎不全。82歳でした。

オスカー・ピーターソン(Oscar Emmanuel Peterson)は、1925年8月25日、カナダのモントリオールで生まれました。5歳からはじめたというピアノのアイドルは、アート・テイタム。超絶技巧でならしたテイタムに習い、ピーターソンはやがて彼と並び称されるほどのテクニックを身につけていきます。
全米デビューは24歳のとき。1949年、ノーマン・グランツ主催のカーネギーホール・コンサートで名声を獲得。以後、JATP ツアーの常連となり、ヴァーヴ・レーべルに膨大な数の録音を残します。

ピーターソンといえば、88の鍵盤をフルに使ったダイナミックな演奏で知られています。ついたあだ名が「鍵盤の皇帝("Maharajah of the keyboard" by Duke Ellington )」。力強いタッチでグイグイ引っ張る彼のピアノは、まさにゴージャスの一言。圧倒的なドライヴ感に身を委ねれば、気持ちいいことこのうえありません。

プリーズ・リクエスト』は、ピーターソンが黄金期を築いたヴァーヴ時代の最後の1枚です。
ライヴでは、客のリクエストを受けつけたというピーターソン。2度にわたってソングブック・シリーズを吹きこんだ彼のことですから、レパートリーの広さで右に出る者はいません。だからこそ「リクエストOK」なのですが、そんなリクエストのなかから選び抜かれた珠玉のメロディーを、ときに豪華に、ときに愛らしく、ときにパワフルに料理するピーターソンの腕前は、もはや人間国宝級!

ジョビンの名曲〈コルコヴァード〉〈イパネマの娘〉も演ってます。小技をやらせても抜群にうまいピーターソン。鼻歌のように軽やかに歌う彼のピアノに、心がウキウキしてきます。
レイ・ブラウンの弓弾きが印象的な〈ユー・ルック・グッド・トゥ・ミー〉。クラシックの小品を思わせる出だしがなんとも粋です。
アルバムの最後に収められた〈グッバイ J.D.〉は、ノーマン・グランツが去ったあとのヴァーヴで、ピーターソンのアルバムをプロデュースしてきたジム・デイヴィスに捧げた曲。オリジナル曲はあまりやらないピーターソンですが、お別れの言葉だけは自分で言いたかったんですね。でも、辛気くささが微塵も感じられない曲調なのが、ちょっと笑えます。

 

Oscar Peterson "We Get Requests"
(Verve V/V6 8606)

Oscar Peterson (piano)
Ray Brown (bass)
Ed Thigpen (drums)

Produced by Jim Davis
Recorded by Val Valentin, Bob Simpson
Recorded in NYC; October 19 (#1, 5, 7), 20 (#2-4, 6, 8, 9), ?? (#10), 1964

[Tracks] Oscar Peterson Trio - We Get Requests
01. Corcovado [Quiet Nights And Quiet Stars] Antonio Carlos Jobim (music) / Antonio Carlos Jobim (Portugal lyrics), Gene Lees (English lyrics) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - Quiet Nights of Quiet Stars (Corcovado)
02. The Days Of Wine And Roses Henry Mancini (music) / Johnny Mercer (lyrics) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - Days of Wine and Roses
03. My One And Only Love Guy Wood (music) / Robert Mellin (lyrics) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - My One And Only Love
04. People Jule Styne (music) / Bob Merrill (lyrics) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - People
05. Have You Met Miss Jones Richard Rodgers (music) / Lorenz Hart (lyrics) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - Have You Met Miss Jones?
06. You Look Good To Me Clement A. Wells Jr., Seymour Lefco (music) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - You Look Good to Me
07. The Girl From Ipanema Antonio Carlos Jobim (music) / Vinicius de Moraes (Portugal lyrics), Norman Gimbel (English lyrics) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - Girl From Ipanema
08. D & E John Lewis (music) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - D & E
09. Time And Again Stuff Smith (music) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - Time and Again
10. Goodbye J.D. Oscar Peterson (music) Oscar Peterson Trio - We Get Requests - Goodbye J.D.

