2006年05月25日

セロニアス・モンク『モンクス・ドリーム』

monksdream.jpg

1961年、セロニアス・モンクに転機が訪れます。ブルーノート、プレスティッジ、リヴァーサイドと、ハードバップの三大レーベルを渡り歩いてきたモンクが最後にたどり着いたのは、メジャーレーベル、コロンビアでした。十分な予算と時間が与えられたモンクは、1日2曲しか吹きこまないという贅沢な環境で、移籍第一弾『モンクス・ドリーム』を完成させます(1962年10月31日、11月1日、2日、6日録音)。

モンクの音使いは相変わらず奇妙ですが、難解さ、近寄りがたさはほとんど感じられません。いや、むしろ非常にわかりやすい。演奏にメリハリが利いていて、ノリもテンポも心地いいです。これは、モンク流の「ポップス」ではないでしょうか。精神の安定がもたらした気力の充実が、いい方向に働いているようです。

歯切れのよいモンクのピアノも聞きものですが、驚いたのは、チャーリー・ラウズの成長ぶりです。昨日アップした『5・バイ・モンク・バイ・5』では、モンクとぶつからないことで相性のよさを示していましたが、ここでは一歩進んで、モンクと同化しつつあります。ここ数年の共演で、すっかりモンクの音楽性を消化したようで、音使いまでモンクのそれに酷似してきているのです。〈モンクス・ドリーム〉や〈ブライト・ミシシッピ〉におけるラウズのソロを聞けば、わかってもらえるはずです。

チャーリー・ラウズの代表作というと、ポール・クイニシェットとテナー・バトルをくり広げたベツレヘム盤『ザ・チェイス・イズ・オン』か、エピック盤『ヤー!』あたりだと思うのですが、ラウズのかすれ気味の色気のあるテナーの音色に聞き惚れることはあっても(いや、ホントにいい音です。未聴の方はぜひ!)、ラウズの音使いに「奇妙」なところはいっさい感じられません。ごくごくオーソドックスな吹き方だと思うのです。

それが、このアルバムでは、モンクのような奇妙にゆがんだ音選びが板についています。モンクとラウズは12年の長きにわたって行動をともにしますが、この「同質化」があったからこそ、続いたんだと思います。逆にいうと、それがモンクの作品から刺激を奪い、マンネリ化という批判を浴びることになるのですが、少なくとも、この『モンクス・ドリーム』については、その批判は当たりません。やっぱり、気持ちいいですから。このポップな感じは。

 

Thelonious Monk "Monk's Dream"
(Columbia CL 1965 / CS 8765)

Charlie Rouse (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
John Ore (bass)
Frankie Dunlop (drums)

Produced by Teo Macero
Recorded in NYC; October 31 (#5, 7), November 1 (#2, 3), 2 (#1, 6), 6 (#4, 8), 1962

[Tracks]
01. Monk's Dream (music: Thelonious Monk)
02. Body And Soul (music: Thelonious Monk)music: Johnny Green / words: Edward Heyman, Robert Sauer, Frank Eyton
03. Bright Mississippi (music: Thelonious Monk)
04. Blues Five Spot (music: Thelonious Monk)
05. Blue Bolivar Blues (music: Thelonious Monk)
06. Just A Gigolo (music: Thelonious Monk)music: Leonello Casucci / Julius Brammer [German], Irving Caesar [English]
07. Bye-Ya (music: Thelonious Monk)
08. Sweet And Lovely (music: Thelonious Monk)music+words: Gus Arnheim, Harry Tobias, Jules Lemare

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
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2006年05月24日

セロニアス・モンク『5・バイ・モンク・バイ・5』

5bymonkby5.jpg

最近、古参の G4 Mac のパワー・容量不足が目立ってきたので、iBook で仕事をすることがふえました。それに伴い、ついにわが家もワイヤレス化にふみきりました。AirMac Express を導入して数日たちますが、いいねえ、これ。仕事部屋でもリヴィングでも、ケーブルなしで移動自由。ついでに LAN 接続型の300GB のハードディスクも買ったので、ふえ続ける iTunes のデータも、どこからでもアクセス可能になりました(現在、CD 2241枚分、95.67GB のデータが入っています)。

グリフィンがモンクのもとを離れ、地元シカゴに帰った後、モンクのグループに迎えられたのは、チャーリー・ラウズでした。ラウズがはじめて参加したのは、1959年2月録音の『セロニアス・モンク・オーケストラ・アット・タウン・ホール』ですが、文字どおり大所帯の作品なので、ラウズに関してとりたてていうべきことはありません。続いて吹きこまれたのがこの『5・バイ・モンク・バイ・5』で、「モンクによる5つの楽曲を5人で演奏する」というタイトルどおり、サド・ジョーンズのコルネットを加えたクインテットによる作品です(1959年6月1日、2日録音)。

トレーンやグリフィンといった「とんがった」人たちの後釜に座ったのが、エリントンやベイシー楽団、オスカー・ペティフォードのグループなど、ビッグバンドを渡り歩いたラウズだったというのは、正直驚きです。ラウズには、フレンチホルンのジュリアス・ワトキンスとの双頭コンボ「ル・ジャズ・モード」の諸作も残されていますが、個性や切れ味で勝負するタイプではありません。オールド・タイプの「なごみ系」テナーというのが、私の印象です。

そして、これまた「なごみ系」のペット奏者サド・ジョーンズがいます。ベイシー楽団の花形トランぺッター、サドが吹くコルネットは、ほどよいアタック感がありながらも、全体として丸みをおびたやわらかさが感じられて、実にいい塩梅です。

さらに、メンバーにふさわしい、ゆったりとした曲が並びます。これまで録音された曲も、前よりゆったりとしたテンポで演奏されます。あたたかい空気の中をゆっくりとたゆたう感じ。いい意味で、眠気を誘うのです。モンクの演奏に特有の「危うさ」は皆無で、これなら安心して眠りにつくことができそうです。

ここにきて、モンクの目指す音楽は完全に違うものに変質しました。自己主張の激しい「モンクス・ミュージック」から、親しみあふれるインティメットな音楽へ。個性のぶつかり合いがスリリングな展開を生んでいたこれまでと違い、みずからの音楽性に対するよき理解者ラウズを得て、モンクは心から演奏を楽しむようになります。

