2007年03月07日

『キャノンボール・アダレイ・クインテット・アット・ザ・ライトハウス』

cannonball_atthelighthouse.jpg The Cannonball Adderley Quintet - At the Lighthouse

西海岸に居を構えたヴィクター・フェルドマンは、クラシック界に転出したアンドレ・プレヴィンの後釜として、ウェスト・コースト派の重鎮シェリー・マンのグループに加わり(59年録音の『アット・ザ・ブラック・ホーク』シリーズで聴けます)、60年の秋ごろから、ファンキー・ブームの牽引役、キャノンボールとナットの兄弟グループに参加します。

キャノンボール・アダレイ・クインテット・アット・ザ・ライトハウス』は、彼らがハーモサ・ビーチの有名クラブライトハウスに長期出演したときのライヴです(録音は1960年10月16日)。クインテットに加わったばかりのフェルドマンは、ピアノ一本で勝負しています。これが奏功して、彼のピアノを楽しむにはもってこいの作品になっています。

コテコテのファンキー節が炸裂する〈サック・オー・ウォー〉。後々までバンドのレパートリーとなったキャノンボール自作のこの曲の初出は、弟ナット名義の『ワーク・ソング』でした。

さて、黒人特有のムンムン感あふれるこの曲を、バリバリの英国人フェルドマンが弾くとどうなるか。意外や意外、けっこうイケてるんですね。バンドの初代ピアニスト、ボビー・ティモンズのまとわりつくような粘りは望むべくもありませんが、たたみかけるようなトレモロ(?)の連打で、親分キャノンボールの轟音にも負けちゃいません。

そういえば、キャノンボールの人気が爆発した60年代、9年もの長きにわたってバンドを支えたのは、オーストリア出身のジョー・ザウィヌルだったわけで(この話は後日、ザウィヌル特集でやります)、ファンキーだけではないキャノンボールの器の大きさを感じます。

あるいは、フェルドマンのオリジナル〈アズール・セラペ〉(英訳すると「Blue Shawl」。青いショールという意味だそうです)。実にいい曲です。ジャララララ、ラーラーンと響き渡るピアノのなんと心地よいことか。思わず「イエ〜イ」のかけ声も漏れようというものです。最後にホーン陣が加わって徐々に盛り上がり、仕上げのベースソロが終わったあとの、キャノンボールの「アッハーン」というため息もどこか満足げです。

ジミー・ヒースの〈ビッグ・P〉は兄のパーシー・ヒースに捧げた曲。フランク・ロソリーノの〈ブルー・ダニエル〉なんて、かわいいワルツも演ってますねえ。

フェルドマンのジャズ界におけるキャリアを考えたとき、人気バンド、キャノンボール・アダレイ・クインテットへの参加は、エポック・メイキングな出来事だと思うのですが、最終的に、彼は西海岸でのスタジオ・ワークを選択して、グループを去ります(61年の夏ごろ)。クラブめぐりは、やはり儲からないということなのでしょう。63年に『セヴン・ステップス・トゥ・セヴン』を録音したときも、ジャズ界一ギャラが高かったはずのマイルスの誘いを断ったくらいですから、スタジオ通いとの収入格差は歴然としたものがあったんだろうと思います。



"The Cannonball Adderley Quintet At The Lighthouse"
(Riverside RLP 344/9344)

Nat Adderley (cornet)
Cannonball Adderley (alto sax)
Victor Feldman (piano)
Sam Jones (bass)
Louis Hayes (drums)

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Wally Heider
Recorded live at the Lighthouse, Hermosa Beach, CA; October 16, 1960

[Tracks] The Cannonball Adderley Quintet - At the Lighthouse
01. Sack O' Woe Julian "Cannonball" Adderley (music)
02. Big "P" Jimmy Heath (music)
03. Blue Daniel Frank Rosolino (music)
04. Azule Serape Victor Feldman (music)
05. Exodus Victor Feldman (music)
06. What Is This Thing Called Love Cole Porter (music and lyrics)
07. Our Delight Tadd Dameron (music)