[Links: Oscar Peterson]
Oscar Peterson (Official Site)
Oscar Peterson: A Jazz Sensation (@ Library and Archives Canada)
Oscar Peterson Discography Project (@ Jazz Discography Project)
Jazz Giant : The Oscar Peterson Discography
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[Links: Ray Brown]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Ed Thigpen]
Ed Thigpen (Official Site)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2007年12月12日

秋吉敏子『ザ・トシコ・トリオ』

The Toshiko Trio.jpg

今日はわれらが日本人の誇り、秋吉(穐吉)敏子さんの78歳の誕生日です。
秋吉さんは、1929年12月12日、中国東北部(当時満州)の遼陽で生まれました。終戦後、引き揚げ船で帰国した彼女は、別府の進駐軍向け「つるみダンスホール」で職を得て、見様見真似でジャズピアニストとしての生活をスタートさせます。
彼女がジャズに開眼したのは、テディ・ウィルソンが奏でる〈スウィート・ロレイン〉のレコードを聴いてから。以下は、自伝『ジャズと生きる』(岩波新書)からの引用です。

このレコードを聞いた瞬間から私の人生は変わった、といってもよいと思う。テディ・ウィルソンがアメリカでも最高のジャズ・ピアニストだということは、当時の私には知る由もなかったが、その端麗なピアノの音、そしてスケールをプレイするその流れは、一つ一つの音が同じサイズの真珠を並べたようで、こんなきれいな音楽がジャズなのか、と息のつまる思いがした。

17歳で福岡へ、18歳で東京へと活躍の場を移した彼女に転機が訪れたのは1953年。JATPツアーで来日していたオスカー・ピーターソンにその才能を見出され、彼の推薦で急遽レコーディングすることになったのです。
録音は当時、有楽町にあったラジオ東京(TBS)で行われました。オスカーのリズム・セクション(ギターのハーブ・エリス、ベースのレイ・ブラウン)にドラマーの J.C. ハードを加えて収録された『アメイジング・トシコ・アキヨシ』(原題は『トシコズ・ピアノ』)は、ノーマン・グランツのノーグラン・レコード(のちのヴァーヴ)から発売されました。

日本人の無名のミュージシャンが全米デビューを果たしたわけです。それだけでも驚きですが、彼女はその後、ボストンのバークリー音楽院への切符も手にします(日本人生徒第1号)。渡米自体が珍しかった当時、奨学金を得てアメリカで学ぶなんて夢のまた夢だったはずですが、彼女は強い意志でそれを実現します。まさにシンデレラ・ストーリー。

推薦盤『ザ・トシコ・トリオ』は、彼女がバークリー時代に残した2枚のストーリーヴィル盤のうちの1枚で、ニューポート・ジャズ・フェスティバルのプロモーター、ジョージ・ウィーンが制作しています(彼女のマネジメントも担当していたそうです)。
いくら日本人が物珍しかった時代とはいえ(彼女はちょっとした有名人で、番地も何もない「トシコ・アキヨシ、ボストン、マサチューセッツ州、USA」という日本からきた手紙が無事に配達されたとこともあったというエピソードが、先の自伝で紹介されています)、ノーマン・グランツにジョージ・ウィーンという大物2人を味方につけた彼女の実力を知るにはもってこいのアルバムです。

李香蘭の〈蘇州の夜〉を取り上げたことで知られていますが(この曲のみソロ演奏)、むしろ聴きものは、彼女の情趣あふれるオリジナルとパウエル・ライクなピアノ奏法にあります。
ポール・チェンバースにエド・シグペンという当代一流のプレーヤーをバックに、堂々たる弾きっぷりを聴かせる彼女に拍手! ハツラツとした演奏のなかに時折見せる繊細な響きは、日本人ならでは。イントロのうまさは特筆ものです。

