2006年01月27日

アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ』

auclubsaintgermain1.jpg 

auclubsaintgermain2.jpg 

auclubsaintgermain3.jpg

1958年10月末に時代を画する傑作『モーニン』をものにしたアート・ブレイキーとジャズ・メッセンジャーズ(JM)の面々は、その年の暮れ、ヨーロッパへと旅立ちます。

折しも、フランス映画界はヌーヴェル・ヴァーグ真っ盛り。早くも57年には、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)が映画『大運河』のために『たそがれのヴェニス』を吹き込み、マイルス・デイヴィスもサントラ盤『死刑台のエレベーター』を残すなど、ジャズと映画の熱い関係が注目された時期でした。そんな最中に同地を訪れた JM が放っておかれずはずもなく、彼らも初のサントラ盤『殺られる』を吹き込んでいます(58年11月28日録音)。

『モーニン』収録で勢いに乗るこの時期の JM は絶好調。58年末のツアーでも、彼らは2つの傑作ライヴを残します。1つは『パリ・オリンピア・コンサート』(11月12日、12月17日録音)。そして、もう1つが、今日紹介する『サンジェルマンのジャズ・メッセンジャーズ Vol. 1』『同 Vol. 2』『同 Vol. 3』です(いずれも、12月21日録音)。

「ファンキー・ジャズの伝道師」とは、名曲〈モーニン〉を引っさげて各国をまわった JM に与えられた称号ですが、ブームとなったのもうなずけるような、熱い演奏が続きます。

それにしても、フランス人はよくしゃべる(笑)。演奏中も、のべつまくなししゃべり続けています。じゃあ演奏は聞いてないかというと、そんなことはなくて、メンバーがくり出す音やリズムには敏感に反応します。知っているメロディーが流れれば、いっしょに歌いだすし、笑ったり、声を張り上げたり、忙しいことこのうえない。でも、やけに楽しそうなんですね。こういう観客って、演奏しているほうも楽しいだろうなあ。何かおかずを出すと、いちいち反応してくれるわけですから。

  



Art Blakey & The Jazz Messengers "Au Club Saint-Germain 1958, Vol. 1"
(RCA 430043)
Art Blakey & The Jazz Messengers "Au Club Saint-Germain 1958, Vol. 2"
(RCA 430044)
Art Blakey & The Jazz Messengers "Au Club Saint-Germain 1958, Vol. 3"
(RCA 430045)

Lee Morgan (trumpet)
Benny Golson (tenor sax)
Bobby Timmons (piano)
Jymie Merritt (bass)
Art Blakey (drums)

Recorded live at the Club Saint-Germain, Paris; December 21, 1958

[Tracks: Vol. 1]
01. Politely (music: Bill Hardman)
02. Whisper Not (music: Benny Golson)
03. Now's The Time (music: Charlie Parker)
04. The First Theme

[Tracks: Vol. 2]
01. Moanin' With Hazel (music: Bobby Timmons)
02. Evidence (music: Thelonious Monk)
03. Blues March For Europe No 1 (music: Benny Golson)
04. Like Someone In Love (music: Jimmy Van Heusen / words: Johnny Burke)

[Tracks: Vol. 3]
01. Along Came Manon (music: Benny Golson)
02. Out Of The Past (music: Benny Golson)
03. A Night In Tunisia (music: Dizzy Gillespie, Frank Paparelli)
04. Ending With The Theme

[Links: Lee Morgan]
The Lee Morgan Discography (by Masaya MATSUMURA)
Lee Morgan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Benny Golson]
Benny Golson's Official Website
[Links: Bobby Timmons]
Bobby Timmons Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 09:53| Comment(1) | TrackBack(0) | RCA Victor | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月25日

アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ『モーニン』

moanin.jpg Art Blakey & The Jazz Messengers - Moanin'

いくつかのレーベルを渡り歩き、長らく不遇をかこってきたブレイキー率いるジャズ・メッセンジャーズ(JM)ですが、1958年秋、メンバーを刷新して古巣ブルーノートに復帰、これまでの低迷がウソのように、見事に復活を遂げます。

奇跡の復活劇の立役者は、トランペットのリー・モーガン。56年のデビュー以来、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでシーンを席巻していたモーガンを主役の座にすえ、音楽監督に、デビュー後のモーガンを陰で支えた名アレンジャー、ベニー・ゴルソンを迎えた時点で、彼らの成功は約束されたも同然でした(2人は第3次ガレスピー・ビッグバンドの同僚でした)。

ご存じ『モーニン』(58年10月30日録音)は、ファンキー時代の到来を高らかに宣言した傑作です。ブレイキーの黒光りしたどアップ写真が恐ろしいとか、品格に欠けるとか、いいかげん聞き飽きたとか、いろいろいわれていますが、心を真っ白にしてあらためて耳を傾けてみると、やっぱりいいんですよ、これが。これくらい、ジャズのにおいがストレートに漂ってくる作品はありません。もうクラクラのメロメロです(笑)。

このアルバムからは、新時代の息吹が感じられます。モーガンのブリリアントな音色もさることながら、ティモンズの後を引くピアノに、ナイアガラ瀑布にたとえられるブレイキーのド派手なパフォーマンスが華を添えます。