[Links: Cannonball Adderley]
The Cannonball Adderley Rendez-vous (by Gilles Miton)
Cannonball Adderley Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Victor Feldman]
Victor Feldman Discography (@ British Modern Jazz)

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2007年03月05日

『ヴィクター・フェルドマン・オン・ヴァイブス』

feldman_onvibes.jpg Vic Feldman - Vic Feldman On Vibes

ピアノとヴァイブの二刀流というと、エディ・コスタやウェスの弟バディ・モンゴメリーが有名ですが、いずれもヴァイブの決定打と呼べるアルバムは思いつきません。二兎を追う者は一兎も得ずともいいますが、どうしても器用貧乏のイメージが先行して、これ一本にかける凄みが伝わってこない。

でも、よくよく考えてみると、ホーン奏者では、アルトとフルート(ドルフィーやシャンク、グライスなど)、テナーとソプラノ(コルトレーンやショーター、ズートなど)をはじめ、持ち替え組が大勢いるわけで、なかにはラサーン・ローランド・カークのように、複数の楽器をあやつること自体が個性となっている人もいます。

だから、彼らにヴァイブの決定打がないのは、彼ら自身の問題というよりも、ヴァイブという楽器に固有の問題じゃないかと疑っているわけです(その証拠に、コスタには、その強烈なピアノをあますところなく伝える傑作『ハウス・オブ・ブルー・ライツ』があります)。

ヴァイブ(ヴィブラフォン)というのは鉄琴の一種で、鍵盤の下にそれぞれ長さの異なる共鳴管がついています。この共鳴管がふるえる(ヴィブラート)ことで、この楽器特有の余韻が伝わるわけです。共鳴管の上部にはふたの役目をする電動のファンが回っていて、ペダル操作でこのふたを開け閉めすることによって残響を調節します。マレット(ばち)の硬さや大きさによっても、音色が違ってくるそうです。

MJQ のミルト・ジャクソンはソフトで大きめのマレットを使い、共鳴管をよくふるわせることで、あの「丸み」を表現しました。一方、4本マレットのパイオニア、ゲイリー・バートンはほとんどヴィブラートを効かせず、硬質でメタリックな音を出します。この2人に、ジャズ・ヴァイブの生みの親ライオネル・ハンプトンを加えれば、ほとんどこの楽器の歴史はおしまいです。それだけ、個性を発揮しにくい楽器なんじゃないかと思います。

モード盤『ヴィクター・フェルドマン・オン・ヴァイブス』は、表題どおり、フェルドマンがヴァイブに専念したアルバムです。ヴァイブ入りのカルテットを基本に、2曲のみ、トロンボーンのフランク・ロソリーノとブラウン&ローチ・クインテットでおなじみのテナー奏者、ハロルド・ランドが加わります。

しかし、どうなんでしょう、このアルバム。演奏は悪くない。ピアノのカール・パーキンスも嫌いじゃないし、才人フェルドマンですから、下手なわけはない。でも、どこか食い足りないんです。

1曲あたり3分程度という演奏時間の短さも関係しているとは思いますが、全体にあっさりしすぎて印象に残りません。ヘッドフォンで意識を集中して聴いているつもりでも、いつのまにか BGM になってしまう、そんな感じです。

ジャケットのおじさんは氷で冷やしたシャンパンを持っています。さらによく見ると、下のほうに「champagne music for cats who don't drink」の文字が。「飲まない奴らにシャンパン音楽を」くらいの意味でしょうが、「シャンパン音楽」とは恐れ入りました。

その昔、ミシェル・プラティニ(現・欧州サッカー連盟会長)率いる華麗な仏サッカーを称して「シャンパン・サッカー」といいましたが、そうですか、「シャンパン音楽」ですか。そりゃ、彼らにヘヴィなサウンドを求めるほうが間違ってる(笑)。

というわけで、最後まで聴き通すのはいささか骨が折れるのですが、実は、いちばん最後にお楽しみが待っています。シャンパンならぬハード・リキュールのコクが味わえる2管入りの〈イヴニング・イン・パリ〉。これって、もろハードバップじゃないですか。しかも、かなり上質の。