 

Toshiko Akiyoshi "The Toshiko Trio"
(Storyville STLP 912)

Toshiko Akiyoshi (piano)
Paul Chambers (bass)
Ed Thigpen (drums)

Produced by George Wein
Recorded in NYC; summer 1956

[Tracks]
01. Between Me And Myself Toshiko Akiyoshi (music)
02. It Could Happen To You Jimmy Van Heusen (music) / Johnny Burke (lyrics)
03. 郷愁 (Nostalgia) Toshiko Akiyoshi (music)
04. Homework Toshiko Akiyoshi (music)
05. Manhattan Address Toshiko Akiyoshi (music)
06. Sunday Afternoon Toshiko Akiyoshi (music)
07. Blues For Toshiko Toshiko Akiyoshi (music)
08. 蘇州の夜 仁木他喜雄 (music) / 西條八十 (lyrics)
09. Softly, As In A Morning Sunrise Sigmund Romberg (music) / Oscar Hammerstein II (lyrics)

[Links: Toshiko Akiyoshi]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Paul Chambers]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Ed Thigpen]
Ed Thigpen (Official Site)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2007年12月11日

マッコイ・タイナー『フライ・ウィズ・ザ・ウィンド』

flywiththewind.jpg

今日は肉弾派ピアニスト、マッコイ・タイナーの69歳の誕生日です。
マッコイ・タイナー(本名 Alfred McCoy Tyner)は、1938年12月11日、ペンシルヴァニア州フィラデルフィアで生まれました。

マッコイはもう宿命的にジョン・コルトレーンとの絡みで語られてしまうわけですが、この『フライ・ウィズ・ザ・ウィンド』が録音されたのは1976年。トレーン没後10年を経て、マッコイはとうとう後世に名を残す決定的名盤(迷盤?)を吹きこみます。

なにしろ「風とともに舞え」ですからね。ゴージャスなストリングスをバックにした豪華絢爛の一大絵巻(笑)。音数多すぎ、楽器多すぎの圧倒的なボリューム感。聴いているこっちが気恥ずかしくなってしまうくらいのオーバーアクション。腹を抱えて笑わずにはいられないほどのキメキメな曲調とアレンジ。いやー、ホントに満腹です。

でも、これ、実に壮快なんですよ。気分がスカーッと晴れるというか、嫌なことがあった日なんかにこれを聴くと、頭が真っ白になって、どこへでも好きなところに羽ばたいていける(笑)。この気持ちのよさは、他のアルバムからは絶対感じることができません。
ジャズは演るほうも聴くほうも少なからず頭を使う音楽ですが、肉体派マッコイは違います。実に無邪気で、ノーテンキ。むずかしいことはな〜んもありません。そこがなんともたまりません。

ご存じ、中山康樹さんが『ジャズの名盤入門』(講談社現代新書)で「名盤がヘタッていく過程を知る」と述べていて爆笑しましたが、「風化しつつも数年に一度は聴かずにはおれない抗いがたい魅力がある」との言葉に私も一票!
一見ド派手なのに、実はどこを切っても金太郎飴的なマッコイのノリは、続けて聴いたら確実にダレます。でも、たま〜に聴きたくなるんだよね〜(笑)。このゆる〜い感じが、マッコイのマッコイたるゆえんだと思います。

 

McCoy Tyner "Fly With The Wind"
(Milestone M 9067)

Hubert Laws (flute, alto flute)
Paul Renzi (piccolo, flute)
Raymond Duste (oboe)
McCoy Tyner (piano)
Linda Wood (harp)
Ron Carter (bass)
Billy Cobham (ds)
Guilherme Franco (tambourine) #2

with strings:
Stuart Canin, Peter Schafer, Daniel Kobialko, Edmund Weingart, Frank Foster, Myra Bucky, Mark Volkert (violin)
Selwart Clark, Daniel Yale (viola)
Kermit Moore, Sally Kell (cello)