JM 最大のヒット曲といえば、このアルバムに収録されたティモンズ作〈モーニン〉とゴルソン作〈ブルース・マーチ〉ですが、この2曲、品がないといえば、たしかに品はありません(笑)。そもそもこういう曲に品格を求めるほうが間違いで、「イエ〜イ」とうめきながら(モーンは「うめく」という意味)、キメキメの決めセリフを楽しむというのが、正しい聞き方です。

でも、このアルバムが名盤たり得ているのは、同じくゴルソン作の〈アー・ユー・リアル〉が入っているから、といったら、いいすぎでしょうか? これはいいです! 非常に優雅で叙情的、高貴な雰囲気さえ感じられます。この曲を聞いた後では、〈ドラムサンダー組曲〉なんて下世話な曲でさえも、名盤特有のオーラが漂っている気がするから不思議です。

 

Art Blakey & The Jazz Messengers "Moanin'"
(Blue Note BLP-4003)

Lee Morgan (trumpet)
Benny Golson (tenor sax)
Bobby Timmons (piano)
Jymie Merritt (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, NJ; October 30, 1958

[Tracks] Art Blakey & The Jazz Messengers - Moanin'
01. Moanin' (music: Bobby Timmons)
02. Are You Real (music: Benny Golson)
03. Along Came Betty (music: Benny Golson)
04. The Drum Thunder Suite (music: Benny Golson)
05. Blues March (music: Benny Golson)
06. Come Rain Or Come Shine (music: Harold Arlen / words: Johnny Mercer)

[Links: Lee Morgan]
The Lee Morgan Discography (by Masaya MATSUMURA)
Lee Morgan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Benny Golson]
Benny Golson's Official Website
[Links: Bobby Timmons]
Bobby Timmons Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | Blue Note | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

アート・ブレイキーズ・ジャズ・メッセンジャーズ『チュニジアの夜』

anightintunisia_vik.jpg Art Blakey - Night in Tunisia

1956年5月、ジャズ・メッセンジャーズ(JM)の両巨頭、アート・ブレイキーとホレス・シルヴァーはいよいよ別々の道を歩みはじめます。解散が先か、シルヴァーの独立が先かは定かではありませんが、結果的に、シルヴァーはブレイキー以外のすべてのメンバーを自己のグループのメンバーとして雇い入れることになります。

ブレイキーの側から見れば「裏切り」に等しい行為ですが、シルヴァーの側から見ると「仕事にあぶれた」メンバーを救ったということになります。まあ、こういうのは双方に言い分があって、どっちが正しいとか、どっちが悪いとかはいえませんが、シルヴァーとモブレイという作曲、編曲に秀でた2人の才能を同時に失ったブレイキーの窮状は想像するにあまりある。実際,この後数年にわたって JM は不遇時代を迎えます。

この『チュニジアの夜』は、そんな時代の作品です。RCA 傘下のヴィック・レーベルに残されました(1957年4月8日録音)。ブルーノートにも同じ JM 名義の『チュニジアの夜』というアルバムがあるので、注意してください(1960年8月7日、14日録音。BLP−4049)。

ヴィック盤のほうは、グループ名が「アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズ」ではなく、「アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズ」となっているところに、ブレイキーの自負がにじみ出ています(笑)。

メンバーを見ると、不遇時代にしては意外と豪華で、アルトのジャッキー・マクリーンにテナーのジョニー・グリフィンが名を連ねています。メンバー総入れ替え後の JM は、まずマクリーン入りのクインテットでスタートし、その後、グリフィンがマクリーンと入れ替わります。この作品では例外的に2人が顔をそろえたようです。

それでも何となく印象がうすいのは、トランペット(とピアノ)が役不足だからですね。ビル・ハードマンには悪いですが、トランペットは何といってもハードバップの「華」ですから、そこが弱いと、全体に印象に残りにくい。それは事実です。

でも、私はこの作品が嫌いではありません。ガレスピー作の〈チュニジアの夜〉は、いつでも聞くものを熱くしてくれるジャム・セッションの定番曲ですが、マクリーンもグリフィンも、お互いにいい刺激になったのか、どちらも熱く突っ走ります。後半のブレイキーのロング・ソロなど、まさに彼の独壇場です。13分にも及ぶ長尺な演奏なのですが、ほとんどそれを感じさせません。この1曲のおかげで、このアルバムは歴史の彼方に消え去るのをまぬがれたといえるかもしれません。

 

Art Blakey's Jazz Messengers "A Night In Tunisia"
(Vik LXA 1115 → RCA LPM 2654/LSP 2654)

Bill Hardman (trumpet)
Jackie McLean (alto sax)
Johnny Griffin (tenor sax)
Sam Dockery (piano)
Spanky DeBrest (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Bob Rolontz
Recorded in NYC; April 8, 1957

[Tracks] Art Blakey - Night in Tunisia
01. A Night In Tunisia (music: Dizzy Gillespie, Frank Paparelli)
02. Off The Wall (music: Johnny Griffin)
03. Theory Of Art (music: Bill Hardman)
04. Couldn't It Be You? (music: Jackie McLean)
05. Evans (music: Sonny Rollins)