たとえばベニー・ゴルソンあたりが作曲しそうなウェスト・コースト派らしからぬカッコよさです。欲をいえば、もっと沈みこむ感じがほしいところですが、西海岸の陽気でここまでハードに迫れればよしとすべきでしょう。英国紳士(笑)フェルドマン、侮りがたし。

 

"Vic Feldman On Vibes"
(Mode LP 120)

Frank Rosolino (trombone)
Harold Land (tenor sax)
Victor Feldman (vibes)
Carl Perkins (piano)
Leroy Vinnegar (bass)
Stan Levey (drums)

Produced by Red Clyde
Recorded by Bones Howe
Recorded at Radio Recorders, Hollywood, CA; September 1957

[Tracks] Vic Feldman - Vic Feldman On Vibes
01. Fidelius Victor Feldman (music)
02. Just Squeeze Me Duke Ellington (music) / Lee Gaines (lyrics)
03. Sweet And Lovely Gus Arnheim, Harry Tobias, Jules Lemare (music and lyrics)
04. Bass Reflex Victor Feldman (music)
05. Chart Of My Heart Bobby Newman (music)
06. Wilbert's Tune Victor Feldman (music)
07. Evening In Paris Victor Feldman (music)

[Links: Frank Rosolino]
Frank Rosolino (by Eugene E. Grissom)
Frank Rosolino (@ Jazz Masters)
Frank Rosolino Discography (by Rob Mesite)
[Links: Victor Feldman]
Victor Feldman Discography (@ British Modern Jazz)
[Links: Carl Perkins]
The Carl Perkins Discography (by Noal Cohen)
[Links: Stan Levey]
Stan Levey "The Original Original" DVD

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『ジ・アライヴァル・オブ・ヴィクター・フェルドマン』

feldman_thearrival.jpg

マイルスに楽曲を持ち逃げされた(笑)ヴィクター・フェルドマン。
本名、Victor Stanley Feldman。
1934年4月7日、ロンドン北郊エッジウェア生まれのイギリス人。
1987年5月12日、カリフォルニア州ロサンジェルスで死去。

ジャズ界にはいわゆる「早熟の天才」がゴロゴロいますが、彼の怪童ぶりは、なかでも1、2を争うのではないでしょうか。プロとしてのキャリアを歩みはじめたのは弱冠7歳! 10歳のときにはグレン・ミラーのバンドのドラマーに抜擢されます。

初リーダー作を吹きこんだのは14歳のとき。このときはまだドラマーに専念していますが、その後数年でヴァイブとピアノの腕も磨いたフェルドマンは、50年代半ばからウディ・ハーマン・ハードに参加。57年にアメリカに移住して、カリフォルニアを拠点に主にスタジオ・ミュージシャンとして多忙な日々を送ります。

ジ・アライヴァル・オブ・ビクター・フェルドマン』は、アメリカ西海岸に「漂着(笑)」したフェルドマンが コンテンポラリー・レーベルに残したアルバムで、ウェスト・コースト時代のスコット・ラファロの参加がうれしい。というか、ラファロ聴きたさに買い求める人が多いのでは?

ラファロというと、エヴァンスとのインタープレイがあまりにも有名ですが、クリアなのにぶっとい低音をブイブイいわせる4ビートのラファロもまた、すばらしい。ほとんどカヴァーされることはない、マイルスの〈サーペンツ・ティース(ヘビの毒牙)〉(『コレクターズ・アイテムズ』に収録)から、私の耳はラファロのウォーキング・ベースに釘付けです。

フェルドマンのヴァイブは、残響があまりなくキレで勝負するタイプ。ドラマー出身なだけあって、リズミカルに手がよく動きます。〈フラミンゴ〉などのゆったりとしたスタンダードも演っていますが、ミルト・ジャクソンの「後を引く」音色に慣れていると、少し物足りなさを感じるかもしれません。