Arranged by McCoy Tyner
Conducted by William Fischer

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Jim Stern
Recorded at Fantasy Studios, Berkeley, CA; January 19-21, 1976

[Tracks]
01. Fly With The Wind McCoy Tyner (music)
02. Salvadore de Samba McCoy Tyner (music)
03. Beyond The Sun McCoy Tyner (music)
04. You Stepped Out Of A Dream Nacio Herb Brown (music) / Gus Kahn (lyrics)
05. Rolem McCoy Tyner (music)

[Links: Hubert Laws]
Hubert Laws (Official Website)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: McCoy Tyner]
McCoy Tyner (Official Website)
McCoy Tyner Discography Project (@ Jazz Discography Project)
Journey of The Soul: The McCoy Tyner Discography
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Ron Carter]
Ron Carter (Official Webiste)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Billy Cobham]
Billy Cobham (Official Website)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Guilherme Franco]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2007年12月06日

ローランド・カーク『カーク・イン・コペンハーゲン』

kirkincopenhagen.jpg Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live

ローランド・カークの音楽には聴く者の心をわしづかみにして離さない強烈な地場があって、1曲聴くと次から次へと彼のアルバムを聴かずにはいられなくなります。何が飛び出すかわからない、何でもありのおもちゃ箱。
一度ラサーンの魅力にとり憑かれると、たいへんです。過激な言葉で聴衆を惑わすアジテーター、手がつけられない暴れん坊、その場にいる人を退屈させないエンタテナー、身体中に楽器をぶらさげた異様な見てくれ、超絶技巧をこれでもかと見せつけるテクニシャン、ブラック・ミュージックの歴史を体現した生き字引、全部いっしょくたにしたのがラサーンです。
ラサーニアンはそのすべてを受け止め、彼の肉声に共鳴し、そして不覚にも涙します(笑)。病みつきなんてナマやさしい表現ではたりません。それなしでは生きていられなくなるのが、ラサーンの音楽です。

カーク・イン・コペンハーゲン』は、デンマークの首都コペンハーゲンの有名なクラブ・モンマルトルにおける実況録音盤です。しゃべりも含めてラサーンを堪能するなら、ライヴにまさるものはない。それが実感できるアルバムです。
しかも、共演のピアノはスペインの至宝テテ・モントリューという、うれしいおまけつき。ふたりとも目が見えませんが、そんなことは微塵も感じさせない芸達者ぶりを見せつけます。

1963年の秋から冬にかけて、ラサーンはヨーロッパ各地をツアーでめぐります。ロンドンのロニー・スコッツでの1か月ロングラン公演にはじまり、デンマーク、スウェーデン、フランス、イタリア、ドイツ、オランダ、ベルギーへと続く旅。行く先々でラサーンは熱狂的に受け入れられ、クラブの入場記録を塗り替えるなど、連日大入り満員の大盛況だったといいます。
そのウワサを聞きつけたクインシー・ジョーンズ(当時マーキュリー・レコードのプロデューサーをしていました)が、急遽ライブ・レコーディングを企画し、実現したのがこのアルバムです。

1曲目〈ナロウ・ボレロ〉は、ラサーンがラヴェルの〈ボレロ〉にインスパイアされて書いた曲。ラサーンの3管同時吹奏の妙技が楽しめます。

2曲目〈ミンガス=グリフ・ソング〉はもちろん、かつてのボス、チャールズ・ミンガスと「グリフ」ことジョニー・グリフィンに捧げられた曲です。途中、ラサーンの十八番、息継ぎなしのロングソロが炸裂します。循環奏法といって、口から息を吐くと同時に鼻から吸う(本人は「耳から」吸っていると言い張っていました)のですが、どうやるのかは門外漢の私には想像もつきません。