兆候はあったんです。クラーク・テリーの『イン・オービット』に参加したあたりから、モンクに明らかな変化が感じられます。相手に合わせるようになっているのです。相手の音に耳を傾け、きちんとバッキングするモンク。『ミステリオーソ』のところでは否定的に書きましたが、あれは相手がグリフィンだから、という要素が強いんです。まったく歩み寄らないグリフィン相手に、モンクが一方的に譲るというのは、やはり違和感があったわけです。

でも、パートナーがラウズに変わって、その不満は解消されました。ラウズは強烈な個性の持ち主ではありませんから、モンクの音楽にスーッと染まっていきます。だから、モンクが無理に歩み寄らなくても、自然にインティメットな空間ができあがるのです。

このナチュラルな力の抜け加減を楽しめるかどうか。後期のモンクを好きになれるかどうは、ここにかかっています。「強力な磁場を発してこそモンクだ」「コロンビア時代のモンクは燃えかすだ」そういう人がいたとしても、不思議はありません。『セロニアス・ヒムセルフ』の緊張感や『ブリリアント・コーナーズ』の完成度を一度でも味わった人なら、むしろ当然の反応かもしれません。

でも、私はラウズと組んで、力の抜けたモンクも好きです。〈ウン・ポコ・ロコ〉のすごさは認めながらも、パウエルといえば晩年の『ゴールデン・サークル』を聞いてしまう人、パーカーはダイヤル、サヴォイ時代に限るといっておきながら、ひそかに『チャーリー・パーカー・ウィズ・ストリングス』を聞いている人、きっとお友だちになれるはずです(笑)。まずは、このアルバムからはじめてみてください。

ここには、〈アスク・ミー・ナウ〉が入っています。何気ない曲ですが、個人的には〈ラウンド・ミッドナイト〉と並ぶ名曲だと思っています。初出は『ジニアス・オブ・モダン・ミュージック Vol. 2』ですが、この子守唄のようなやさしい旋律は、サド・ジョーンズとチャーリー・ラウズが吹いてこそ、際立ちます。

いわゆる大名盤ではないけれど、不思議と何度も聞きたくなる愛聴盤です。

 

Thelonious Monk "5 By Monk By 5"
(Riverside RLP 305 / 1150)

Thad Jones (cornet)
Charlie Rouse (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
Sam Jones (bass)
Art Taylor (drums)

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Jack Higgins
Recorded at Reeves Sound Studios, NYC; June 1 (#3), 2 (#2, 4, 5), 4 (#1), 1959

[Tracks]
01. Jackie-Ing (music: Thelonious Monk)
02. Straight, No Chaser (music: Thelonious Monk)
03. Played Twice (music: Thelonious Monk)
04. I Mean You (music: Thelonious Monk)
05. Ask Me Now (music: Thelonious Monk)

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セロニアス・モンク『ミステリオーソ』

misterioso.jpg Thelonious Monk - Misterioso

セロニアス・イン・アクション』に引き続き、モンク&グリフィンのファイヴ・スポットにおけるライヴから、『ミステリオーソ』の紹介です(1958年8月7日録音)。

このころから、モンクの音楽からある種の危うさがなくなっていきます。次の展開が読めない不安感。どっちに転ぶかわからない不安定さ。それでいて破綻寸前で踏みとどまる危なっかしさ。モンクス・ミュージックを聞くと感じる違和感は、この危うさに起因するところが多いのです。パウエルの狂気とも、マイルスの殺気とも違うモンクの危うさ。これこそ、モンクのユニークさの源だと思うのです。

ところが、モンクがようやく名声を獲得し、精神的な落ち着きを取り戻していくにつれて、彼の演奏から凄みが消えていきます。このアルバムのモンクは、たしかに聞きやすい。演奏だって手を抜いているようには聞こえない。むしろモンクの気持ちは充実しているようです。演奏を心から楽しんでいるのが手に取るようにわかります。でも、このどっしりとした安定感は、モンクらしくないのです。予定調和といったらいいすぎですが、モンクに「先が読める展開」というのは似合わないと思うのです。

ここでは、合わないはずのモンクとグリフィンがしっくりいっています。驚くべきことに、相手に合わせているのは、グリフィンではなく、モンク本人のような気がするのです。演奏中に突然いなくなったり、踊り出したりするモンクが、ですよ。見境なしにくり出される不協和音に、あのマイルスでさえダメだしをしたモンクが相手に合わせるなんて。にわかに信じられないことですが、私にはそう聞こえます。

グリフィンは、『イン・アクション』よりもリラックスして、完全に自分のペースで吹いています。このライヴにも参加しているドラムのロイ・ヘインズは、「モンクと演奏するときは、他の人と演奏するときの3倍疲れる」といっていたそうですが、これこそ、本来のモンクのパートナーの姿です。モンクと演るときは、特別な「耳」が必要なのです。ちょっとした変化も逃すまいと神経をすり減らすのがふつうです。

ところが、グリフィンはよほど鈍感なのか、「われ関せず」でどこまでも自分のワールドを展開しています。だから、本来なら合わないはずなのに、モンクが歩み寄っています。う〜ん、これをモンクの成熟といっていいものか。私は、残念ながら、そうは思えませんでした。

表紙を飾る絵は、形而上絵画で知られるイタリアの画家ジョルジョ・デ・キリコ(Giorgio de Chirico, 1888-1978)の「The Seer(予言者、見る人)」です。「ミステリオーソ(イタリア語で、神秘的な)」というタイトルとともに、摩訶不思議なモンクの魅力を表してあまりある、と思います。でも、当のモンクが、このアルバムの前後からミステリアスな存在でなくなっていってしまうのですから、世の中、不思議なものです。

 

Thelonious Monk "Misterioso"
(Riverside RLP 279/1133)

Johnny Griffin (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
Ahmed Abdul-Malik (bass)
Roy Haynes (drums)

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Ray Fowler
Recorded live at Five Spot Cafe, NYC; August 7, 1958

[Tracks] Thelonious Monk - Misterioso
01. Nutty (music: Thelonious Monk)
02. Blues Five Spot (music: Thelonious Monk)
03. Let's Cool One (music: Thelonious Monk)
04. In Walked Bud (music: Thelonious Monk)
05. Just A Gigolo (music: Leonello Casucci / words: Julius Brammer [German] Irving Caesar [English])
06. Misterioso (music: Thelonious Monk)

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2006年05月23日

セロニアス・モンク『セロニアス・イン・アクション』

theloniousinaction.jpg

セロニアス・モンクのファイヴ・スポット公演といえば、ニューヨーカーが彼を「再発見」した1957年のコルトレーンとのロングラン公演が有名ですが、当時、モンクはリヴァーサイドと、トレーンはプレスティッジと専属契約を結んでいたので、残念ながら公式なライヴ盤は残されていません。連日連夜くり広げられたであろう二人のエキサイティングな演奏は、永遠に封印されてしまったわけです。