[Links: Jackie McLean]
Jackie McLean (@ ジャズの酒蔵)
Bluesnik: Jackie McLean (by masaki nakano)
Jackie McLean Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Johnny Griffin]
Johnny Griffin Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 06:50| Comment(2) | TrackBack(0) | RCA Victor | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月23日

ドナルド・バード『バーズ・アイ・ビュー』

byrdseyeview.jpg

ドナルド・バードがジャズ・メッセンジャーズ(JM)名義で残した作品は、昨日紹介した『ザ・ジャズ・メッセンジャーズ』と JM がバックをつとめた『クール・ヴォイス・オブ・リタ・ライス』くらいしかありませんが、JM のメンバーを丸ごと借り受けて吹き込んだリーダー作があります。それがこの『バーズ・アイ・ヴュー』で、トム・ウィルソンのトランジション・レーベルに残されています(1955年12月2日録音)。

ところが、どういうわけか、ここには JM のメンバーに加えてジョー・ゴードンというトランペット奏者が入っています。同じ楽器の共演といえば「バトル」ですが、切った張ったの熱いバトルを想像すると、肩すかしにあうかもしれません。人数がふえたことで、互いに気を使いすぎたのか、どうにもはじけない。全体にこじんまりしているのです。ああ、もったない。

ジョー・ゴードンは35歳で亡くなったので、作品数も限られ、激レアなアーティストなのですが、そういう稀少価値は別として、このアルバムは JM のメンバーだけでいくべきでした。だって、これだけのメンバーそろえて、演奏がおとなしいって、どういうことやねん!

2曲目〈エル・シノ〉は、オリジナル・ライナーによると、ボストン・ステイブル・ジャズ・クラブのテーマソングだそうです。最後の〈クレイジー・リズム〉はオリジナル LP には含まれず、オムニバス盤『ジャズ・イン・トランジション』に収録されていました。



Donald Byrd "Byrd's Eye View"
(Transition TRLP-4)

Donald Byrd (trumpet)
Joe Gordon (trumpet)
Hank Mobley (tenor sax)
Horace Silver (piano)
Doug Watkins (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Tom Wilson
Recorded by Arnie Ginsberg
Recorded at Harvard Square, Cambridge, MA; December 2, 1955

[Tracks]
01. Doug's Blues (traditional)
02. El Sino (music: Charles Greenlee (aka. Harneefan Mageed))
03. Everything Happens To ME (music: Matt Dennis / words: Tom Adair)
04. Hank's Tune (music: Hank Mobley)
05. Hank's Other Tune (music: Hank Mobley)
06. Crazy Rhythm (music: Joseph Mayer, Roger Wolfe Kahn / words: Irving Caesar)

[Links: Donald Byrd]
Donald Byrd Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Joe Gordon]
Joe Gordon Discography (@ JazzDiscography.com)
[Links: Hank Mobley]
Hank Mobley Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Horace SIlver]
Horace Silver Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Horace Silver Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Doug Watkins]
Doug Watkins Discography (by Vincent Bessieres)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月22日

『ザ・ジャズ・メッセンジャーズ』

thejazzmessengers.jpg

話をジャズ・メッセンジャーズ(JM)に戻しましょう。ケニー・ドーハムがジャズ・プロフェッツ結成のために抜けた穴を埋めたのは、ドナルド・バードでした。コロンビア盤『ザ・ジャズ・メッセンジャーズ』には、JM 解散直前の模様が記録されています(1956年4、5月録音)。

このアルバムでは、ハードバップ期を代表する2人のコンポーザー、ホレス・シルヴァーのオリジナル2曲と、ハンク・モブレイのオリジナル3曲が演奏されています。

モブレイ作の1曲目〈インフラ・レイ〉は、のちにシカゴ出身のテナー奏者クリフ・ジョーダンのマネージャーをつとめることになる女性レイ・リスナー(Rae Lissner)に捧げられた曲。ケニー・ドーハムにも〈エイジアティック・レイズ〉という曲がありますが(別名〈ロータス・ブラッサム(蓮の花)〉のほうが有名ですね。例の『静かなるケニー』で演奏されています。〈エイジアティック・レイズ〉というタイトルでは、ソニー・ロリンズが『ニュークス・タイム』で演奏しています)、これも同じ女性に捧げられたものだといいます。

シルヴァーの代表曲ともなった2曲目〈ニカの夢〉は有名なパトロン、ニカ男爵夫人(Baroness Nica de Koenigswarter)に捧げられた曲で、この曲の初演でもあります。チャーリー・パーカーの最期を看取った人として知られていますが、食えないジャズメンに愛の手を差し伸べた人として、彼女ほど名前入りの曲を贈られた女性もいないのではないでしょうか。いちばん有名なのはこの〈ニカの夢〉ですが、他にも、セロニアス・モンクの〈パノニカ〉(『ブリリアント・コーナーズ』収録)、ジジ・グライスの〈ニカズ・テンポ〉(『ニカズ・テンポ』収録)、ソニー・クラークの〈ニカ〉(タイム盤『ソニー・クラーク・トリオ』収録)、などがあります。

5曲目の〈キャロルズ・インタールード〉のキャロルさんは、残念ながら誰だか知りません。というか、このアルバムは、もしかしたら女性への「メッセージ」だらけなのでしょうか??? だとしたら、5曲目〈ジ・エンド・オブ・ラヴ・ア・ラヴ・アフェア〉(情事の終わり)は、気の利いた洒落なのかもしれません(笑)。