続く〈ザ・モンキー・シング〉では雰囲気がぐっと変わって、こってりモードの濃厚なブルースが楽しめます。しゃべりながらフルートを吹く(息が漏れるのではなく、実際に言葉を発している)のもラサーンのトレードマークのひとつです。シカゴ・ブルースの重鎮サニー・ボーイ(ハーモニカ)が飛び入りで参加しています。

6曲目〈キングとスコット通りの角にて〉とあるのは、ロンドンで出会ったばかりのロニー・スコットとピート・キングのことです。

もともとは1枚のLPですが、日本ではかつて、LP未収録曲をあわせてライブの演奏順におさめた完全版CDが2枚に分けて発売されました(2枚組じゃなくて2枚別売り!)。今では入手が困難かもしれませんが、いちおうリンクを貼っておきます。

  

Roland Kirk "Kirk In Copenhagen"
(Mercury MG 20894 / SR 60894)

Roland Kirk (tenor sax, stritch, manzello, flute, siren)
Tete Montoliu (piano)
Niels Henning Orsted Pedersen or Don Moore (bass)
J.C. Moses (drums)
Sonny Boy Williamson II [as Big Skol] (harmonica) #3

Produced by Quincy Jones
Recorded by Birger Svan Mertonome
Recorded live at the Club Monmartre, Copenhagen; October, 1963

[Tracks] Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live
01. Narrow Bolero Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live - Narrow Bolero
02. Mingus - Grif Song Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live - Mingus-Griff Song
03. The Monkey Thing Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live - The Monkey Thing
04. Mood Indigo Duke Ellington, Barney Bigard, Irving Mills (music and lyrics) Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live - Mood Indigo
05. Cabin In The Sky Vernon Duke (music) / John Latouche (lyrics) Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live - Cabin In The Sky
06. On The Corner Of KIng And Scott Streets Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - Kirk in Copenhagen - Live - On The Corner Of King And Scott Streets

[Links: Roland Kirk]
Periodicals > 林建紀 (『ローランド・カーク伝』訳者のラサーン研究@read NKYM!)
Nagata's Jazz Page (by 永田昌俊)
the Rahsaan Roland Kirk website
Roland Kirk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Tete Montoliu]
Tete Montoliu (@ Nelson's Navigator for Modern Jazz)
Tete Montoliu Discography (by Agustin Perez)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Niels Henning Orsted Pedersen]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Don Moore]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: J.C. Moses]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Sonny Boy Williamson]
Sonny Boy's Lonesome Cabin
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2007年12月05日

ローランド・カーク『ウィ・フリー・キングス』

wefreekings.jpg Roland Kirk Quartet - We Free Kings

ケニー・ドーハムがこの世を去ってから5年後の1977年12月5日の正午、ラサーンことローランド・カークは遠征先のインディアナ州ブルーミントンで倒れ、そのまま帰らぬ人となりました(享年41歳)。今日は、彼の没後30周年の記念日です。

さかのぼること2年前、脳卒中に襲われたラサーンは、その影響で右半身が麻痺して片手がまったく使えない状態に陥ります。しかし、そんなことでへこたれるラサーンではありません。リハビリを重ね、楽器をカスタマイズして、片手だけで〈ジャイアント・ステップス〉を吹きこなすまでに回復したのです。
ラサーンのトレードマークだった3管同時吹奏はこのとき、彼に光をもたらしました。3つの楽器を同時に操るために、ラサーンはもともと、ほとんどの楽器を片手だけで演奏できるようになっていました。
さらに、目が見えないハンディをハンディととらえず、障害者に見られることを極度に嫌ったラサーンにとって、半身麻痺はぜがひでも乗り越えなければならない対象でした。これまで以上に困難な状況が彼の闘争本能に火をつけ、不屈の闘志でそれを乗り越える。

復活したラサーンを、人々は尊敬と畏怖の念をもって迎えます。もはや彼は生ける伝説。奇跡を目の当たりにした人たちは、そのスピリチュアルな体験を一生の宝物として記憶のなかに刻み込みます。