リヴァーサイドのオリン・キープニューズがそのことを悔やんだかどうかはわかりませんが、翌58年に、テナーに速吹き男ジョニー・グリフィンを迎えたモンク・カルテットのファイヴ・スポット公演を録音します。『セロニアス・イン・アクション』と『ミステリオーソ』の2枚がそれで、モンク初のライヴ盤となっています。

モンクとグリフィンは合わないと個人的には思っています。というか、はなから合わせる気がないんじゃないかと思うのです。モンクはそもそも他人に合わせる気などもちあわせていませんから、共演者が譲るしかないのですが、豪快で鳴らすシカゴ・テナーのグリフィンに譲る気などありません。だから、ぶつかる。当然です。

たとえば、3曲目の〈リズマニング〉。グリフィンはモンクの間の手を完全無視して突き進みます。いかにもグリフィンらしい、わが道を行くロングソロが炸裂します。途中からモンクの音が消えます(踊り出したのでしょうか?)。ベースとドラムだけをバックに豪快に吹きまくるグリフィン。ところが、モンクのソロの順番がくると、意外や意外、モンクがノッているんですね。珍しく指がよく動く。完全にミスマッチのはずなのに、演奏が破綻しないどころか、モンクは楽しんでいるように聞こえます。これはいったいどうしたわけでしょう?

この続きは、次回の『ミステリオーソ』で(笑)。

 

Thelonious Monk "Thelonious In Action"
(Riverside RLP 262/1190)

Johnny Griffin (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
Ahmed Abdul-Malik (bass)
Roy Haynes (drums)

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Ray Fowler
Recorded live at Five Spot Cafe, NYC; August 7, 1958

[Tracks]
01. Light Blue (music: Thelonious Monk)
02. Coming On The Hudson (music: Thelonious Monk)
03. Rhythm-A-Ning (music: Thelonious Monk)
04. Epistrophy (theme) (music: Thelonious Monk)
05. Blue Monk (music: Thelonious Monk)
06. Evidence (music: Thelonious Monk)
07. Epistrophy (theme) (music: Thelonious Monk)

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2006年05月22日

『アート・ブレイキーズ・ジャズ・メッセンジャーズ・ウィズ・セロニアス・モンク』

artblakeywiththeloniousmonk.jpg Art Blakey & Thelonious Monk - Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk

アート・ブレイキーズ・ジャズ・メッセンジャーズ・ウィズ・セロニアス・モンク』は、ブレイキー率いる JM にモンクが客演した形になっていますが、アルバムが収録された1957年5月15日のアトランティック・スタジオには、モンク・カルテットからベースのウィルバー・ウェアも呼ばれていました。つまり、当初は JM とモンク・カルテットというふたつのグループの共演を目指していたようなのですが、どういうわけか、ウィルバー・ウェアが使いものにならない(ドラッグ?)。そこで、JM のベーシスト、スパンキー・デブレストの出番となったようです。

ところが、私がもっている初期のアトランティックの CD では、どういうわけか、デブレストの音があまり聞こえません(涙)。低音を最大限響かせるとなんとか確認できますが、ヘッドフォンで耳をすましてみても、背後にかすかにそれらしい音が聞こえるくらいで、ほとんどベース抜きの演奏に聞こえます。下の Rhino の再発 CD では音質が改善されていることを祈ります(笑)。

ところで、1957年の JM といえば、盟友ホレス・シルヴァーが去り、神童リー・モーガン(&ベニー・ゴルソン)を迎える前の空白期間で、ヴィック盤『チュニジアの夜』が収録されたころにあたります。トランペットは、困ったときのお助け役ビル・ハードマン(彼はこの後、何度か人手不足に陥ったブレイキーを助けて JM に復帰します)、テナーは「小さな巨人」ジョニー・グリフィンですね。

さて、モンクとグリフィンの相性はどうか。ふたりはまったく別々の方向を向いて演奏しているように聞こえます。グリフィンは完全にモンクを無視して勝手にソロをとっているし、モンクはモンクで、例の奇妙な間合いでところかまわず横やりを入れてくる。ロリンズとモンクの共演よりも、違和感の度合いは強いと思います。

ロリンズの場合は、モンクに影響されずに吹くといっても、モンクのくり出す音にはつねに細心の注意を払っている気がします。だから、不思議とマッチしている。ところが、グリフィンはモンクのことはまったくおかまいなしに、自分の仕事に専念している感じがするのです。

このアルバムは、モンクが参加したアルバムのなかでは例外的にモンク臭が希薄です。ブレイキーがサイドメンではなく、リーダーとして仕切っているのは明白ですが、マイルスでさえ逃れられなかったモンクの呪縛からの影響が少なく感じられるのは、ひょっとしたら、グリフィンの「聞く耳もたぬ」姿勢が影響しているのかもしれません。

このアルバム唯一のグリフィン・オリジナル〈パープル・シェイド〉。どこかで聞いた曲だなと思っていたら、フィリー・ジョー・ジョーンズがドラキュラに扮した珍盤『ブルース・フォー・ドラキュラ』のタイトル曲そのものでした(もちろん、グリフィンも参加しています)。

 

"Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk"
(Atlantic 1278)

Bill Hardman (trumpet)
Johnny Griffin (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
Spanky DeBrest (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Nesuhi Ertegun
Recorded by Earl Brown
Recorded at Atlantic Studios, NYC; May 15, 1957

[Tracks] Art Blakey & Thelonious Monk - Art Blakey's Jazz Messengers With Thelonious Monk
01. Evidence (music: Thelonious Monk)
02. In Walked Bud (music: Thelonious Monk)
03. Blue Monk (music: Thelonious Monk)
04. I Mean You (music: Thelonious Monk)
05. Rhythm-A-Ning (music: Thelonious Monk)
06. Purple Shades (music: Johnny Griffin)

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
Thelonious Monk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Johnny Griffin]
Johnny Griffin Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop (by Harvey Bloomfield)
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年05月17日

セロニアス・モンク&ジョン・コルトレーン『ライヴ・アット・カーネギー・ホール』

atcarnegiehallmonktrane.jpg Thelonious Monk Quartet With John Coltrane - Thelonious Monk Quartet With John Coltrane at Carnegie Hall