ちなみに、4曲目〈エカロー(Ecaroh)〉は作曲者のホレス(Horace)のスペルを逆から読んだものです。愛の秘め事とは、あんまり関係ないですね(笑)。



"The Jazz Messengers"
(Columbia CL 897)

Donald Byrd (trumpet)
Hank Mobley (tenor sax)
Horace Silver (piano)
Doug Watkins (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by George Avakian
Recorded by Tony Janick
Recorded live at Columbia 30th Street Studio, NYC; April 6 (#1-3, 5-6), May 4 (#4, 7), 1956

[Tracks]
01. Infra-Rae (music: Hank Mobley)
02. Nica's Dream (music: Horace Silver)
03. It's You Or No One (music: Jule Styne / words: Sammy Cahn)
04. Ecaroh (music: Horace Silver)
05. Carol's Interlude (music: Hank Mobley)
06. The End Of A Love Affair (music+words: Edward C. Redding)
07. Hank's Symphony (music: Hank Mobley)

[Links: Donald Byrd]
Donald Byrd Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Hank Mobley]
Hank Mobley Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Horace Silver]
Horace Silver Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Horace Silver Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Doug Watkins]
Doug Watkins Discography (by Vincent Bessieres)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop (by Harvey Bloomfield)
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 01:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Columbia (Epic) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』

roundaboutmidnightatbohemia.jpg Kenny Dorham - The Complete 'Round About Midnight At the Cafe (Rudy Van Gelder Edition)

ケニー・ドーハムの短命に終わったグループ「ジャズ・プロフェッツ」の唯一のライヴ盤、それが『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』です(1956年5月31日録音。ピアノはボビー・ティモンズに代わっています)。

といっても、ジャケットのどこを探してもグループ名は見当たりません。それがブルーノートのプロデューサー、アルフレッド・ライオンの美学によるものかどうかは判然としませんが、ひとつ言えるのは、このアルバムはジャズ・プロフェッツ単独の作品ではないということです。このライヴのわずか2日前に、初リーダー作となった『イントロデューシング・ケニー・バレル』を録り終えたばかりの新人ギタリスト、ケニー・バレルが客演しているからです。

アルフレッド・ライオンはバレルのギターに惚れ込んだ。それはわかるのですが(私も大好きです!)、だからといって、誕生したばかりのグループに(半ば強引に)メンバーではない人間を客演させたばかりでなく、そのグループの名前すら隠してしまうというのは、いかがなものでしょう。「ジャズ・プロフェッツ」は終わるべくして終わった。引導を渡したのは、他ならぬアルフレッドだった。そう言われてもしかたがないようなエピソードではあります。

それはさておき、カフェ・ボヘミアでくり広げられたこのライヴ、演奏的にはたいへん充実しています。というか、バレルがいいんですよ。完全に主役を食う勢いです。まあ、こういうのを聞かされると、アルフレッドの気持ちもわからないではないのですが。たとえば、〈メキシコ・シティ〉や〈ヒルズ・エッジ〉のバレルのソロに耳を傾けてください。「ク〜ッ、たまらん」のため息も漏れようというものです(笑)。

でもでも、ドーハムもいいんですよ(今さら遅い?)。この当時のドーハムは音に伸びがあって、クリアなんです。ハードバップのトランペットはこうじゃなくちゃ、という典型的な演奏です。実に気持ちいい。音を短く切ってブツ切りに刻んでいくモンテローズには
好き嫌いがあるとは思いますが、この男らしさに一度ハマると、けっこう楽しめます。

 

Kenny Dorham "'Round About Midnight At The Cafe Bohemia"
(Blue Note BLP-1524)

Kenny Dorham (trumpet)
J.R. Monterose (tenor sax) except #5
Bobby Timmons (piano)
Kenny Burrell (guitar) except #2, 5
Sam Jones (bass)
Arthur Edgehill (drums)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded live at Cafe Bohemia, NYC; May 31, 1956

[Tracks] Kenny Dorham - The Complete 'Round About Midnight At the Cafe (Rudy Van Gelder Edition)
01. Monaco (music: Kenny Dorham)
02. 'Round Midnight (music: Thelonious Monk, Cootie Williams / words: Bernie Hanighen)
03. Mexico City (music: Kenny Dorham)
04. A Night In Tunisia (music: Dizzy Gillespie, Frank Paparelli)
05. Autumn In New York (music+words: Vernon Duke)
06. Hill's Edge (music: Kenny Dorham)

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: J.R. Monterose]
J.R. Monterose (@ Nelson's Navigator for Modern Jazz)
J.R. Monterose Discography (@ JazzDiscography.com)
[Links: Bobby Timmons]
Bobby Timmons Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 00:49| Comment(0) | TrackBack(0) | Blue Note | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月21日

ケニー・ドーハム『ザ・ジャズ・プロフェッツ』

thejazzprophets.jpg

ジャズ・メッセンジャーズが最終的に解散に追い込まれたのは、ブレイキーとシルヴァーの確執(=頭目争い)が原因ですが、オリジナル JM がたった1枚(2枚)のアルバムしか残さなかったのは、ケニー・ドーハムが自分のグループ「ジャズ・プロフェッツ」を結成するために、いち早く JM を脱退したからです。