亡くなる前夜、ラサーンはインディアナ大学の学生たちを前に、最後の公演を行っています。演奏の合間、彼はいつものように聴衆に語りかけ、そのなかでこんなことをいったそうです(ジョン・クルース著『ローランド・カーク伝』より。訳は林建紀さん)。

「12時に誰かが逝かなければならないが、取って代わるために他の誰かが生まれてくる」
「私たちの中には12時に逝かなければならない者もいれば、生き続けなければならない者もいる」

どちらも聞き書きなので正確な文言はわかりませんが、その言葉どおり、ラサーンが翌日の12時に亡くなったことを思うとき、彼のもつ異様なパワーが理屈をこえた世界を一瞬だけ垣間見させてくれたのではないか、そんなことを思います。

今日の推薦盤『ウィ・フリー・キングス』は、ラサーンがまだ若かりし頃の作品で、彼の名を一躍有名にした傑作です。
知らない人のために念のために言っておくと、リズムセクション以外の楽器はすべてラサーンが「ひとりで」「同時に」吹いています。メンバーに記載漏れがあるわけではなく、多重録音で後から音をかぶせたわけでもありません。ひとつの演奏でいろいろな楽器が登場しますが、それもすべて一人でこなしています。音が重なって聴こえるのは、同時に吹いているからです。
彼の異様さ、おかしさ、そして天才ぶりを言葉で伝えるのはむずかしい。ぜひ自分の耳で確かめてください。

ちなみに、表題曲〈We Free Kings〉はクリスマス・キャロル〈We Three Kings of Orient Are(邦題:われらはきたりぬ)〉のもじりです。原曲のMIDI音源と聴き比べてみるもの一興かと。

 

Roland Kirk "We Free Kings"
(Mercury MG 20679 / SR 60679)

Roland Kirk (tenor sax, stritch, manzello, flute, siren)
Hank Jones (piano) #1, 2, 6, 7, 8
Richard Wyands (piano) #3, 4, 5, 9
Wendell Marshall (bass) #1, 2, 6, 7, 8
Art Davis (bass) #3, 4, 5, 9
Charlie Persip (drums)

Produced by Jack Tracy
Recorded by Tommy Nola
Recorded at Nola Penthouse Studios, NYC; August 16 (#3, 4, 5, 9), 17 (#1, 2, 6, 7, 8), 1961

[Tracks] Roland Kirk Quartet - We Free Kings
01. Three For The Festival Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - Three for the Festival
02. Moon Song Arthur Johnston (music) / Sam Coslow (lyrics) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - Moon Song
03. A Sack Full Of Soul Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - A Sack Full of Soul
04. The Haunted Melody Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - The Haunted Melody
05. Blues For Alice Charlie Parker (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - Blues for Alice
06. We Free Kings Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - We Free Kings
07. You Did It, You Did It Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - You Did It, You Did It
08. Some Kind Of Love Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - Some Kind of Love
09. My Delight Roland Kirk (music) Roland Kirk Quartet - We Free Kings - My Delight

[Links: Roland Kirk]
Periodicals > 林建紀 (『ローランド・カーク伝』訳者のラサーン研究@read NKYM!)
Nagata's Jazz Page (by 永田昌俊)
the Rahsaan Roland Kirk website
Roland Kirk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Hank Jones]
The Official Website of Hank Jones
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Richard Wyands]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Wendell Marshall]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Art Davis]
Dr. Art Davis, Bassist (Official Website)
Art Davis Discography (by Michael Fitzgerald)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Charlie Persip]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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ケニー・ドーハム『トランペット・トッカータ』

trompetatoccata.jpg Kenny Dorham - Trompeta Toccata

今日はトランペット奏者ケニー・ドーハムの命日です。ケニー・ドーハム(McKinley Howard Dorham)は1924年8月30日、テキサス州フェアフィールド生まれ。1972年12月5日、ニューヨーク州ニューヨークで腎臓病のために亡くなりました。享年48歳。