1957年の夏から秋にかけてファイヴ・スポットで行われたモンク&コルトレーンのロングラン公演は正式に録音されず、長い間「伝説」と化していました。この時期、トレーンは長足の進歩を遂げたといわれ、トレーン自身もモンクからの影響を隠そうとはしなかったため、世のトレーン・フリークたちは、幻のファイヴ・スポット・セッションを夢想するしかありませんでした。

そんななか、1993年に『ディスカヴァリー:アット・ザ・ファイヴ・スポット』というアルバムが世に出て、けっこう話題になりました。ついに出た、世紀の発掘音源だ、と。でも、健全なジャズファンは、このアルバムに手を出してはいけません(笑)。「超」がつくほど、音が悪い。聞けたものではありません。完全にマニアの領域の音源です。こういうのを大々的に宣伝して、一般の市場に出してしまう感覚が私にはわかりません。トレーン夫人のナイーマがポータブル・テープ・レコーダーを持ち込んで、トレーンのために録っていたものだそうです(J.C. トーマス著、武市好古訳『コルトレーンの生涯』によると、トレーンはモンクとの演奏をテープに録音し、滞在中のホテルに帰ってからも聞き直していたそうです。研究熱心なトレーンらしい逸話です。要は、まじめ、なんですね)。

というわけで、モンクとトレーンの共演を聞きたければ、ソロ作品『セロニアス・ヒムセルフ』にひっそりと収められたモンク&トレーン&ウィルバー・ウェアという変則トリオの1曲か、昨日アップしたセプテット作品『モンクス・ミュージック』か、リヴァーサイドの傍系ジャズランドに残された『セロニアス・モンク・ウィズ・ジョン・コルトレーン』あたりを聞くしかなかったわけです。

ところが、去年(2005年)の秋、驚くべき音源が発売されました。『ライヴ・アット・カーネギー・ホール』は、1957年11月29日、モンク&トレーンのカルテットがカーネギー・ホールで行われた感謝祭コンサートに出演したときの記録で、ビリー・ホリディ、ディジー・ガレスピーのビッグバンド、レイ・チャールズ、チェット・ベイカー&ズート・シムズ、ソニー・ロリンズら、錚々たるメンツがそろったステージだったようです。

内容は、聞いてのお楽しみ。のちに「シーツ・オブ・サウンド」を完成させるトレーンの成長過程が聞けるはずです(#7の後半など)。音質は非常にクリアで、期待を裏切りませんから、安心してください。

 

Thelonious Monk, John Coltrane "At Carnegie Hall"
(Blue Note 0946 3 35176 2 5)

John Coltrane (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
Ahmed Abdul-Malik (bass)
Shadow Wilson (drums)

Recorded by Harry Hochberg
Recorded live at Carnegie Hall. NYC; November 29, 1957

[Tracks] Thelonious Monk Quartet With John Coltrane - Thelonious Monk Quartet With John Coltrane at Carnegie Hall
01. Monk's Mood (music: Thelonious Monk)
02. Evidence (music: Thelonious Monk)
03. Crepuscule With Nellie (music: Thelonious Monk)
04. Nutty (music: Thelonious Monk)
05. Epistrophy (music: Thelonious Monk)
06. Bye-Ya (music: Thelonious Monk)
07. Sweet And Lovely (music: Thelonious Monk)music+words: Gus Arnheim, Harry Tobias, Jules Lemare
08. Blue Monk (music: Thelonious Monk)
09. Epistrophy [Incomplete] (music: Thelonious Monk)

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
Thelonious Monk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: John Coltrane]
John Coltrane (Official Website)
John Coltrane (@ Dave Wild's WildPlace)
John Coltrane Discography (by ANTAIOS)
John Coltrane Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年05月16日

セロニアス・モンク『モンクス・ミュージック』

monksmusic.jpg Thelonious Monk - Monk's Music

W杯の日本代表が発表されました。FWの久保がはずれたのには驚きましたが、個人的には、MFの松井を連れていってほしかった。ジーコの頭のなかでは玉田と役割がかぶったんだと思いますが、4年後を考えたら、次世代の中心選手である松井に本番を経験させておかないと、とんでもないことになる気がします。日本が誇る黄金の世代も、4年後は30歳。スピードが生命線の日本代表で、30歳ではいかにもきつい。だからこその松井だったわけですが、かえすがえすも残念です。

それはさておき、『モンクス・ミュージック』が録音された1957年は、ジョン・コルトレーンにとって非常に重要な年でした。前年の11月、マイルスの黄金のクインテット(日本代表の中盤、黄金のカルテットではありません)を離れたトレーンは、セロニアス・モンクのもとで腕を磨きます。この年、51年の「事件」以来、没収されたままになっていたキャバレーカードを手にしたモンクは、コルトレーンを加えたカルテットで、ファイヴ・スポットに長期出演を果たします。ちょうどモンクの評価がうなぎのぼりに上がっていた時期でもあり、クラブは連日満員盛況だったといいます。

この『モンクス・ミュージック』は、トランペットにレイ・コープランド、アルトにジジ・グライス、テナーに御大コールマン・ホーキンスとトレーンを迎えたセプテット(七重奏団)によるアルバムです。モンクが参加した作品には、いわくつきの名盤(迷盤?)がいくつかありますが(マイルスとのケンカ・セッション、もといクリスマス・セッションとかね)、これなんかもその代表です。

1曲目〈アバイド・ウィズ・ミー〉はホーン・セクションのみの演奏です。トランペット1本にサックス3本だけで、モンクが好きだという「賛美歌」を奏でます。

2曲目〈ウェル・ユー・ニードント〉。途中、モンクの「コルトレーン、コルトレーン!」という叫びが響き渡ります。ソロの出だしを間違えたのかと思いきや、なんとトレーンは本番中に眠りこけていたのでした。以下、J.C. トーマス著、武市好古訳『コルトレーンの生涯』(学研M文庫)より、現場にいたレイ・コープランドの発言です。

1957年に私はコルトレーンと一緒に録音の仕事をした。彼は明らかに麻薬を打っていたと思う。リーダーのモンクが長いピアノ独奏をやっているあいだ、私たち二人はリズム・セクションの近くにすわっていた。コルトレーンが独奏をする時が迫っていた。彼の方を見ると、彼はサキソフォンを膝のあいだに抱えて居眠りをしていた。私が声をかけようと思ったとたん、たまたまピアノから眼を上げたリーダーがトレーンの様子に気がついて「コルトレーン、おい、コルトレーン!」と叫んだのである。次の瞬間、私が、一生忘れることのできないすばらしい出来事が起こったのだ。トレーンはさっと立ちあがり、まるで何事もなかったかのように見事な抑揚をつけて、ピアノ独奏にかわって演奏を始めた。それは実にすばらしい独奏だった。独奏が終ると、彼はまた腰を下ろし前を同じように居眠りを始めた。

