2005年04月30日

エディ・コスタ『ハウス・オブ・ブルー・ライツ』

thehouseofbluelights.jpg

可能性を秘めた若者の死はつねに痛ましいものですが、31歳で亡くなったエディ・コスタの場合、それなりの数が残されている録音のほとんどは意に添わないスタジオ・ワークで、実力を遺憾なく発揮できたのはたった1枚のリーダー作と、わずか数枚のギター・アルバムだけだったというから悲惨です。執拗なまでに低音にこだわるピアニスト、エディ・コスタ。1930年8月14日、ペンシルヴァニア州アトラス生まれ。1962年7月28日、ニューヨークで自動車事故死。

コスタ名義のアルバムはたしかに何枚か残されています。たとえば、VSOP盤『エディ・コスタ・クインテット』やエヴァンスと共演したコーラル盤『ガイズ・アンド・ドールズ・ライク・ヴァイブス』なんてアルバムもあるにはあるのですが、どちらもコスタのヴァイブに焦点を当てた作品で、稀代の低音弾きとしてのコスタを満喫できる作品にはなっていません

ただ、ジュビリー盤『エディ・コスタ=ヴィニー・ヴァーク・トリオ』はピアノがメインの作品らしいのですが、残念ながら未聴です。かなり前に、東芝EMIからCD化されているのですが、いまだ入手することができずにいます。どなたかお持ちじゃありませんか?

そう、エディ・コスタはピアノとヴァイブの両刀使いなんです。そのうえ、彼には初見のスコアをその場で弾きこなす読譜力がありました。音大出のミュージシャンが大半を占める今でこそ、譜面を読めるなんて当たり前かもしれませんが、当時はまともな音楽教育を受けたことのない海千山千の強者たちが跋扈していた時代ですから、譜面に強くない人も多かった。だから、彼は重宝されてしまったわけです、ヴァイブもできるスタジオ・ミュージシャンとして。

スタジオの仕事は定期収入につながるために、一度ハマると抜け出しにくいんです。とくにコスタは4人の子持ちでした。日々の生活の糧を稼がなくちゃいけない。だから、創造性を発揮する余地などまったくない仕事でも、彼はこなさなければならなかった。ここらへんの気持ちは、同じくフリーで仕事する子持ちとして、よくわかります。定期収入はほしい。でも、自分をすり減らすだけの仕事はしたくない。私も日々そのバランスをとるのに苦労しているんです。

そんなコスタが、はじめてピアノ1本で自分の思いのたけをぶちまけたのが、この『ハウス・オブ・ブルー・ライツ』です(ドット・レーベルより。アルバム・リストはこちら)。低音に対する異常なまでの執着。重低音でグイグイと引っ張るドライヴ感。一聴すれば病みつきになる悪魔的な作品です。大好きです!

 

Eddie Costa "The House Of Blue Lights"
(Dot DLP-3206)

Eddie Costa (piano)
Wendell Marshall (bass)
Paul Motian (drums)

Recorded in NY; January 29, February 2, 1959

[Tracks]
01. The House Of Blue Lights (music: Gigi Gryce)
02. My Funny Valentine (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
03. Diane (music: Erno Rapee, Lew Pollack)
04. Annabelle (music: Eddie Costa)
05. When I Fall In Love (music: Victor Young / words: Edward Heyman)
06. What's To Ya (music: Eddie Costa)

[Links: Eddie Costa]
The Official Site of Eddie Costa
Eddie Costa Discography (@ Tony King's Jazz Homepage)

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2005年04月29日

大西順子『ヴィレッジ・ヴァンガード II 』

liveatvv-junko2.jpg 大西 順子 - ビレッジ・バンガード 2

引き続き、大西順子さんの『ヴィレッジ・ヴァンガード II』を。

ふつう、ピアノできらびやかな感じを出そうと思ったら、耳に突き刺さるような高音を織りまぜるはずです。ソフトなピアノも、中音域から高音が中心です。とくにパウエル以降のジャズ・ピアノの世界では、右手中心で左手は添え物的な役割しか果たさないことが多いので、いきおい鍵盤の右側のほうに比重がおかれることになります。

ところが、大西さんのピアノは違います。興が乗ってくると、どんどん低音に向かいます。低いほう、低いほうへとのめり込んでいくのです。それが彼女の力強いタッチとあわさると、えもいわれぬドライヴ感を生み出すのですが、実はこれ、彼女の専売特許ではありません。

低音弾きのピアニストとして、忘れられない人がいます。エディ・コスタです。彼は異様なほど低音に執着します。ほとんど高音は弾かず、鍵盤の左端のほうばかり弾いているわけです。その偏執狂ぶりは、大西さん以上です。で、比べられてしまうわけですね、悲しいことに。大西さんの力強いタッチは、デューク・エリントンの『マネー・ジャングル』を引き合いに出して語られ、彼女の低音への執着は、エディ・コスタのそれと比較されてしまったわけです。

大西さんがどこかに雲隠れしてしまった今から考えると、もしかしたら彼女にとって辛いことだったのかもしれませんが、録音当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった彼女にとっては、むしろ「エディ・コスタがなんぼのもんだ」という意気込みのほうが大きかったのでしょう。冒頭の〈ハウス・オブ・ブルー・ライツ〉は、まさにそのエディ・コスタの悪魔的な名演で知られる曲です。ふつうなら避けてしかるべきこの曲を演ったところに、彼女の強烈な自我を感じます。

でも、この曲だけについていえば、彼女の演奏はエディ・コスタの足許にも及びません。あのおどろおどろしさは、やはり彼にしか出せない世界なんです。大西さんのアルバムは、引退間際の苦悩が浮き彫りになった『フラジャイル』も含め、みんな好きですが、それ以上に、私はエディ・コスタの大ファンなんです。ごめんなさい。