1940年代半ばから頭角を現したケニーは、ディジー・ガレスピーより9歳年下で、マイルス・デイヴィスより2歳年上、クリフォード・ブラウンとは6歳もの年の差がありました。
この年齢差が、実はケニーの立ち位置のむずかしさを表しているのではないでしょうか。つまり、生粋のビバッパーというには若すぎ、かといって年下のマイルスやブラウニーの影響は受けにくいというか受けたくない。

ケニーが一番輝いていたのは、炎のように燃え盛る『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol. 1』『<同 Vol. 2』(記事はこちら)や、ガレスピーばりのラテンの情熱を聴かせる『アフロ・キューバン』(記事はこちら)を吹きこんだ1955年(御年31歳)あたりだと思いますが、そこから徐々に路線変更を重ねて、ポクポクという木魚のような語り口が主体になっていきます。

もともとお世辞にも音色が美しいとはいえないケニーのことですから、ブラウニー直系のブリリアントなトランぺッター全盛の時代にあって、力を抜いた渋めの演奏に活路を見出したともいえそうですが、それが「クール」にならずに「枯れた味わい」になってしまうところが、いかにも彼らしい。やっぱりブラウニーにもマイルスにもなれないわけです。

ある意味かわいそうなケニーですが、ジャズの神様は彼を見捨てませんでした。40代を目前にした彼は、13歳年下のテナーマン、ジョー・ヘンダーソンと出会います。ジョーヘンという新たな才能を得て、ケニーはふたたび往時の勢いを取り戻します。
彼らのコラボレーションは、63年録音の『ウナ・マス』を皮切りに、ジョーヘン名義の『ページ・ワン』(ケニーの傑作オリジナル〈ブルー・ボッサ〉が入っています)、『アワ・シング』、『イン・ン・アウト』と続き、今回とりあげた『トランペット・トッカータ』で幕を降ろします。

このアルバムは、正式録音としてはケニーの最後のリーダー作です。この録音の直後、ジョーヘンがホレス・シルヴァーのグループに移籍したことで、彼らの蜜月は終わりを迎えます。ケニーが咲かせた最後の花は、相方を失ったことで散る運命にありました。
表題曲〈トランペット・トッカータ〉の出来がすばらしいだけに、実にもったいない。うちに秘めた炎がときおり顔を出すケニーのソロが絶品です。しかも、曲調は哀愁のラテン(笑)。大好きです。

 

Kenny Dorham "Trompeta Toccata"
(Blue Note BLP 4181 / BST 84181)

Kenny Dorham (trumpet)
Joe Henderson (tenor sax)
Tommy Flanagan (piano)
Richard Davis (bass)
Albert "Tootie" Heath (drums)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ; September 14, 1964

[Tracks] Kenny Dorham - Trompeta Toccata
01. Trompeta Toccata Kenny Dorham (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - Trompeta Toccata
02. Night Watch Kenny Dorham (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - Night Watch
03. Mamacita Joe Henderson (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - Mamacita
04. The Fox Kenny Dorham (music) Kenny Dorham - Trompeta Toccata - The Fox

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Joe Henderson]
Joe Henderson Discography (by Jeffrey Lovell)
Joe Henderson Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Tommy Flanagan]
Tommy Flanagan Discography (by トミー・フラナガン愛好会)
Tommy Flanagan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Richard Davis]
The Richard Davis Homepage (Official Website)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Albert "Tootie" Heath]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2007年12月04日