マイルスのグループにいたときは、同僚のフィリー・ジョーの影響もあってドラッグ漬けになっていたトレーンですが、57年の春ごろ(?)には麻薬と酒を完全に絶ったといいます。やがてタバコも絶ってベジタリアンとなり、精神世界(笑)へと旅立っていくわけですが、この録音のときは、まだまだ覚醒していなかったようです。

5曲目〈エピストロフィー〉。これも演奏中の「ミス」が記録として残された珍しい例です。ミスしたのは、テナーの父コールマン・ホーキンス。ウィルバー・ウェアのベース・ソロのあと、ブレイキーのロールからモンクがテーマを弾くあたり(6分35秒)、ホーキンスが一瞬、出を間違えてブーッ、ブーッと吹きます。さらに、ブレイキーがソロを叩き続けている間(7分32秒)にも、バーッ、バーッというホーキンスの音が聞こえてきます。やはり御大には、モンクの楽曲はむずしかったのか。前述の『コルトレーンの生涯』には、この件に関連して、アート・ブレイキーの興味深い証言が残されています。

ホークはその曲(モンクのオリジナル)がよくわからなかったので、トレーンと自分のために説明してほしいとモンクにたのんだ。モンクはホークに言った。「君は、偉大なコールマン・ホーキンスだ。そうだね。テナー・サキソフォンを発展させた男だろう?」ホークはうなずいた。こんどは、トレーンに向かって言った。「君は、偉大なジョン・コルトレーンだね」トレーンは顔を赤らめ、「いや、私はそれほどでもない……」と口ごもるように答えた。すると、モンクは二人に向かって言った。「君たちは二人とも、サキソフォンを吹いているんだろう」二人はうなずいた。「いいかね、この音楽はサキソフォンで演奏するんだ。だから、君たちは二人でその方法を探すんだ。できないわけはない。

最後の〈クレプスキュール・ウィズ・ネリー〉。「crepuscule」はフランス語で「黄昏、夕焼け」。最愛の妻ネリーに捧げられた曲ですね。実はこの曲、すべて譜面に書かれていてアドリブはゼロだといいます。徘徊癖があり、ステージ上でも突然踊り出すなど、奇抜な行動で知られたモンクは、後輩パウエルと同様、精神に「闇」を抱えていました。そんなモンクのかたわらを片時も離れなかったネリー。モンクのネリーに対する態度は、幼子が母親に対するものだったのかもしれません。ネリー抜きでは外出もしなかったとも伝えられています。

 

Thelonious Monk "Monk's Music"
(Riverside RLP 242/1102)

Ray Copeland (trumpet) #1, 2, 4-6
Gigi Gryce (alto sax) #1, 2, 4-6
Coleman Hawkins (tenor sax)
John Coltrane (tenor sax) #1, 2, 4-6
Thelonious Monk (piano)
Wilbur Ware (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Jack Higgins
Recorded at Reeves Sound Studios, NYC; June 26, 1957

[Tracks] Thelonious Monk - Monk's Music
01. Abide With Me (P.D. arr. Thelonious Monk)
02. Well, You Needn't (music: Thelonious Monk)
03. Ruby, My Dear (music: Thelonious Monk)
04. Off Minor (music: Thelonious Monk)
05. Epistrophy (music: Thelonious Monk)
06. Crepuscule With Nellie (music: Thelonious Monk)

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
Thelonious Monk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Gigi Gryce]
Gigi Gryce (by David Griffith)
Rat Race Blues: The Musical Life of Gigi Gryce (by Noal Cohen and Michael Fitzgerald)
[Links: John Coltrane]
John Coltrane (Official Website)
John Coltrane (@ Dave Wild's WildPlace)
John Coltrane Discography (by ANTAIOS)
John Coltrane Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Wilbur Ware]
Wilbur Ware Discography (by Michael Fitzgerald)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年05月08日

セロニアス・モンク『ブリリアント・コーナーズ』

brilliantcorners.jpg Thelonious Monk - Brilliant Corners

プレスティッジのオーナー、ボブ・ワインストックは、あまり支払いのきれいな人ではなかったようで、マイルスやロリンズ、MJQ など錚々たる面子を抱えていながら、そのほとんどに逃げられるという大失態を演じて後世に名を残しました。モンクもその一人で、金銭的な不満から、プレスティッジと手を切りたがっていた彼に救いの手を差し伸べたのは、リヴァーサイドのプロデューサー、オリン・キープニューズでした。

わずか108ドル27セント(モンクがプレスティッジに前借りしていた額)でモンクとの専属契約をとりつけたキープニューズは、さっそく彼の売り出しをはかります。この類い稀なるユニークな才能をいかにして世間に認知させるか。キープニューズが考えたのは、入り口の敷居を下げることでした。誰もが知っている曲をモンクに弾かせれば、親しみやすいし、モンク独特のユーモアもわかってもらえるに違いない。そうしてできあがったのが、移籍第一弾『プレイズ・デューク・エリントン』(エリントン集)と第二弾『ザ・ユニーク』(スタンダード集)だったわけです。

ところが、この二つのトリオ作品は思惑が外れてあまり売れませんでした。聞きやすさを優先するあまり、モンクのオリジナリティを殺してしまったというか、要するに、時代を読み間違えたんですね。キープニューズは、モンクが「わかりにくい」と思った。だから「聞きやすい」アルバムにしあげたわけですが、時代はもっと先を行っていた。彼のようなユニークな個性を楽しめる聴衆が育ってきた時期だったんです。だから、素のままのモンクを前面に押し出せば結果はついてくる。

モンクの最高傑作の呼び声も高い『ブリリアント・コーナーズ』は、ありものの「曲」という制約を外し、人選を含めて、モンクに思いっきり自由に演奏させたアルバムです(1956年10月9日、15日、12月7日録音)。

結果は「吉」と出ます。しかも、生涯に一度あるかないかの「大吉」です。モンクの評価はこのアルバムのリリースを境に一変します。それまでの不遇時代がウソのように、モンクの風変わりな才能に惜しみない拍手が贈られました。モンクに「ジニアス」の称号を贈ったのは、早くも1947年にモンクの初リーダー作品を録ったブルーノートのアルフレッド・ライオンでしたが、それから10年がたち、ようやく世間に彼の天才ぶりが認知された。モンクの時代がやってきた(It's Monk's Time)のです。