このアルバムでは、むしろ〈リンゴ追分〉的な行き方のほうに惹かれます。

後日談:
この記事にコメントを寄せてくれた TARO さんによると、大西順子さんは現在、復帰したようです。復帰第一弾は大野俊三のグループでのライブで、自己のトリオでの活動ももう決まっているようですよ、とのことでした。彼女の今後に期待ですね。

 

Junko Onishi "Live At The Village Vanguard II"
(Somethin'else 5572)

Junko Onishi (piano)
Reginald Veal (bass)
Herlin Reiley (drums)

Produced by Hitoshi Namekata
Recorded by Jim Anderson
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; May 6-8, 1994

[Tracks] 大西 順子 - ビレッジ・バンガード 2
01. The House Of Blue Lights (music: Gigi Gryce)
02. Never Let Me Go (music: Jay Livingston / words; Raymond Evans)
03. Brilliant Corners (music: Thelonious Monk)
04. Ringo Oiwake (music: Fujio Ozawa, Masao Yoneyama)
05. Tea For Two (music: Vincent Youmans / words: Irving Caesar)

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『ヴィレッジ・ヴァンガードの大西順子』

liveatvv-junko1.jpg 大西 順子 - ビレッジ・バンガードの大西 順子 - EP

途中、何度も中断をはさみながら(笑)続けてきた「ヴィレッジ・ヴァンガード特集」ですが、トリを飾るのは、日本人ではじめて自己名義のグループでこの名門クラブに出演した大西順子さんのライヴ盤、その名も『ヴィレッジ・ヴァンガードの大西順子』です。

デビュー盤『WOW』(92年録音)でブームに火がつき、2作目『クルージン』(93年録音)で全米デビューをはたしたその勢いで、彼女がヴィレッジ・ヴァンガードに出演したのは、1994年5月3日から8日の6日間。当時は、そりゃもう大騒ぎでした(もちろん、ジャズという狭いマーケットの中だけの話ですが)。

いやあ、思い出しますね。ここらへんになると、完全リアルタイムですから。彼女が登場したときは、ジャズ界きってのおぼっちゃま、ウィントン・マルサリス一派が幅を利かしていて、ジャズは黒人が世界に誇る文化だ、ジャズを演る人間は(白人になめられないために)スーツをビシッと決めて、他の黒人の見本にならなければならない、といった妙な価値観が浸透していました。まじめなウィントンの演るジャズは、これまたまじめでカチッとした印象のフォーマルな音楽。テクニックは抜群だけど、歌がない、ソウルがない。そんなときに、彼女が登場したわけです、同時代の男性ピアニストの誰よりもばかデカい音を引っさげて。

ケンカは、最初にガツンとやったほうが勝ちなのです。ジャズも同じです(同じか?)。ピアノがガツンと鳴り、ベースがブーンと地を這い、シンバルが脳天を直撃するだけで、「もうサイコー!」なわけです。大西さんの場合は、鍵盤をガンガン叩きつけるだけでなく、聞くものをグイグイ引っ張っていくようなパワフルな牽引力があったために、うまいけどつまらない音楽に飽き飽きしていた大人たちに拍手喝采を浴びたわけです。

1曲目〈ソー・ロング・エリック〉はミンガス好きの彼女らしい選曲。原曲は『タウン・ホール・コンサート』や『グレイト・コンサート』などで聞けます。私がミンガスのおもしろさに気づいたのは、彼女のおかげです(いずれミンガス特集もやりましょうね)。エリックというのは、もちろんミンガス・グループに在籍したエリック・ドルフィーその人です。

3曲目の MJQ のジョン・ルイス作〈コンコルド〉や、6曲目のオーネット・コールマン作〈コンジニアリティ〉などにも、彼女の好みがモロに出ています。前者の初出はもちろんプレスティッジ盤『コンコルド』。後者はこれも有名な『ジャズ来るべきもの』。大西さんは 2nd アルバムでも取り上げていました。

4曲目は、彼女のオリジナル。ガーシュイン兄弟の作品に同じタイトルの有名な曲がありますが、あれとは別の曲です。

さて、このトリオ。いまいち不満なのは、ベースとドラムスがおとなしすぎること。音が小さいわけではないのに、品行方正というか、羽目を外すところがないから、パワフルな鍵盤さばきで鳴った彼女の力を引き出しきれていない気がします。それもそのはず、レジナルド・ヴィールもハーリン・ライリーも、先のウィントンのグループに在籍していた、いわばエリートたち。これは人選ミスですね。せっかくの壮挙なのに、実にもったいないです。

 

Junko Onishi "Live At The Village Vanguard"
(Somethin'else 5570)

Junko Onishi (piano)
Reginald Veal (bass)
Herlin Riley (drums)

Produced by Hitoshi Namekata
Recorded by Jim Anderson
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; May 6-8, 1994

[Tracks] 大西 順子 - ビレッジ・バンガードの大西 順子 - EP
01. So Long Eric (music: Charles Mingus)
02. Blue Skies (music+words: Irving Berlin)
03. Concorde (music: John Lewis)
04. How Long Has This Been Goin' On (music: Junko Onishi)
05. Darn That Dream (music: Jimmy Van Heusen / words: Eddie DeLange)
06. Congeniality (music: Ornette Coleman)

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ブラッド・メルドー『プログレッション』

artofthetrio5.jpg Brad Mehldau - Art of the Trio, Volume 5: Progression

お待たせしました! ブラッド・メルドーのヴィレッジ・ヴァンガード録音第3弾、『プログレッション』です(2000年録音。今回は怒濤の2枚組)。このアルバムは「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ」名義の(現時点の)最終作でもあります。