その名も『ザ・ジャズ・プロフェッツ』と題されたこのアルバムは、ドーハムが満を持して結成したグループのデビュー盤です(1956年4月4日録音)。

ドーハムとフロントを分けるのは、白人のテナー奏者 J.R. モンテローズです。ブルーノート1500番台にリーダー作をもつ数少ない白人として、あるいはミンガスの『直立猿人』に出ていた人として、知る人ぞ知る存在ですね(実は、ジャッキー・マクリーンが参加予定だったという話もあるようです。マクリーンも参加した『直立猿人』の吹き込みが56年1月末ですから、さもありなん、という気もします。未確認ですが)。

ジャケットをよく見ると「Vol. 1」と書かれています。 これだけ見ると、当然「Vol. 2」があるものと期待しますが、そんなものはどこを探しても見つかりません。なにしろリーダー自ら、この年の9月には、友人の窮地を救いに他のグループに馳せ参じてしまうのですから、長続きするわけがありません。その間、わずか半年。リーダーになれない「いい人」ドーハムの「らしさ」が感じられるこのエピソードについては、また後日ということで。

アルバムは、グループ名を冠したドーハム作〈ザ・プロフェッツ(預言者)〉で幕を明けます。グループの門出を祝うにふさわしい、イキのいい演奏です。ドーハムも絶好調で、のびやかなトーンで聞かせます。

5曲目の〈タヒチアン組曲〉。どこかで聞いたメロディだなと思っていたら、なんてことはない、次回紹介する『カフェ・ボヘミアのケニー・ドーハム』の冒頭を飾った〈モナコ〉と同じ曲でした。気づかせてくれたのは、塩サバ通信この記事です。ヘタウマの手書きのジャケットとともに、脱力系のコメントが秀逸です。

ドーハムのオリジナルの中に、唯一入っているビリー・ホリデイの〈ドント・エクスプレイン(言い訳しないで)〉。ドーハムは珍しくミュートをつけて吹いています。格調高い曲の調べに乗って、少しかしこまった雰囲気のドーハム。これも悪くないね。

 

Kenny Dorham "The Jazz Prophets, Vol. 1"
(ABC-Paramount ABC 122)

Kenny Dorham (trumpet)
J.R. Monterose (tenor sax)
Dick Katz (piano)
Sam Jones (bass)
Arthur Edgehill (drums)

Produced by Creed Taylor
Recorded by Irv Greenbaum
Recorded in NYC; April 4, 1956

[Tracks]
01. The Prophet (music: Kenny Dorham)
02. Blues Elegante (music: Kenny Dorham)
03. DX (music: Kenny Dorham)
04. Don't Explain (music+words: Billie Holiday, Arthur Herzog Jr.)
05. Tahitian Suite (music: Kenny Dorham)

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: J.R. Monterose]
J.R. Monterose (@ Nelson's Navigator for Modern Jazz)
J.R. Monterose Discography (@ JazzDiscography.com)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 23:21| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ケニー・ドーハム『アフロ・キューバン』

afrocuban.jpg Kenny Dorham - Afro-Cuban

ジャズ・メッセンジャーズ結成(1955年2月末)に参画したケニー・ドーハムは、この直後に決定的名演をものにします。ドーハムの名を、現代クラブシーンにまで轟かせた傑作、『アフロ・キューバン』は同年3月、オリジナル JM のメンバー(ブレイキー、シルヴァー、モブレイ)に、J.J. ジョンソン、セシル・ペイン、オスカー・ペティフォード、そして、コンガのポテト・ヴァルデスを加えたオクテット(8重奏団)で収録されました(前半の4曲のみ)。

とにかく冒頭の〈アフロディジア〉を聞いてください。これで腰がムズムズしなけりゃ、そりゃウソです。俺がグルーヴを教えてやる、といわんばかりのご機嫌な演奏で、「ドーハム=ラテンの情熱」という公式があなたの中にもくっきりと刻み込まれること、間違いなしです。オクテットということで、アレンジ過多のつまらない演奏を想像する人がいるかもしれませんが、そんな心配はご無用です。この分厚いサウンドがあってこそ、ラテンのノリも生きてきます。

そして、『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol. 1』でも取り上げられていた名曲〈マイナーズ・ホリデイ〉。ドーハムのソロではあちらに軍配が上がりますが、こっちの演奏もノリノリです。好きだなあ。

ところで、なんでドーハムが「アフロ・キューバン」なのか。それは、ドーハムがディジー・ガレスピーのビッグバンド出身ということと無関係ではありません。そもそもアフロ・キューバン・ジャズという音楽をこの世に知らしめたのがガレスピーだったわけで、彼が40年代中期に率いていた第2次ビッグバンドには、ドーハムのほかにも、ソニー・スティット (as)、ミルト・ジャクソン (vib)、ジョン・ルイス (p)、レイ・ブラウン (b)、ケニー・クラーク (ds) ら錚々たるメンバーが参加していました。この第2次ビッグバンドのリズム・セクションから、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)が生まれたというのは有名な話です(その時代の模様は『グルーヴィン・ハイ』などで聞くことができます)。