世にいう歴史的名盤というのは、えてして眉唾ものなのですが、『ブリリアント・コーナーズ』に限ってはそんな心配は無用です。黙って耳を傾けてください。モンクス・ミュージックの最良の表現者はモンクしかいない、というのが通説ですが、アルトのアーニー・ヘンリー、テナーのロリンズが、モンクのユーモア、モンクの内なる音楽に肉薄していきます。

もし、冒頭の〈ブリリアント・コーナーズ〉に少しでも違和感を感じるなら、迷わず CD のトラックナンバーを「3」にあわせてください。子守唄のようなやさしい音楽があなたを包み込んでくれるでしょう。モンクが物心両面で世話になったニカ男爵夫人に捧げられたこの〈パノニカ〉では、珍しいモンクのチェレスタが聞けます。チェレスタは、外見はアップライト・ピアノに似ていますが、鍵盤を叩くことによって中にある「鉄琴」を鳴らす楽器です。ピアノ線という「弦」を鳴らしているピアノとは、そこが違います。チェレスタのかわいらしい音色に乗って、摩訶不思議なハーモニーを生み出すヘンリーとロリンズ。この「おかしさ」がわかれば、あなたはもう立派なモンク・フリークです(笑)。

そのまま続けて〈アイ・サレンダー・ディア〉へと進みましょう。このアルバムで唯一のスタンダードは、モンクが独りで料理します。これはもう絶品です。無伴奏のソロ・ピアノは、弾く人の個性がそのまま出ます。強烈な個性の持ち主にアプローチするには、ソロを聞くに限ります。

そうして耳が慣れてきたら、トラックナンバーを「1」に戻してください。いよいよ世紀の難曲〈ブリリアント・コーナーズ〉と対決します。用意ができたら、さあ、スタートボタンを押してください。実にゆったりとした導入です。このモンクのピアノを聞いて「おっ、きたな」と思ったあなた、あなたはもうモンクと友だちです(笑)。テーマ部分のロリンズの野太いテナーが強烈です。ブブブブブブブーッと、ビブラートをきかせて耳元に迫ってきます。えもいわれぬ快感が全身を貫きます。ウオーッ。

途中、倍速になったり、元に戻ったりしながら演奏が続きます。すごい緊張感です。まったくダレません。ロリンズのソロもすごいですが、アーニー・ヘンリーのアブストラクトなアルトが話題を呼んだといいます。あまりの難しさに演奏者が途中で悲鳴をあげ、最後はやむなくテープ編集で曲としての体裁を整えたとそうですが、そんなことは関係ありません。ここには、モンクス・ミュージックの理想型があります。モンク以外の人間がはじめて到達した「モンクの世界」です。

 

Thelonious Monk "Brilliant Corners"
(Riverside RLP 226/1174)

Clark Terry (trumpet) #5
Ernie Henry (alto sax) #1-3
Sonny Rollins (tenor sax) #1-3
Thelonious Monk (piano, celesta #3)
Oscar Pettiford (bass) #1-3
Paul Chambers (bass) #5
Max Roach (drums) #1-3

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Jack Higgins
Recorded at Reeves Sound Studios, NYC; October 9 (#2, 3), 15 (#1, 4), December 7 (#5), 1956

[Tracks] Thelonious Monk - Brilliant Corners
01. Brilliant Corners (music: Thelonious Monk)
02. Ba-Lue Bolivar Ba-Lues Are (music: Thelonious Monk)
03. Pannonica (music: Thelonious Monk)
04. I Surrender, Dear (music: Harry Barris / words: Gordon Clifford)
05. Bemsha Swing (music: Thelonious Monk)

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
Thelonious Monk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Sonny Rollins]
Sonny Rollins: The Official Website
The Sonny Rollins Page
The Complete Sonny Rollins
Sonny Rollins Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Clark Terry]
Clark Terry (@ Jazz Corner)
Clark Terry: Biography, Selected Discography, Transcriptions (by Jeff Helgesen)
[Links: Max Roach]
Max Roach Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年05月06日

『セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ』

theloniousmonksonnyrollins.jpg Sonny Rollins & Thelonious Monk - Thelonious Mon & Sonny Rollins

マイルスが自叙伝でいっていたように(『マイルス・デイビス・アンド・ザ・モダン・ジャズ・ジャイアンツ』を参照)、セロニアス・モンクはサックス奏者、なかでもテナー奏者と相性がよかったようです。唯我独尊のソロピアノは別として、モンクの傑作のほとんどには、テナー奏者が参加しています。そこで気になるのは、モンクのパートナーとして、誰がいちばん相性がよかったのか、ということです(よね?)。というわけで、モンクのもとに去来した4人のテナー奏者の聞き比べといきましょう。

まずは、ソニー・ロリンズから。2人の共演作はいくつかありますが、名は体を表すというわけで、『セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ』からいきましょう。モンクとマイルスに「クリスマス・セッション」があるように、モンクとロリンズには「13日の金曜日セッション」があります。

1953年11月13日の金曜日、ニューヨークの WOR スタジオに予定どおりに表れたのは、パーシー・ヒースとウィリー・ジョーンズの2人だけでした。トランペットのレイ・コープランドは病気でドタキャン、急遽、代役を仰せつかったのは、フレンチ・ホルンのジュリアス・ワトキンスでした。

3人は時間前にスタジオ入りしましたが、待てど暮らせどモンクもロリンズもやってきません。誰かが皮肉ります。「今日は13日の金曜日じゃないか」1時間がすぎるころ、ようやく姿を見せた2人がいうには、自分たちの乗ったタクシーがバイクと接触事故を起こしたとのこと。スタジオを暗い雰囲気が覆います。「おいおい、ほんとに13日の金曜日じゃないか」というわけで、このセッションでは、そのものずばり〈13日の金曜日〉という曲が吹きこまれました。

それにしても、なんて変てこりんな曲でしょうか。脳ミソがぐちゃぐちゃになりそうです。「悪魔的」というには妙に明るい。「能天気」というにはちと重い。かといって、暗くジメジメしているわけではなく、カラッと乾いた笑いが聞こえてきそうです。この気持ち悪さを生み出しているのは間違いなくモンクですが、ロリンズはモンクのヘタウマなバッキングをものともせずに、わが道を突き進みます。