さて、私も大好きなメルドーですが、彼についても困ったことが起きてしまいました。私は以前、『ソングス』のところでメルドーをエヴァンスとの比較で語りましたが、その『ソングス』(もちろんふつうの CD です)と、エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビー』を(オリジナルではありませんが、高そうな LP でした)、あろうことか、聞き比べてしまったんです。そう、例のHさんのお宅の高級オーディオで。

で、何が起きたか。全然違うんですよ、タッチの繊細さが。CD の音が前面に飛び出してこないのは録音の問題だからしょうがないとしても、エヴァンスはまるではじめて赤ん坊を触るかのように、やさしく、ひたすらやさしく鍵盤を扱っているのがよくわかります。

たとえば、有名な〈マイ・フーリッシュ・ハート〉の出だしの部分。あのそっと鍵盤の上に指をのせる感じがものすごくリアルに伝わってきて、「ああ、エヴァンスはこの日も例の前屈みの姿勢で、ピアノをいたわりながら弾いていたんだろうな」と勝手に想像がふくらんでくるんです。

それと比べると、メルドーのタッチはかなり雑な印象を受けました。こんなことを思ったのは、もちろんはじめてです。だって、メルドーですよ。彼のリリカルなピアノが「雑」なわけないじゃないですか。でも、そう聞こえてしまったんです。お金のかかったオーディオというのは、本当に恐ろしいものです。

このニュアンスの違いは、きっとピアノという楽器に対するいたわりというか、愛というか、そういうものの差のような気がします。まあ、これはあくまで私の想像ですが。

最後にいちおう断っておきますが、メルドーは今でも大好きですよ。このライヴもかなり入れ込んだテンションの高い演奏で、お気に入りのアルバムの1つです。ただねえ、エヴァンスは本当にすごかったんですよ。お酒(ブルゴーニュのグランクリュ!)も入っていたので、もう本当に「うっとり」してしまったんです(笑)。

 

Brad Mehldau "Progression: The Art Of The Trio, Vol 5"
(Warner Bros. 48005)

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded by Adam Blackburn
Mixed by James Farber
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, September 22-24, 2000

[Tracks: Disc 1] Brad Mehldau - Art of the Trio, Volume 5: Progression
01. The More I See You (music: Harry Warren / words: Mack Gordon)
02. Dream's Monk (music: Brad Mehldau)
03. The Folks Who Live On The Hill (music: Jerome Kern / words: Oscar Hammerstein II)
04. Alone Together (music: Arthur Schwartz / words: Howard Dietz)
05. It Might As Well Be Spring (music: Richard Rodgers / words: Oscar Hammerstein II)
06. Cry Me A River (music+words: Arthur Hamilton)
07. River Man (music: Nicholas Drake)

[Tracks: Disc 2] Brad Mehldau - Art of the Trio, Volume 5: Progression
01. Quit (music: Brad Mehldau)
02. Secret Love (music: Sammy Fain / words: Paul Francis Webster)
03. Sublation (music: Brad Mehldau)
04. Resignation (music: Brad Mehldau)
05. Long Ago (And Far Away) (music: Jerome Kern / words: Ira Gershwin)
06. How Long Has This Been Going On (music: George Gershwin / words: Ira Gershwin)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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2005年04月22日

ソニー・ロリンズ『サキソフォン・コロッサス』

saxophonecolossus.jpg Sonny Rollins - Saxophone Colossus (Rudy Van Gelder Remaster)

今週は急に3つも仕事が重なってなかなか時間がとれないのですが、更新できなかった理由はそれだけではありません。先日、いつも仕事でお世話になっているHさんのお宅にお邪魔して、生まれてはじめてオリジナル盤なるものを聞かせてもらったのですが、あれは予想以上にショッキングな体験で、あのとき聞いた音がボディーブローのように徐々に私の体を蝕んで、その体験を自分なりに消化するのに時間がかかっているのです。

どういうことかというと、高級オーディオで聞く音は、私がこれまで耳にしてきた音とはまったく別物なのです。別次元といってもいい。音が違うと、当然、そこから受ける印象もガラリと変わります。

たとえば、ロリンズ。以前の投稿で、ロリンズのノーテンキなところが好きになれないと書きましたが、LP(オリジナルではありません。リマスター盤です)で聞く『サキソフォン・コロッサス』(通称『サキコロ』)には、ノーテンキなロリンズなど、どこを探しても見つかりません。低音を吹いてもどこか軽く、その軽さゆえにいまいち好きになれなかったロリンズが、これぞ「テナー」という力強い低音で迫ってくる。腹にグッと力を入れておかないと、打ち負かされてしまうような気迫です。

『サキコロ』は名盤ランキングでつねに上位にありますが、その理由が今までわからなかった。これだけ誰もがほめる盤ですから、そのよさがわからないということは、自分にはジャズを聴く能力が欠落しているのではないかと、悩みましたねえ、冗談抜きで(笑)。

だから、ふつうの CD よりもはるかに聞きこんでいるんです。今日こそは、今日こそはロリンズのすごさがわかるんじゃないか、ってね。でも、やっぱり冒頭の〈セント・トーマス〉を聞いただけで、気持ちが萎えてしまうんです。そのくりかえし。最近じゃ、私とロリンズは相性があわないんだからしかたない、と半ば諦めの気持ちもあったりして、とにかく私にとってこの『サキコロ』というのは、別の意味で思い入れの深い盤でもあるのです。