このアルバムはブルーノート1500番台初期の作品の例にもれず、10インチ盤の焼き直しを含んでいます。ラテン・フレイバーが横溢した前半の4曲(3月29日録音)は、同タイトルの10インチ盤(5065)から、残りの3曲は、1月30日録音の未発表音源から収録されています。

 

Kenny Dorham "Afro-Cuban"
(Blue Note BLP-1535)

Kenny Dorham (trumpet)
J.J. Johnson (trombone) #1-4
Hank Mobley (tenor sax)
Cecil Payne (baritone sax)
Horace Silver (piano)
Oscar Pettiford (bass) #1-4
Percy Heath (bass) #5-7
Art Blakey (drums)
Carlos "Potato" Valdes (conga) #1-4
Richie Goldberg (cowbell) #1, 3

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studiio, Hackensack, NJ; January 30 (#5-7), March 29 (#1-4), 1955

[Tracks] Kenny Dorham - Afro-Cuban
01. Afrodisia (music: Kenny Dorham)
02. Lotus Flower (music: Kenny Dorham)
03. Minor's Holiday (music: Kenny Dorham)
04. Basheer's Dream (music: Gigi Gryce)
05. K.D.'s Motion (music: Kenny Dorham)
06. The Villa (music: Kenny Dorham)
07. Venita's Dance (music: Kenny Dorham)

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: J.J. Johnson]
J.J. Johnson Album Cover Gallery (@ Christo's Home Page)
[Links: Hank Mobley]
Hank Mobley Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Horace Silver]
Horace Silver Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Horace Silver Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Oscar Pettiford]
Oscar Pettiford (by Hans-Joachim Schmidt)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 14:57| Comment(0) | TrackBack(0) | Blue Note | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月20日

『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ』

atcafebohemia1.jpg Art Blakey & The Jazz Messengers - The Jazz Messengers - At the Cafe Bohemia, Vol. 1

atcafebohemia2.jpg Art Blakey & The Jazz Messengers - Art Blakey: At the Cafe Bohemia, Vol. 2 (The Rudy Van Gelder Edition)

アート・ブレイキーは「メッセンジャーズ」という名前をはるか昔、1940年代から使っていましたが、そこに「ジャズ」をつけたのは、同僚のホレス・シルヴァーのアイディアだとか。1955年の2月末、「ジャズ・メッセンジャーズ(JM)」は誕生します。

オリジナルのメンバーは、トランペットのケニー・ドーハム、テナー・サックスのハンク・モブレイ、ベースのダグ・ワトキンス、それに、ブレイキーにシルヴァーという豪華な面々です。

ところが、このオリジナル・メンバーによる JM の作品は、『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol. 1』『同 Vol. 2』の2枚しか残されていません。『ホレス・シルヴァー&ジャズ・メッセンジャーズ』という作品もあるにはあるのですが(メンバーは同じ)、これは正式には JM を名乗る直前に録音されたもので、「ホレス・シルヴァー・クインテット」名義で発売された2枚の10インチ盤(5058、5062)を1枚の12インチ盤にまとめたものにすぎません(54年11月13日、55年2月6日録音)。

じゃあ、なんで JM とついているのかといえば、12インチ盤の発売順の関係で、まず『カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ』が出た(1507、08)。次に『ホレス・シルヴァー&ジャズ・メッセンジャーズ』が出た(1518)。「メンバーも同じだし、時期も近いから、まっいいか」というわけで、JM の名前を使ってしまったんですね。別に目くじらたてるほどのことでもないですが、安直なもんです(笑)。

さて、そうなると、困る人が出てきます。ブレイキーです。JM ってのは自分のグループだと思っていたら、最初に出た『カフェ・ボヘミアの〜』はリーダーなしの JM 名義、次に出た『ホレス・シルヴァー&〜』はもちろんシルヴァー名義です。「ひょっとして、俺ってグループ乗っ取られちゃった?」と疑心暗鬼におちいったかどうかは寡聞にして知りませんが(笑)、あたかもそれを埋め合わせるかのように、録音順では一番古い『バードランドの夜』(54年2月21日録音)が今度はブレイキー名義で「1521、22番」として発売されたあたりに、なにやらキナ臭いものを感じます(笑)。

まあ、それはそれとして、ブレイキーもシルヴァーも「お山の大将」なんですね。1つのグループに大将は1人でじゅうぶんです。2人が袂を分かつのは、当然のなりゆきだったのでしょう。生まれたばかりの JM は早くも56年5月には解散に追い込まれます。ブレイキーは名(JM というグループ名)を、シルヴァーは実(ブレイキーを除くメンバー全員)をとって、手打ちということに相成りました。

そんなわけで、オリジナル JM 唯一の形見となってしまった本作ですが、演奏はといえば、半年後の解散など信じられないような快演が続きます。とくに聞きものなのは、ケニー・ドーハムです。『静かなるケニー』というたった1枚のアルバムによって、渋いトランペット奏者という妙なレッテルを貼られてしまった彼ですが、ドーハムの本質は「哀愁」なんかにありません。熱くたぎるような「情熱」にこそ、ドーハムらしさがあふれています。それは、Vol. 1 の3曲目〈マイナーズ・ホリデイ〉を聞けばわかるはず。ここでのドーハムはほんとにすさまじい。神がかりとはこのことで、どこまでも熱く迫ります。