ロリンズが生涯最良の時(1956年)を迎えるのはまだ数年先なので、「朗々と吹きまくる」というところまではいきませんが、モンクの呪縛にまきこまれず、自分の世界を現出させるという意味では、さすがはロリンズといえる演奏ですね(このセッションの模様は、どでかい「MONK」の文字が強烈な『セロニアス・モンク・クインテット』にも収録されています)。

1、2曲目はそれから1年近く後、ふたたびロリンズを迎えてワン・ホーン・カルテットで吹きこまれたものです。この日は3曲が録音されましたが、モンクのオリジナルはなく、いわゆる「歌もの」だけの収録となっています。これらを聞くと、ロリンズもモンクも他の何者にも惑わされない、確固とした個性の持ち主なんだなあ、としみじみとわかります。どちらも自分の世界がしっかりあって、相手がたとえ変な手癖の持ち主であったとしても、まったく動じない。モンクはモンクのねじれた世界を、ロリンズはロリンズの豪快な世界を堂々と表現していて、しかも相互にバランスがとれています。真のジャイアンツどうしの出会いとは、こういうものなのでしょう。

このセッションの残りの1曲〈モア・ザン・ユー・ノウ〉は、ロリンズ名義の『ムーヴィング・アウト』にひっそりと入っています。モンクの名脇役ぶりが聞ける名演として知られていますが、たしかに、この曲のモンクは驚くほど聞きやすい(笑)。居心地の悪さ、不安定さがモンクのモンクたるゆえんだとすれば、それがほとんど感じられない安定した演奏です。モンクに対する違和感をどうにかして消したい人は、この1曲だけで、このアルバムは「買い」だと思います。

3、4曲目は、タイトルに反してロリンズ抜きのトリオ演奏で、ブレイキー&パーシー・ヒースがパートナーをつとめています。『セロニアス・モンク・トリオ』にも入っていた54年9月22日のセッションです。このトリオの演奏は、やっぱりいいんですね。〈ワーク〉のモンクは、かなりいっちゃってますから(笑)、あわせるのがたいへんだと思うのですが、モンクの不安定さとリズム陣の安定ぶりがうまく調和して、不思議な魅力につながっています。

途中、突然モンクとヒースが姿を消し(2分15秒前後)、ブレイキーのドラムソロへとつながりますが、この唐突な演奏の切り方を聞いていると、例の「クリスマス・セッション」でモンクが突然演奏をやめたのは、別に調子が悪かったわけではなく、演出の一環で弾くのをやめたのじゃないかと勘ぐりたくもなります。それくらい、変な切り方です。そうしたハプニング(?)をも包み込むブレイキーの器の大きさ。モンクのベスト・パートナーは、この2人だということが実感できます。

 

"Thelonious Monk and Sonny Rollins"
(Prestige 7075)

#1, 2
Sonny Rollins (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
Tommy Potter (bass)
Art Taylor (drums)

Produced by Bob Weinstock
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, NJ; October 25, 1954

#3, 4
Thelonious Monk (piano)
Percy Heath (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Bob Weinstock
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, NJ; September 22, 1954

#5
Julius Watkins (French horn)
Sonny Rollins (tenor sax)
Thelonious Monk (piano)
Percy Heath (bass)
Willie Jones (drums)

Produced by Ira Gitler
Recorded by Doug Hawkins
Recorded at WOR Studios, NYC; November 13, 1953

[Tracks] Sonny Rollins & Thelonious Monk - Thelonious Mon & Sonny Rollins
01. The Way You Look Tonight (music: Jerome Kern / words: Dorothy Fields)
02. I Want To Be Happy (music: Vincent Youmans / words: Irving Caesar)
03. Work (music: Thelonious Monk)
04. Nutty (music: Thelonious Monk)
05. Friday The 13th (music: Thelonious Monk)

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
Thelonious Monk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Sonny Rollins]
Sonny Rollins: The Official Website
The Sonny Rollins Page
The Complete Sonny Rollins
Sonny Rollins Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop (by Harvey Bloomfield)
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2006年05月02日

『セロニアス・モンク・トリオ』

theloniousmonk.jpg Thelonious Monk - Thelonious Monk

モンクのトリオ作品は、意外なことに4つしかありません。プレスティッジ盤『セロニアス・モンク・トリオ』、リヴァーサイド盤『プレイズ・デューク・エリントン』、同じくリヴァーサイド盤『ザ・ユニーク』、ブラック・ライオン盤『ザ・ロンドン・コレクション Vol. 1』『Vol. 2』『Vol. 3』です。

このうち、リヴァーサイドの2枚は制作者の意図により、それぞれエリントン集、スタンダード集となっていて、一番おいしいモンクス・オリジナルは含まれていません。ブラック・ライオン盤はモンク最後の公式録音(1971年)ですが、ソロとトリオが半々くらいで、純粋なトリオ作品とはいえません。というわけで、モンクのトリオを楽しむなら、プレスティッジ盤『セロニアス・モンク・トリオ』で決まりです(1952年10月15日、12月18日、1954年9月22日録音)。

この時期のモンクは、まだ一般的な知名度を獲得していたわけではないようです。というのも、1951年8月にドラッグ所持の罪に問われた結果、キャバレーカード(労働許可証のようなもの)を没収され、ニューヨーク中のクラブ(お酒を出す店のみ)から締め出されて、人前で演奏する機会に恵まれていなかったからです(モンクがふたたびキャバレカードを入手するのは57年です)。

この1951年の「事件」は、モンクの才能を世に知らしめるのを遅らせただけでなく、もう一人、悲劇の主人公を生み出します。モンクと並び称されるビバップの巨人バド・パウエルです。この事件の顛末については、後日あらためて紹介しましょう。

さて、この『セロニアス・モンク・トリオ』は、プレスティッジ初録音を含む3つのセッションで構成されています。モンクと相性がよかったドラマーはアート・ブレイキーだといわれていますが、そのブレイキーが6曲、残りの4曲はマックス・ローチが相方をつとめています。そういわれると、聞き比べたくなりますね(笑)。実際にやってみましょうか。条件を同じにするために、52年の2つのセッションから、モンクス・オリジナル対決といきましょう!