ところが、Hさんのお宅で〈セント・トーマス〉がかかったとき、私は一発でロリンズに開眼してしまったのです。なんだ、これ。これじゃあ、まるで別人じゃん。ていうか、スゲエかっこいいじゃん! いったんそうなると、もう私はしびれっぱなしで、彼のくりだすフレーズの1つ1つが輝いてみえるんですね。ロリンズが、真のジャイアンツとして私の眼前に降臨した瞬間です。

私がもっているのは OJC 盤ですが、これをいくら聞いても、あの刺激的な音を再現することはできません。オーディオにだけははまるまいというのが、家庭円満の秘訣でもあると思うのですが(笑)、弱っちゃいましたね、まったく。

ちなみに、Hさんは私をオーディオの泥沼の世界にはめようと、手ぐすねひいて待っています。すばらしい先達です(笑)。

 

Sonny Rollins "Saxophone Colossus"
(Prestige PRLP-7079)

Sonny Rollins (tenor sax)
Tommy Flanagan (piano)
Doug Watkins (bass)
Max Roach (drums)

Produced by Bob Weinstock
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded at the Van Gelder Studio, Hackensack, NJ; June 22, 1956

[Tracks] Sonny Rollins - Saxophone Colossus (Rudy Van Gelder Remaster)
01. St. Thomas (music: Sonny Rollins)
02. You Don't Know What Love Is (music: Gene DePaul / words: Don Raye)
03. Strode Rode (music: Sonny Rollins)
04. Mack The Knife (aka. Moritat) (music: Kurt Weill / words: Bertolt Brecht, Marc Blitzstein)
05. Blue 7 (music: Sonny Rollins)

[Links: Sonny Rollins]
Sonny Rollins (Official Website)
The Sonny Rollins Page
The Complete Sonny Rollins
Sonny Rollins Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Tommy Flanagan]
Tommy FlanaganDiscography (by トミー・フラナガン愛好会)
Tommy Flanagan Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Doug Watkins]
Doug Watkins Discography (by Vincent Bessieres)
[Links: Max Roach]
Max Roach Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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2005年04月15日

ブラッド・メルドー『バック・アット・ザ・ヴァンガード』

artofthetrio4.jpg Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 4

シャイでクールなピアニスト、ブラッド・メルドーのヴィレッジ・ヴァンガード録音第2弾、その名も『バック・アット・ザ・ヴァンガード』(1999年録音)。前作『ソングス』で匂いたつようなリリシズムの極致を聴かせてくれたメルドーが、自らのトリオを率いて熱く燃えあがります。

冒頭を飾るのは、ジャズメンがこぞって取り上げる有名スタンダード〈オール・ザ・シングス・ユーアー〉。ホントにありとあらゆる人が演奏するので、私の iTune にも50以上のバージョンが登録されていますが、メルドーの演奏もキテます。ここまでテンションの高いメルドーはなかなか聞けません。

2曲目〈Sehnsucht〉(初出は『ソングス』)。「憧れ」という意味のドイツ語だそうです。ドイツ人眼科医の養子として育てられ、自らドイツ文学好きを公言するインテリ、メルドーならではの知的な曲です。

そして、アルバムの最後を締めくくるのは、『ソングス』でも取り上げて話題になったレディオヘッドの〈イグジット・ミュージック〉(初出は『OK Computer』)。美しすぎる演奏です。

 

Brad Mehldau "Back At The Vanguard: The Art Of The Trio, Vol. 4"
(Warner Bros. 47463

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded by David Oakes
Mixed by James Farber
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, January 5-10, 1999

[Tracks] Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 4
01. All The Things You Are (music: Jerome Kern / words: Oscar Hammerstein II)
02. Sehnsucht (music: Brad Mehldau)
03. Nice Pass (music: Brad Mehldau)
04. Solar (music: Miles Davis)
05. London Blues (music: Brad Mehldau)
06. I'll Be Seeing You (music: Sammy Fain / words: Irving Kahal)
07. Exit Music (For A Film) (music: Radiohead)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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ブラッド・メルドー『ソングス』

artofthetrio3.jpg Brad Mehldau - The Art of the Trio, Volume 3: Songs

ブラピならぬブラメこと、ブラッド・メルドーの最高傑作です。ヴァンガード録音ではありませんが、これを紹介しないことには先にいけないので、ここで登場してもらいましょう。その名は『ソングス』、メルドーの心にあふれる「歌」たちです。

リーダー作はもちろん、ゲスト参加作までチャートの上位にランクインしてしまうメルドー人気はとどまることを知らないようですが、ふだんジャズなんか聞かないビギナーから耳の肥えたベテラン・ファンまで、みんなを虜にしてしまう彼の秘密は、どこにあるのでしょう?

「今、私はメルドーを聞いている」という気分に浸れるピアニストって、たぶんエヴァンス以来じゃないかと思うんです。同じ白人でも、キースやチック、あるいはペトちゃんだって、「うっとりと聞き惚れる」というシチュエーションは想像しにくい。でも、「エヴァンスにうっとり」「メルドーにうっとり」というのは、しっくりくるんです、経験的に。なにか高貴な香りがする。しいてあげれば、エンリコ・ピエラヌンツィに同じような匂いを感じますが、いかんせん、日本での知名度が低すぎます(最近はそうでもないかな?)。

ちょっとはにかみがちなルックスが影響しているというのは、たぶんホントです。エヴァンスはドラッグ漬けのジャンキーでしたし、メルドーもくわえタバコに二の腕のタトゥーがトレードマークですが、あの顔を見ただけで、ノックアウトされてしまうわけです。男の私がいうのも何ですが、私が守ってあげなくちゃ(ホントは淋しがり屋さんなんでしょ)と思わせてしまう何かが、彼らにはあります(笑)。