『ジム・ホール・イン・ベルリン』

jimhallinberlin.jpg

更新をサボること約半年、今日からひそかに再開します。

今日はギタリスト、ジム・ホールの77回目の誕生日です。
ジム・ホール(本名 James Stanley Hall)は1930年12月4日、ニューヨーク州バッファローで生まれました。育ちはオハイオ州クリーブランド。ジャズ・ギタリストとしてのスタートは、55年に西海岸へ移住してチコ・ハミルトンのクインテットに参加してからです(この時代の代表作は『チコ・ハミルトン・クインテット(別名ブルー・サンズ)』)。
その後、ジミー・ジュフリーの変則トリオ(『ジミー・ジュフリー3』)を経てニューヨークへ進出、ソニー・ロリンズ(『』)、ポール・デスモンド(『テイク・テン』。このアルバムの記事はこちら)、アート・ファーマー(『スウェーデンに愛をこめて』。記事はこちら)らのグループに参加します。

こうして並べてみると、全部ピアノレスの変則コンボなんですね。ジム・ホールがいればピアノはいらない。それは、これらのアルバムを聴けばわかります。そこに彼がいるだけで、オブラートに包まれたかのように音楽が丸くなる不思議な名脇役。実に得がたい存在です。

1969年録音の『ジム・ホール・イン・ベルリン』は、9年ぶりに発表された彼のリーダー作です。10年近くリーダー作がなかったのも驚きですが、発売元がアメリカのレコード会社ではなくドイツのMPSだったというのも、当時のジムがおかれた状況を連想させますね。彼の繊細な音楽性は、60年代後半のハードなジャズとは相容れないものがありますから。

このアルバムのプロデューサーを務めたドイツのジャズ評論家ヨアヒム・ベーレントは、ジムの久々のリーダー作を収録するにあたって、ギター・トリオというミニマムなフォーマットを選択します。これ、大正解です。
ホーン奏者を入れてしまうと、ギターはどうしても脇役になってしまうし、かといって、ピアノといっしょではジムの微妙なコードワークにスポットが当たりにくい。うん、やっぱりギター・トリオで正解だ。

アルバムは、アップテンポな〈アップ・アップ・アンド・アウェイ〉で幕を開けます。ソニー・クリスの熱い演奏(アルバム『アップ・アップ・アンド・アウェイ』に収録)で知られるこの曲を、ジムは、ノリは生かしながらも知的に奏でます。よく聴くとかなり手の込んだことをやっているようですが、それが嫌みにならないところはさすがです。

続いて、名曲〈マイ・ファニー・ヴァレンタイン〉。ふだんはしっとりと演奏されるこの曲を、急速調で料理して周囲を驚かせたのは他ならぬジムですが(ビル・エヴァンスとの共演盤『アンダーカレント』に収録。記事はこちら)、ここでもかなり早いペースで妙技をくり出しています。
そういえば、最後に入っている自作曲〈ロメイン〉も『アンダーカレント』に入っていましたね。これ、ひょっとしてベーレントのリクエストかな?

 

"It's Nice To Be With You: Jim Hall In Berlin"
(SABA/MPS 15245)

Jim Hall (guitar)
Jimmy Woode (bass)
Daniel Humair (drums)

Produced by Joachim E. Berendt
Recorded by Eberhard Sengspiel
Recorded at Teldec Studio, Berlin; Jun 27, 28, 1969

[Tracks]
01. Up, Up And Away Jim Webb (music and lyrics)
02. My Funny Valentine Richard Rodgers (music) / Lorenz Hart (lyrics)
03. Young One, For Debra Jim Hall (music)
04. Blue JoeJim Hall (music)
05. It's Nice To Be With You Jane Herbert (music)
06. In A Sentimental Mood Duke Ellington (music) / Manny Kurtz, Irving Mills (lyrics)
07. Body And Soul Johnny Green (music) / Edward Heyman, Robert Sauer, Frank Eyton (lyrics)
08. Romaine Jim Hall (music)

[Links: Jim Hall]
Jim Hall (Official Website)
Jim Hall Maniacs (by 益満妙 エキマンタエ)
ジム・ホール アルバム蒐集 (by kawagu)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Jimmy Woode]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Daniel Humair]
Daniel Humair (Official Website)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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