3曲目の〈ベムシャ・スウィング〉にエントリーしているのは、正確無比を信条とするローチ選手です。のっけからモンク流の不協和音が炸裂します。バックのローチ選手はバタバタとうるさいです(笑)。でも、モンクは意外にのっているようで、うなり声も冴えわたっています。モンクにしては手数の多い演奏ですね。途中ベースが消えて、モンクとローチだけになりますが、どういうわけかコール&レスポンスにはならず、モンクの後ろでもローチはタタタタタと叩き続けています。本当にうるさいです。うるさいというのは、「五月蝿い」と書きますが、顔のまわりにまとわりつく蝿(ハエ)のように、追っ払いたくなる気がするのは、私だけですか?

5曲目の〈リトル・ルーティー・トーティー〉では、ブレイキー選手が登場します。甲高い不協和音という意味では、こちらのほうが強烈です。でも、テーマが終わった後の落ち着きが全然違います。スムーズに流れ出します。ローチとの演奏が「対決」だとすると、ブレイキーとのそれは「共同作業」です。非常にしっくりくる。演奏としては断然上ですね。

モンクのバックで演奏するときのブレイキーは非常に細やかに神経を使っているのがわかります。耳を澄ませ、モンクの出す音を聞き漏らさずにそばに寄り添い、あくまでモンクが気持ちよく演奏できるようにお膳立てする。ジャズ・メッセンジャーズで見せるド派手なドラミングは封印して、伴奏者に徹しています。いいねえ。

でも、このアルバムの聞きものは、54年のセッションの2曲、ブレイキーとパーシー・ヒースが参加した〈ブルー・モンク〉とこのアルバムで唯一のソロ演奏〈ジャスト・ア・ジゴロ〉です。52年の各曲は、録音時間の制約から3分前後の演奏ばかりですが、〈ブルー・モンク〉は7分を超える演奏で、楽曲の構成という意味で、格段に奥行きを感じさせます。〈ジャスト・ア・ジゴロ〉は3分ほどの短い演奏ですが、このしっとりとした味わいには、捨てがたい魅力があります。

 

"Thelonious Monk"
(Prestige 7027)

Thelonious Monk (piano)
Percy Heath (bass) #1-2
Gary Mapp (bass) #3-10
Art Blakey (drums) #1-2, 5-8
Max Roach (drums) #3-4, 9-10

Produced by Bob Weinstock
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded in NYC; October 15 (#5-8), December 18 (#3-4, 9-10), 1952
Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, NJ :September 22, 1954 (#1-2)

[Tracks] Thelonious Monk - Thelonious Monk
01. Blue Monk (music: Thelonious Monk)
02. Just A Gigolo (music: Leonello Casucci / Julius Brammer [German], Irving Caesar [English])
03. Bemsha Swing (music: Thelonious Monk)
04. Reflections (music: Thelonious Monk)
05. Little Rootie Tootie (music: Thelonious Monk)
06. Sweet And Lovely (music+words: Gus Arnheim, Harry Tobias, Jules Lemare)
07. Bye-Ya (music: Thelonious Monk)
08. Monk's Dream (music: Thelonious Monk)
09. Trinkle Tinkle (music: Thelonious Monk)
10. These Foolish Things (music: Jack Strachey, Harry Link / words: Holt Marvell)

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
Thelonious Monk Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
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2006年05月01日

セロニアス・モンク『ソロ・オン・ヴォーグ』

soloonvogue.jpg

セロニアス・モンクはとっつきにくいといわれます。彼の和声は調子っぱずれに聞こえます。ミスタッチ? それとも、たんなるヘタくそ? 幼子がはじめてピアノに触れたときのようなもどかしさが、モンクのピアノにはあります。

でも、このまどろっこしさは一度ハマると抜け出せません。モンクの音選びはたしかに妙ですが、フリージャズを通過してきた耳には、きわめて「ふつう」に聞こえるのも事実です。

モンクのユニークな個性を正当に評価したのは、スティーヴ・レイシーやセシル・テイラーといったフリージャズ系の連中が多かったわけですが、リズムの制約からフリーになったものをフリージャズと呼ぶなら、モンク自身は、フリージャズに接近したことは一度もありません。あくまでオーソドックスなリズムの上に、独特の和声感覚で音を置いていく。

そう、まさに音を「置く」んです。メロディーラインを流暢に「弾く」のではなく、一つ一つ切り離された音たちを飛び石のように置いていく感覚。モンクのピアノ奏法はパーカッシヴ(打楽器的)と称されますが、同系列のデューク・エリントンやセシル・テイラーが文字どおり鍵盤を「叩きつける」のと比べると、モンクのそれは、もっとやさしい。「置く」というほうが当たっている気がします。

モンクのユニークさを知るには、彼のソロを聞くに限ります。いっさいの装飾を排したソロ・ピアノだからこそ、モンクの個性が際立つわけです。そして、その個性は意外と「わかりやすい」。モンクには、モンクなりの流儀がある。その流儀は、一部の人とは相容れないものかもしれませんが、いったんモンクのワールドに入ってしまえば、とても自然で、耳障りな感じを覚えることはありません。

モンクは、別に奇をてらってその音を選んだわけじゃない。モンクの頭のなかでは、その音が必然なのです。彼のソロ・ピアノを聞いていると、そのことがよくわかる。そして、難解に思われていた彼の音楽が、実は親しみにあふれた音楽であることに気づくのです。

フランスのヴォーグに残された『ソロ・オン・ヴォーグ』は、1954年6月7日に録音されたモンク初のソロ・アルバムです。ここには、普段着のモンクがいます。緊張で研ぎすまされたモンクもいいですが、リラックスしたモンクもまた、楽しいものです。モンクはつねに帽子を手放さなかったといいますが、ベースボール・キャップをかぶったバップの高僧(モンクには「修道士、僧侶」という意味がある)のおかしみを楽しんでください。きっとモンクが好きになります。

 

"Thelonious Monk"
(Vogue 500 104)

Thelonious Monk (piano)

Produced by Henri Renaud
Recorded in Paris; June 7, 1954

[Tracks]
01. 'Round About Midnight (music: Thelonious Monk)
02. Evidence (music: Thelonious Monk)
03. Smoke Gets in Your Eyes (music: Thelonious Monk)
04. Well, You Needn't (music: Thelonious Monk)
05. Reflections (music: Thelonious Monk)
06. Wee See (music: Thelonious Monk)
07. Eronel (music: Thelonious Monk)
08. Off Minor (music: Thelonious Monk)
09. Hackensack (music: Thelonious Monk)

[Links: Thelonious Monk]
THE MONK ZONE: The Official Thelonious Sphere Monk Website
The Thelonious Monk Website
Thelonious Monk Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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