さて、『ソングス』です。ワーナー移籍後の第4弾にして、「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ」名義の3作目。この作品で、ついに例の対位法的奏法が完成します。右手と左手が別々の生き物のように動き回って、どんどん違う方向に行くかと見せかけておいて、徐々に元の鞘に収まっていき、最終的には1つの音に収斂していく(たとえば、2曲目や6曲目で確認できます)。

こう書くと、まるで手品のようですが、小手先のトリッキーな感じは受けません。自分の音楽を極めようとしたら、この表現にたどりつかざるをえなかった、という音楽的必然性が感じられるからです。それくらい、彼のコアな部分と密接につながっている気がします。

 

Brad Mehldau "Songs: The Art Of The Trio, Vol. 3"
(Warner Bros. 47051)

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded and Mixed by James Farber
Recorded at Right Track, NYC; May 27, 28, 1998

[Tracks] Brad Mehldau - The Art of the Trio, Volume 3: Songs
01. Song-Song (music: Brad Mehldau)
02. Unrequited (music: Brad Mehldau)
03. Bewitched, Bothered And Bewildered (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
04. Exit Music (For A Film) (music: Radiohead)
05. At A Loss (music: Brad Mehldau)
06. Convalescent (music: Brad Mehldau)
07. For All We Know (music: J. Fred Coots / words: Sam M. Lewis)
08. River Man (music: Nicholas Drake)
09. Young At Heart (music: Carolyn Leigh, Johnny Richards)
10. Sehnsucht (music: Brad Mehldau)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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2005年04月14日

ブラッド・メルドー『ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』

artofthetrio2.jpg Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 2

60年代のエヴァンス、70年代のキース、80年代のペトちゃんときて、90年代(〜現代)を代表するピアニストといえば、ブラッド・メルドーをおいて他にはいません。1970年8月20日、フロリダ州生まれ。私と同い年です!

彼もまた、名門ヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ作を3枚ものにしています。この『ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』は、メルドー率いる「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ(トリオの芸術)」の2作目で、彼らにとっては初のライヴ録音になります。

「ジ・アート・オブ・ザ・トリオ」も結成後10年近くになります。不動のメンバー、ベースのラリー・グレナディア、ドラムのホルヘ・ロッシ(「Jorge(Jordi)」は「ホルヘ」と発音します。生メルドーを青山のブルーノート東京で聞いたことがありますが、メルドー本人がそういっていたから間違いありません )とメルドーが織りなす複雑な幾何学文様。でも、そこに難解さはありません。むしろ、完璧に均整のとれた数学的な美しさを感じさせます。

メルドーといえば、右手と左手が別々のメロディーラインを刻みながら相互にからみあって、独特の世界をかもしだす対位法的な演奏が有名ですが、この作品ではまだ完成の域には達していません。でも、ところどころに顔を出すんですね。小出しにしては引っ込める。それを聞き逃すまいと、耳をダンボにしている私がいます(笑)。

 

Brad Mehldau "Live At The Village Vanguard: The Art Of The Trio, Vol. 2"
(Warner Bros. 46848)

Brad Mehldau (piano)
Larry Grenadier (bass)
Jorge Rossy (drums)

Produced by Matt Pierson
Recorded by James Farber, John Bates
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, July 29 - August 3, 1997

[Tracks] Brad Mehldau - The Art of the Trio, Vol. 2
01. It's All Right With Me (music+words: Cole Porter)
02. Young And Foolish (music: Albert Hague / words: Arnold B. Horwitt)
03. Monk's Dream (music: Thelonious Monk)
04. The Way You Look Tonight (music: Jerome Kern / Dorothy Fields)
05. Moon River (music: Henry Mancini / words: Johnny Mercer)
06. Countdown (music: John Coltrane)

[Links: Brad Mehldau]
Brad Mehlrau (Official Website)
Brad Mehlrau Discography (by Jens Linge)

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2005年04月13日

ミシェル・ペトルチアーニ『ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』

liveatvvmichelpet.jpg The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard

エヴァンス亡き後の空白を埋めるように、1980年代初頭に颯爽とシーンに登場したミッシェル・ペトルチアーニ。彼もまた、デビュー間もないころは、エヴァンスの影響をモロに感じさせる演奏をしていました。
ライヴ・アット・ヴィレッジ・ヴァンガード』はその時代の作品で、エヴァンスゆかりのヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ録音です(1984年録音)。

たとえば、冒頭の〈ナルディス〉。エヴァンスの最高傑作(ですよね?)『エクスプロレーションズ』に収められていたこの美曲を、ペトちゃんはいったん破壊してから、もう一度構築し直します。
ピアノの独奏から徐々にテーマの片鱗が提示され、「あれ? もしかして?」が「やっぱり、そうだ!」となった瞬間、ベースがからんで慣れ親しんだ〈ナルディス〉が出現するくだりは、何度聞いても興奮します。

この時代のペトちゃんには、ピアノのタッチの美しさもさることながら、音の選び方にエヴァンス的なセンスを感じます。ど真ん中のストレート勝負ではなく、打者(=聞き手)の打ち気を微妙に外す感覚。
後年のペトちゃんが一ピアニストに回帰して、つねに直球勝負の素直な楽しさを感じさせるのと比べると、ちょっと背伸びをした感じがするのです(どちらも好きですけどね)。

ベースのパレ・ダニエルソンは昨日紹介したキースのヨーロピアン・カルテットにも参加していたスウェーデンの重鎮。ドラムのエリオット・ジグムンドはエヴァンス・トリオでの活躍で知られています(最後のドラマーがジョー・ラバーベラ。その前がエリオット・ジグムンドです)。エヴァンス・ライクな雰囲気を出すには、もってこいのメンバーだったのかもしれません。