ヴァイブなら、ガレスピーの〈ビバップ〉のほうがおもしろい。ややキワモノ的な感じもしますが、このスピードは尋常じゃありません。というか、無理でしょ、ふつう。どうやっているのかわかりませんが、演奏を聴くかぎり、完全な千手観音状態です(笑)。しかし、このスピードで前のめりになるラファロっていったい、、、

フェルドマンのピアノを楽しむなら、ショパンの〈ワルツ〉をアレンジした典雅な2曲目か(ただし、途中でヴァイブに持ちかえます)、3曲目のオリジナル〈チェイシング・シャドウズ〉。意外にハード・ボイルドな面をのぞかせます。

 

"The Arrival Of Victor Feldman"
(Contemporary C 3549 / S 7549)

Victor Feldman (vibraharp, piano)
Scott LaFaro (bass)
Stan Levey (drums)

Produced by Lester Koenig
Recorded by Roy DuNann, Howard Hozler
Recorded at Contemporary's studio, LA; January 21, 22, 1958

[Tracks]
01. Serpent's Tooth Miles Davis (music)
02. Waltz Frederic Chopin (music)
03. Chasing Shadows Victor Feldman (music)
04. Flamingo Ted Grouya (music) / Edmund Anderson (lyrics)
05. S'posin' Paul Denniker (music) / Andy Razaf (lyrics)
06. Be-Bop Dizzy Gillespie (music)
07. There Is No Greater Love Isham Jones (music) / Marty Symes (lyrics)
08. Too Blue Victor Feldman (music)
09. Minor Lament Victor Feldman (music)
10. Satin Doll Duke Ellington, Billy Strayhorn (music) / Johnny Mercer (lyrics)

[Links: Victor Feldman]
Victor Feldman Discography (@ British Modern Jazz)
[Links: Scott LaFaro]
Scott LaFaro: Beacon for Jazz Bassists (by Charles A. Ralston)
Scott LaFaro Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Stan Levey]
Stan Levey "The Original Original" DVD

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2007年03月01日

マイルス・デイヴィス『セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン』

miles_sevenstepstoheaven.jpg

1962年の12月、その年のツアーの終了をもって、マイルスのレギュラー・バンドは解散します。当時のメンバーは、J.J. ジョンソン、ジミー・ヒース、ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、ジミー・コブ。リズム・セクションの3人がそのままトリオを結成し、『ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオ』で目の覚めるような快演を残したことは、前回触れました。

一方、残されたマイルスは、新たな人選に取りかかります。まず、トレーンの推薦でテナーのジョージ・コールマンが決まります。そのコールマンが連れてきたのが、同じメンフィス出身のアルトのフランク・ストロージャーとピアノのハロルド・メイバーン。ベースは、マイルス本人がアート・ファーマーのところからロン・カーターを引き抜きます。

残るはドラマー。マイルスの意中の人は出会ったばかりの神童(当時なんと17歳!)トニー・ウィリアムスでしたが、ジャッキー・マクリーンとの仕事が残っているということで、西海岸へのツアーでは、一時的にフランク・バトラーを雇います。

サンフランシスコのブラック・ホークでのパフォーマンスに満足できなかったマイルスは、ストロージャーとメイバーンをあっさり解雇、ピアノにイギリス出身のヴィクター・フェルドマンを迎えて、そのままレコーディングにのぞみます。それが『セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン』の半分(#1, 3, 5)、いわゆる LA セッション(1963年4月16日、17日録音)で、残りの半分(#2, 4, 6)はニューヨークに戻ってからメンバーもかえて録音されます(同年5月14日録音)。

なんでそんなことになったのかといえば、理由はかんたん、マイルスが LA セッションの出来に満足していなかったから。ニューヨークに戻れば待望のトニーが待っていたし、新たに才能あふれるピアニスト、ハービー・ハンコックを手に入れたマイルスは、なにかものすごいことが起こりそうな予感にうち震えます。

それはマイルスが久しく忘れていた感覚でした。エヴァンス、トレーン、キャノンボールが相次いで独立して以来、数年におよんだ停滞期は終わり、この作品からマイルスはふたたびシーンの最前線に躍り出ます。

というわけで、ここでの聴きものは、ハービー、ロン、トニーがはじめてそろい踏みしたNY セッションの3曲。とくに〈セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン〉と〈ジョシュア〉は、これからはじまる怒濤のライヴ・パフォーマンス時代の重要なレパートリーとなった曲ですから、聴き逃せません。

ところが、この2曲、作曲者名のクレジットを見ると、どちらもヴィクター・フェルドマンの名前が出てきます。LA に置いてきたはずのフェルドマンがなぜここに?