この曲は、ドーハムのラテン・サイドの傑作『アフロ・キューバン』でも演奏されていましたが、この曲に関しては、こちらのライヴ録音に軍配が上がります。だって、ホンマにキテまっせ。ドーハムの認識を改めるためにも、ぜひご一聴あれ。

あと、Vol. 2 の4曲目〈アヴィラ・アンド・テキーラ〉もいいね。こちらはモブレイの作品ですが、これこれ、このラテンのノリとにぎやかさこそ、ブレイキーにふさわしい。いい曲です。

 

 

"The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 1"
(Blue Note BLP-1507)
"The Jazz Messengers At The Cafe Bohemia, Vol. 2"
(Blue Note BLP-1508)

Kenny Dorham (trumpet)
Hank Mobley (tenor sax)
Horace Silver (piano)
Doug Watkins (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded live at Cafe Bohemia, NYC; November 23, 1955

[Tracks: Vol. 1] Art Blakey & The Jazz Messengers - The Jazz Messengers - At the Cafe Bohemia, Vol. 1
01. Soft Winds (music: Benny Goodman / words: Fred Royal)
02. The Theme
03. Minor's Holiday (music: Kenny Dorham)
04. Alone Together (music: Arthur Schwartz / words: Howard Dietz)
05. Prince Albert (music: Kenny Dorham, Max Roach)

[Tracks: Vol. 2] Art Blakey & The Jazz Messengers - Art Blakey: At the Cafe Bohemia, Vol. 2 (The Rudy Van Gelder Edition)
01. Sportin' Crowd (music: Hank Mobley)
02. Like Someone In Love (music: Jimmy Van Heusen / words: Johnny Burke)
03. Yesterdays (music: Jerome Kern / words: Otto Harbach)
04. Avila And Tequila (music: Hank Mobley)
05. I Waited For You (Walter Gil Fuller)

[Links: Kenny Dorham]
Una Mas: Kenny Dorham Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Kenny Dorham Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Hank Mobley]
Hank Mobley Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Horace Silver]
Horace Silver Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Horace Silver Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Doug Watkins]
Doug Watkins Discography (by Vincent Bessieres)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 14:23| Comment(2) | TrackBack(7) | Blue Note | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月19日

アート・ブレイキー『バードランドの夜』

anightatbirdland1.jpg Art Blakey - A Night At Birdland, Vol.1

anightatbirdland2.jpg Art Blakey Quartet - A Night At Birdland, Vol.2

いやあ、死ぬかと思いました、この年末年始は。私はこれまで1日は24時間だと思い込んでいたのですが、それじゃたりないってことをはじめて知りました(笑)。1日が30時間とか40時間くらいになってくると、ちょうど3日間(72時間)くらいのサイクルで生活が回るようになって、その間になんとか9〜10時間の睡眠を確保するという日々を送ってました。生き地獄とはまさにこのことで、眠れない、意識がもうろうとする、イライラする、家族からは恨まれる、、、朝起きて夜眠るという当たり前のことが、人間らしさを保つうえでどれだけ大切なのか、実感しました。

で、そんな地獄のような日々とも昨日でお別れ。ようやくすべての原稿を入稿し終えて、今日は久しぶりにゆったりとした気持ちで朝を迎えました。あっ、そうそう、忘れるところでした。みなさん、明けましておめでとう。あいさつがまだでしたね。いつもサボりがちですが、今年も懲りずにおつきあいくださいな。

トランペット奏者の変遷をたどるときに避けて通れないのが、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズ(以下、JM と略す)です。ブレイキーのもとには、のちに大物になったラッパ吹きが多数去来して、「ハードバップ・スクール」とでもいうべき様相を呈していました。校長はもちろんアート・ブレイキー(Arhur Blakey)。後にイスラム教に改宗して、Abdullah Ibn Buhaina を名乗ります。1919年10月11日、ペンシルヴァニア州ピッツバーグ生まれ。1990年10月16日、ニューヨーク州ニューヨークで死去しました。

ブレイキーは、ドラマー人生のほとんどを JM のリーダーとしてすごしましたが(そういう意味では、恵まれた人生でした)、この『バードランドの夜 Vol. 1』『同 Vol. 2』は、JM 結成前夜の模様をおさめた貴重なドキュメントです。

1954年2月に行われたこのライヴ、俗に「ハードバップ誕生の瞬間を記録した」作品といわれていますが、こういう評価は眉に唾をつけて聞いたほうがいい。たとえばマイルスは、早くも51年に『ディグ』を録音しているし、52年から54年にかけて行われた一連のブルーノート・レコーディングも(『マイルス・デイヴィス Vol.1』『同 Vol.2』)、まぎれもないハードバップの作品です。

にもかかわらず、この作品が「ハードバップ誕生の瞬間を記録した」といわれるのはなぜか。それは、熱狂的なライヴの興奮ということもさることながら、メロディアスなフレーズを連発するブラウニーに負うところが大きい。ここには、私たちが「ジャズ」という言葉を聞いて連想する音があります。リズムがあります。そして、興奮もつまっています。それは、それ以前のビバップから聞かれる音楽とは、似て非なるものでした。