今回はじめて知ったのですが、オリジナル LP は、ニューポート・ジャズ・フェスティヴァルなどの興行で知られるジョージ・ウィーンがらみの作品だったんですね。私がもっているのはブルーノート盤の CD(Blue Note 40382)ですが、かつてコンコードから出ていたこともあるようです。



Michel Petrucciani "Live At The Village Vanguard"
(The George Wein Collection GW 3006 [2 LPs])

Michel Petrucciani (piano)
Palle Danielsson (bass)
Elliot Zigmund (drums)

Produced by Gabreal Franklin
Recorded by Tom Arrison, Gabreal Franklin
Recorded live at the Village Vanguard, NYC, March 16, 1984

[Tracks] The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard
01. Nardis Miles Davis (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Nardis
02. Oleo Sonny Rollins (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Oleo
03. Le Bricoleur De Big Sur Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Le Bricoleur de Big Sur
04. To Erlinda Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - To Erlinda
05. Say It Again And Again Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Say It Again and Again
06. Trouble O. Dalffon (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Trouble
07. Three Forgotten Magic Words Michel Petrucciani (music) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - Three Forgotten Magic Words
08. 'Round Midnight Thelonious Monk, Cootie William (music) / Bernie Hanighen (lyrics) The Michel Petrucciani Trio - Live At the Village Vanguard - 'Round Midnight

[Links: Michel Petrucciani]
Michel Petrucciani (by Rainer Wolffram)
J'adore Michel Petrucciani (by poisson)
Discography of Michel Petrucciani (@ Corner Pocket by thedia)
Michel Petrucciani (@ Nelson's Navigator for Modern Jazz)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Palle Danielsson]
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic
[Links: Elliot Zigmund]
Elliot Zigmund (Official Webite)
>> ウィキペディア / Wikipedia / allmusic

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2005年04月12日

キース・ジャレット『ヌード・アンツ』

nudeants.jpg

1970年代のキース・ジャレットが率いていたもう1つのカルテット、通称ヨーロピアン・カルテットも(彼らの最初のアルバム・タイトルから「ビロンギング」とも呼ばれる)、ヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ作品を残しています。この『サンシャイン・ソング』がそうです(79年録音。原題は「Nude Ants」、裸のアリです)。

アメリカン・カルテットがキースのゴスペル・タッチのピアノを土台として、ときにフリー・ジャズっぽい激しさを聞かせるバンドだとすると、ヨーロピアン・カルテットはキースの美的センスが極限まで高められ、ヤン・ガルバレクの透明感あふれるサックスが天使のような神々しさをもって舞い降りる、まさに「天上の音楽」を奏でるグループです(彼らの代表作で、私の一番好きなキースのアルバム『マイ・ソング』については、後日あらためて)。

ヤン・ガルバレク(1947年、ノルウェーのオスロ生まれ)、パレ・ダニエルソン(1946年、スウェーデンのストックホルム生まれ)、ヨン・クリステンセン(1943年、ノルウェー生まれ)。白夜と氷の国の出身だけあって、南国特有のきらびやかな原色とは正反対の、澄み渡った冬の空のような無色透明でクリアな音を出す彼らも、本場アメリカのジャズ・クラブでは、いつもとはちょっと違った熱い演奏をくり広げます。

それにしても、タイトルの「裸のアリ」って何の意味だろうと思っていたら、『Nude Ants』と収録曲〈New Dance〉の音が似ているところからつけられたタイトルのようです(「ジャズ批評88キース・ジャレット大全集」より)。『フォート・ヤウ』のアナグラムに続く言葉遊び。こういう妙な遊び心はエヴァンスに通じるものを感じます。エヴァンスもアナグラムが好きでした。

 

Keith Jarrett "Nude Ants"
(ECM 1171)

Jan Garbarek (soprano sax, tenor sax)
Keith Jarrett (piano, timbales, percussion)
Palle Danielson (bass)
Jon Christensen (drums, percussion)

Produced by Manfred Eicher
Recorded by Tom McKenney
Mixed by Martin Wieland
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; May 1979

[Tracks: Disc 1]
01. Chant Of The Soil (music: Keith Jarrett)
02. Innocence (music: Keith Jarrett)
03. Processional (music: Keith Jarrett)

[Tracks: Disc 2]
01. Oasis (music: Keith Jarrett)
02. New Dance (music: Keith Jarrett)
03. Sunshine Song (music: Keith Jarrett)

[Links: Jan Garbarek]
Jan Garbarek Discography (by Brian Ritchie)
Jan Garbarek (@ musicolog.com)
[Links: Keith Jarrett]
keithjarrett.org (by Olivier Bruchez)
The ultimate on-line Keith Jarrett Discography (by Mirko Caserta)
Keith Jarrett Discography Project (@ Jazz Discography Project)

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キース・ジャレット『フォート・ヤウー』

fortyawuh.jpg

毎年のように新作は発表するものの、同じメンバー、同じフォーマット(ベースのゲイリー・ピーコック、ドラムのジャック・デジョネットとのトリオ)による似たような作品ばかりで、今やすっかり「ひきこもり」と化したキース・ジャレットですが、70年代のキースは本当にスゴかった。性格の異なる2つのカルテットを率いたり、前人未到の完全即興ソロ・コンサートを実現したり、現代音楽的なアプローチの作品を発表したりするなど、まさに八面六臂の活躍で、次もきっと何かをやらかしてくれるぞという期待感が、この時期のキースにはありました。