実は、上記の3曲は、フェルドマンが参加した LA セッションでも演奏されていたのです。ところが、その出来に飽き足らなかったマイルスは、ニューヨークに戻ってから、新しいメンバーでまったく同じ曲を録り直した。そして、非情にも、作曲者本人の演奏をボツにしたわけです。う〜ん、マイルスって人は、ほんとうに怖い(笑)。

でもまあ、フェルドマン(とバトラー)には悪いけれど、ハ―ビーとトニーでは、役者が違いすぎます。これは比べるまでもない。マイルスの下した結論のあまりの「正しさ」に、私ら凡人は、ただもうひれ伏すしかありません。

追記:
ジャズ批評ブックス『定本ハービー・ハンコック』には、ハービーがマイルス・バンドに誘われたいきさつを語ったインタビューが載っています(訳は高木宏真さん)。

ニューヨークのミュージシャン連中が「マイルスがニュー・バンドの為にキミを探してるよ」って言うけれど、信じられなかった。で、トニーまでが「マイルスがキミにTELするよ」。「ウソだい!」と言ったんだが、本当にTELして来たんだ。(中略)マイルスは「明日来い」っていって電話を切ったんだけど、住所を聞いてなかったんだよ(笑)。結局、トニーに聞いて行ったんだけどね。(中略)ジョージ・コールマン、ロン・カーター、トニー・ウィリアムズ。マイルスは(2階に)上ったっきり降りて来なかった。次の日、またマイルスの家に行くと、ギル、フィリー・ジョーがいて、聴いていた。マイルスは降りて来て、2、3ノート吹いたら、また2階に上がっていっちまった。3日目、いくつかの新旧の曲をやってると、マイルスが降りてきて、「明日レコードを作る」って言うんだ。ショックだったね。この3日間、実はオーディションされていたんだ。


 

Miles Davis "Seven Steps To Heaven"
(Columbia CL 2051 / CS 8851)

Miles Davis (trumpet)
George Coleman (tenor sax) #2, 4, 6
Victor Feldman (piano) #1, 3, 5
Herbie Hancock (piano) #2, 4, 6
Ron Carter (bass)
Frank Butler (drums) #1, 3, 5
Tony Williams (drums) #2, 4, 6

Produced by Teo Macero
Recorded at Columbia Studio, Hollywood, CA; April 16 (#3, 5), 17 (#1), 1963
Recorded at Columbia 30th Street Studio, NYC; May 14 (#2, 4, 6), 1963

[Tracks]
01. Basin Street Blues Spencer Williams (music and lyrics)
02. Seven Steps to Heaven Victor Feldman, Miles Davis (music)
03. I Fall in Love Too Easily Jule Styne (music) / Sammy Cahn (lyrics)
04. So Near, So Far Tony Combie, Benny Green (music)
05. Baby, Won't You Please Come Home Clarence Williams (music) / Charles Warfield (lyrics)
06. Joshua Victor Feldman (music)

[Links: Miles Davis]
The Official Miles Davis Web Site
The Official Miles Davis Web Site (@ Sony Music)
Miles Ahead: A Miles Davis Website (by Peter Losin)
Miles Davis: Missing Links (by Thomas Westphal)
Miles Davis Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: George Coleman]
George Coleman (Official Website)
[Links: Victor Feldman]
Victor Feldman Discography (@ British Modern Jazz)
[Links: Herbie Hancock]
Herbie Hancock: The Offcial Site (Official Website)
Herbie Hancock Discography (by Christian Genzel)
[Links: Ron Carter]
Jazz Basist Ron Carter Official Site
[Links: Tony Williams]
Tony Williams Discography (by ANTAIOS)