ビバップが天才的な「個」のひらめきに頼った音楽だったのに対して、ハードバップは「集団」の音楽です。よくも悪くも、強烈な「個」の存在なしには成立し得なかったビバップは、ある意味、ミュージシャンに過度の緊張を強いる音楽でした。なにしろ毎日が殺るか殺られるかという殺伐とした世界です。ミュージシャンどうしの果たし合いは日常茶飯事、勝ち残った者だけがスポットライトをあびる戦国時代だったわけです。パーカーやパウエルといった破滅型のミュージシャンが多かったのも、彼らが受けていたプレッシャーを考えれば納得がいくというものです。

でも、乱世というのは、長続きしないんですね。ミュージシャンも聴衆も疲弊してしまうからです。そして、誰もがもっと安定した時代を求めるようになる。「個」の才能に左右された時代は終わりを遂げ、「集団」の安定や調和を志向するようになる。ハードバップがグループ表現に向かったのは必然だと思うのです。

もちろん、「個」から「集団」へ比重が移っていくと、グループの個々の構成員に求められる能力も変わります。瞬間的なひらめきよりも、周囲との協調性やハーモニー感覚が重視される。一発花火をドカンとあげればそれでおしまい、という刹那的な音楽から、時間的、空間的に広がりの感じられる音楽へ、メロディアスで親しみやすい演奏へと、変わっていったのです。

当然、ジャズのすそ野は広がりました。ビバップ時代には頭角を現すことができなかったような人に対しても、ハードバップの女神はほほえみを返してくれます。テクニックはないけれど、作曲の才能に恵まれている人、天才的なひらめきはないけれど、メロディ感覚にすぐれた人、そしてもちろん、そうした能力をすべてあわせもった奇跡的な天才、そういった人たちが、ハードバップの豊穣な世界を形作っていったのです。

当時はまだまだ珍しかったライヴ録音が行われたのは、名門バードランド。バードといえば、ビバップの生みの親チャーリー・パーカーというわけで、パーカーにちなんで名づけられたこのクラブは、ビバップの本場52番街のほど近く、ブロードウェイにありました(現在は移転して、315 West 44th Street にあります)。

別名「ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド」という大仰な名前でも知られるこのクラブを有名にしたのは、ジョージ・シアリング作〈バードランドの子守唄〉だけではありません(この曲を歌ったクリス・コナーの『バードランドの子守唄』は傑作です)。名物司会者ピー・ウィー・マーケットの甲高い声を聞けば、「ああ、あの声か」とピンとくる人も少なくないはず。なにしろ小人の彼がくりだす耳障りな「声」は、サンプリング・ネタとして今でも立派に「現役」なのですから。

ピー・ウィーの声で幕を開ける『バードランドの夜』には、まぎれもない天才なのに、誰からも愛される親しみやすさをあわせもった奇跡の人、クリフォード・ブラウンがいます。60年代初頭のファンキー時代を牽引した2人の立役者、アート・ブレイキーと、ホレス・シルバーがいます。そして、ふだんは少々おつむがたりない(失礼!)ルー・ドナルドソンも、場の雰囲気に呑まれたか、キリッと引き締まった演奏を聞かせます。「ハードバップ誕生」云々は別にして、これはやっぱり傑作だ〜!

ちなみに、この2枚の12インチ盤のLP(1500シリーズ)は、もともと10インチ時代(5000シリーズ)に3枚のアルバム(5037-39)としてリリースされたものを、2枚のアルバムに編集し直したものです。輸入盤のジャケットは、この10インチ時代の作品からとっています(中身は同じですが、ボーナストラックがいくつか入っています)。

 

 

Art Blakey "A Night At Birdland, Vol. 1"
(Blue Note BLP-1521)
Art Blakey "A Night At Birdland, Vol. 2"
(Blue Note BLP-1522)

Clifford Brown (trumpet)
Lou Donaldson (alto sax)
Horace Silver (piano)
Curly Russell (bass)
Art Blakey (drums)

Produced by Alfred Lion
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded live at Birdland, NYC; February 21, 1954

[Tracks: Vol. 1] Art Blakey - A Night At Birdland, Vol.1
01. Split Kick (music: Horace Silver)
02. Once In A While (music: Michael Edwards / words: Bud Green)
03. Quicksilver (music: Horace Silver)
04. A Night In Tunisia (music: Dizzy Gillespie, Frank Paparelli)
05. Mayreh (music: Horace Silver)

[Tracks: Vol. 2] Art Blakey Quartet - A Night At Birdland, Vol.2
01. Wee-Dot (J.J. Johnson, Leo Parker)
02. If I Had You (music+words: Ted Shapiro, James Campbell, Reg Connelly)
03. Quicksilver [alt.] (music: Horace Silver)
04. Now's The Time (music: Charlie Parker)
05. Confirmation (music: Charlie Parker)

[Links: Clifford Brown]
I Remember Clifford: The Clifford Brown Discography
Clifford Brown Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Lou Donaldson]
Lou Donaldson Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Horace Silver]
Horace Silver Tribute and Discography (@ Hardbop Homepage)
Horace Silver Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Art Blakey]
The Official Art Blakey Website
Art Blakey School of Hardbop
Art Blakey Discography Project (@ Jazz Discography Project)

最後にポチッとよろしく。 人気ブログランキング
posted by ユキヒロ at 14:10| Comment(0) | TrackBack(0) | Blue Note | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。