この『フォート・ヤウー』には、通称アメリカン・カルテットによるヴィレッジ・ヴァンガードでのライヴ・パフォーマンスが収録されています(1973年録音。この作品のみパーカッションが加わってクインテット編成です)。

キースの初リーダー作以来の不動のメンバーであるチャーリー・ヘイデンとポール・モチアンに、テナーのデューイ・レッドマンが加わってカルテットの形になったのが、1971年の夏。ヘイデンとレッドマンはともにオーネット・コールマンのグループ出身ですから、キースの多岐にわたる活動歴のなかで、もっともフリー・ジャズに接近したのが、このアメリカン・カルテットだったといえるでしょう。

アルバム・タイトルともなった『Fort Yawuh』は「Fourth Way(第四の道)」のアナグラムです。イギリスのブレア首相は、アメリカとも大陸ヨーロッパとも異なる「第三の道」を唱えていますが、キースは何に対して「第四の道」を歩もうとしていたのでしょうか。

 

Keith Jarrett "Fort Yawuh"
(Impulse AS-9240)

Dewey Redman (tenor sax, musette, maracas)
Keith Jarrett (piano, soprano sax, tambourine)
Charlie Haden (bass)
Paul Motian (drums, percussion)
Danny Johnson (percussion)

Produced by Ed Michel
Recorded by Tony May
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; February 24, 1973

[Tracks]
01. (If The) Misfits (Wear It) (music: Keith Jarrett)
02. Fort Yawuh (music: Keith Jarrett)
03. De Drums (music: Keith Jarrett)
04. Still Life, Still Life (music: Keith Jarrett)

[Links: Keith Jarrett]
keithjarrett.org (by Olivier Bruchez)
The ultimate on-line Keith Jarrett Discography (by Mirko Caserta)
Keith Jarrett Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Charlie Haden]
Charlie Haden Home Page (Official Website)
Charlie Haden Complete(?) Discography (by Szige ichihashi)

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2005年04月08日

ジョン・コルトレーン『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード 』

coltraneliveatvv.jpg John Coltrane - Live at the Village Vanguard - The Master Takes

ジョン・コルトレーンのヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ盤、『ライヴ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード 』です(1961年録音)。コルトレーン(Coltrane)をもじってトレーン(train or trane)と呼ばれます。1926年9月23日、ノース・カロライナ州ハムレット生まれ。1967年7月17日、ニューヨーク州ニューヨークで死去。

トレーンとドルフィーの共演盤として知られていますが、ドルフィー・フリークの私は、正直このアルバムを好きにはなれません。ドルフィーの扱いが可哀想なくらい小さいからです。コルトレーン・カルテットに客演した形とはいえ、全3曲中1曲だけの収録で、しかもいつまで待ってもドルフィーのバスクラのソロは聞こえてこない。イジメじゃないかと思うくらいです。唯一登場する〈スピリチュアル〉も、曲名が、これまたいかにもあっち方面に行ってしまったトレーンっぽくて、うさん臭いです。

テーマ演奏でちょっとハモッてからは、ひたすらトレーンのつかみどころのないソロが続きますが、気がつくと私はトレーンの音はほとんど聞いていません。ドルフィーのバスクラが下腹部にドカンと響くのを、今か今かと待っているのです。それくらい、トレーンの演奏は長い。冗長といったらトレーン・フリークに怒られてしまうかもしれませんが、もっと短くバシッと決めろよ、と思わずツッコミたくなる。それが、インパルス時代のトレーンの印象です(インパルスのアルバムリストはこちら)。

しかも、トレーンの音色は軽い。というか、音に厚みがほとんどありません(ゆったりとバラードを吹くときは別人のような音を出しますが)。リズムは重量級、ドルフィーも音のデカさにかけては超一流ですが、コルトレーンのサックスだけは、ペラペラと薄っぺらい。う〜ん、やっぱり早くドルフィーが聞きたいな。

2曲目の有名スタンダード〈朝日のようにさわやかに〉は、ドルフィー抜きのカルテットの演奏、3曲目〈チェイシン・ザ・トレーン〉はピアノレス・トリオの演奏です。やっぱりイジメですよね、ここまでくると。ちなみに、最後の曲名は、いつも動き回って吹くトレーンを、録音技師ルディ・ヴァン・ゲルダーがマイク片手に追いかけていた(チェイス)のが由来だそうです。

 

John Coltrane "Live At The Village Vanguard"
(Impulse A-10)

John Coltrane (tenor sax, soprano sax)
Eric Dolphy (bass clarinet) #1
McCoy Tyner (piano) #1, 2
Reggie Workman (bass) #1, 2
Jimmy Garrison (bass) #3
Elvin Jones (ds)

Produced by Bob Thiele
Recorded by Rudy Van Gelder
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; November 2 (#2, 3), 3 (#1), 1961

[Tracks] John Coltrane - Live at the Village Vanguard - The Master Takes
01. Spiritual (music: John Coltrane)
02. Softly, As In A Morning Sunrise (music: Sigmund Romberg / words: Oscar Hammerstein II)
03. Chasin' The Trane (music: John Coltrane)

[Links: John Coltrane]
John Coltrane (Official Website)
John Coltrane (@ Dave Wild's WildPlace)
John Coltrane Discography (by ANTAIOS)
John Coltrane Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Eric Dolphy]
Eric Dolphy Discography (by Alan Saul)
Making Eric Dolphy's Complete Discography (by Naohiko Hino)
Site Dolphy
Eric Dolphy Discography (by ANTAIOS)
Eric Dolphy Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: McCoy Tyner]
McCoy Tyner Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Reggie Workman]
Reggie Workman's BassScanz (Official Website)
Reggie Workman Discography (by Rick Lopez)
[Links: Jimmy Garrison]
Jimmy Garrison
[Links: Elvin Jones]
Elvin Jones (Official Website)