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『ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオ』

kelly_smokinatthehalfnote.jpg Wes Montgomery & Wynton Kelly Trio - Smokin' At the Half Note

ウェスが専属契約を結んでいたリヴァーサイド・レーベルは、創業者にして経営者のビル・グロウアーが1963年12月にこの世を去ると経営が悪化、翌64年7月には倒産してしまいます。

コアなジャズ・ファンにしてみると、古き良きジャズ界の良心ともいうべきオリン・キープニュースがプロデュースした、ウェスの純ジャズ作品をもっと聴きたかったというのが本音ですが、時代は容赦なく移り変わり、ジャズはポピュラー音楽としての地位を失っていきます。

そんな時代にあって、ヒット作を量産し、商業的な成功を収めたプロデューサー、クリード・テイラーの基本方針をまとめると、こんな感じになるでしょうか。

1、曲は短くコンパクトに(ラジオでかかるように)
2、アドリブは極力排除(リスナーを限定するから)
3、キャッチーでわかりやすい当時の「ポップス」をセレクト

これって、そのまんま、当時吹き荒れたフリー・ジャズ旋風のアンチテーゼになっています。60年代のトレーンあたりを思い浮かべてもらうといいのですが、

1、演奏はどんどん長くなる
2、際限なく続く、抽象的で難解なアドリブ
3、オリジナルどころか「曲」という概念そのものが希薄になる

というわけで、見事なまでに「正反対」なんですね。フリー・ジャズの功罪についてはここでは触れませんが、ジャズの大衆化を目論んだクリード・テイラーにとって、ウェスの「オクターヴ奏法」は、非常に魅力的な素材でした。ヴァーヴ時代のウェスの作品は、したがって、希代のインプロヴァイザーであるウェスが、諸刃の刃となる高度なアドリブを徐々に封印し、A&M 時代に完成するイージー・リスニング路線へと移行していく過程ととらえることができます。

とはいえ、なかにはいくつか例外があって、『ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオ』は、クリード・テイラー憎しのコアなジャズ・ファンも思わず「よくぞ残してくれました」と拍手を贈りたくなる1枚です。ウェスのリーダー作と思われがちですが、マイルス・バンドのリズム・セクションがそのまま独立したウィントン・ケリーのトリオに、ウェスが客演した形で、LP のA面はハーフノートでのライヴ、B面はスタジオ録音です。

かつてのボス、マイルスの〈ノー・ブルース〉からライヴ会場はいきなり沸点に達します。後半も、ライヴの熱気をそのままスタジオに持ち込んだかのようで、続けて聴いても、まったく違和感はありません。ウェスの必殺ワザ「三段変則」を心ゆくまで堪能してください。ウィントン・ケリーも、この特集の最後を飾るにふさわしい大熱演。ウェスだけでなくケリーの代表作としても、おすすめです。

 

Wynton Kelly, Wes Montgomery "Smokin' At The Half Note"
(Verve V/V6 8633)

Wynton Kelly (piano)
Wes Montgomery (guitar)
Paul Chambers (bass)
Jimmy Cobb (drums)

Produced by Creed Taylor
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded live at the Half Note, NYC; June 24, 1965 (#1, 2)
Recorded at the Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ; September 22, 1965 (#3-5)

[Tracks] Wes Montgomery & Wynton Kelly Trio - Smokin' At the Half Note
01. No Blues Miles Davis (music)
02. If You Could See Me Now Tadd Dameron (music) / Carl Sigman (lyrics)
03. Unit 7 Sam Jones (music)
04. Four On Six Wes Montgomery (music)
05. What's New Bob Haggart (music) / Johnny Burke (lyrics)

[Links: Wynton Kelly]
Wynton Kelly: a discography with cover photos (by Atsushi acchan Ueda)
Wynton Kelly Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Wes Montgomery]
Wes Montgomery Fan Club
Wes Montgomery Discography Project (@ Jazz Discography Project)
Wes Montgomery Discography (by Ed Fila)
[Links: Jimmy Cobb]
Jazz Legend Jimmy Cobb (Official Website)

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