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2005年04月05日

『ボビー・ティモンズ・トリオ・イン・パーソン』

bobbytimmonsinperson.jpg

50年代後半から60年代前半にかけて人気を博したファンキー・ジャズの3大コンボといえば、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズ、ホレス・シルバー・クインテット、キャノンボール・アダレイ・クインテットですが、そのうちの2つ(ブレイキーとキャノンボール)を渡り歩いたのが、今日紹介するボビー・ティモンズです。1935年12月19日、ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ。1974年3月1日、ニューヨーク州ニューヨークで死去。

このティモンズ、耳にまとわりつくようなタッチが尋常じゃありません。指の力もさることながら、鍵盤をはなすタイミングが他人よりコンマ何秒か遅いため、一度吸いついたらはなれないというか、非常に粘っこい、後を引くピアノを弾きます。有名な〈モーニン〉の出だしにしても、ふつうの人が譜面どおりに弾いても、ぜったいあの感じは出せません(ブレイキーの黒光りする顔がおそろしい名盤 『モーニン』に収録。ティモンズの作曲です)。

作曲のセンスも抜群です。先にあげた〈モーニン〉はまだ序の口で(朝ではありません。Moan は「うめく、ブツブツ言う」といった意味)、〈ディス・ヒア(This Here)〉、〈ダット・デア(Dat Dere。That There のもじり)〉〈ソー・タイアド(ああ疲れた!)〉など、熱気みなぎるゴキゲンなナンバーを数多くものにしています。

ボビー・ティモンズ・トリオ・イン・パーソン』はヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ盤です(1961年録音)。ロン・カーターがベース、ヒース3兄弟の末弟アルバートがドラムスを叩いています(兄は MJQ のベーシスト、パーシー・ヒース。次兄はテナーのジミー・ヒース)。

ティモンズのオリジナル曲はもちろん、〈枯葉〉〈朝日のように〉といった人気のスタンダード・ナンバーも、彼の手にかかれば、真っ黒なファンキー・ジャズに早変わり。理屈抜きに楽しめます。

 

”Bobby Timmons Trio In Person"
(Riverside RLP-391/9391)

Bobby Timmons (piano)
Ron Carter (bass)
Albert "Tootie" Heath (drums)

Produced by Orrin Keepnews
Recorded by Ray Fowler
Recorded live at Village Vanguard, NYC; October 1, 1961

[Tracks]
01. Autumn Leaves (music: Joseph Kosma / words: Jacques Prevert, Johnny Mercer)
02. So Tired (music: Bobby Timmons)
03. Goodbye (music+words: Gordon Jenkins)
04. Dat Dere (theme) (music: Bobby Timmons)
05. Popsy (music: Bobby Timmons)
06. I Didn't Know What Time It Was (music: Richard Rodgers / words: Lorenz Hart)
07. Softly, As In A Morning Sunrise (music: Sigmund Romberg / words: Oscar Hammerstein II)
08. Dat Dere (theme) (music: Bobby Timmons)

[Links: Bobby Timmons]
Bobby Timmons Discography Project (@ Jazz Discography Project)
[Links: Ron Carter]
Ron Carter (Official Website)

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2005年04月03日

ケニーバレル『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』

anightatvanguard.jpg 

個人的には、もっともジャズを感じさせるギタリスト(大好きです!)、ケニー・バレルのヴィレッジ・ヴァンガードにおけるライヴ盤、『ヴィレッジ・ヴァンガードの夜』です(1959年録音)。これ以上ないほどシンプルなギター・トリオ(ギター+ベース+ドラムス)だからこそ、バレルのギターに酔うにはかっこうの作品です。

人呼んでブルージー・バレル。1931年7月31日、ミシガン州デトロイト生まれ。ブルースを演らせたら、右に出るもののいない名手です。といっても、バレルのそれはディープ・サウスのコテコテのブルースではなく、洗練されたアーバン・ブルースです。摩天楼の片隅でひっそりと輝く青いネオン。バレルのギターには、都会の夜の静寂がよく似合います。

バレルのアルバムには「ブルー(ス)」を基調にしたものが多く、ブルーノートの『ブルー・ライツ Vol. 1』や『ブルー・ライツ Vol. 2』、『ミッドナイト・ブルー』、そのものズバリの『ブルージー・バレル』という作品もあります(これはプレスティッジ傍系のムーズヴィルというレーベルから出ました)。

個人的には、深夜にひとりスコッチ(バーボンではなく)を傾けながら聞くのが定番です。

 

Kenny Burrell "A Night At The Vanguard"
(Argo LP 655)

Kenny Burrell (guitar)
Richard Davis (bass)
Roy Haynes (drums)

Produced by Jack Tracy
Recorded by Phil Macy
Recorded live at the Village Vanguard, NYC; September 16 (#5, 6), 17 (#1-4, 7-10), 1959

[Tracks] 
01. All Night Long (music: Shelton Brooks)
02. Will You Still Be Mine (music: Matt Dennis / words: Tom Adair)
03. I'm A Fool To Want You (music: Frank Sinatra, Joel Herron, Jack Wolf)
04. Trio (music: Erroll Garner)
05. Broadway (music+words: Henry Woode, Teddy McRae, Bill Byrd)
06. Soft Winds (music: Benny Goodman / words: Fred Royal)
07. Just A Sittin' And A Rockin' (music: Duke Ellington, Billy Strayhorn / words: Lee Gaines)
08. Well, You Needn't (music: Thelonious Monk)

[Links: Richard Davis]
Richard Davis (Official Website)

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